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好色貴族の淫らな休日/使用人×ビッチ貴族+α

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……空が赤くなり始める夕刻。


ウィステリア侯爵家に仕える医者のドミニクは、屋敷で使用する医薬品の買い付けから丁度帰って来ていた所だった。


「ただいま戻りました」
「あぁ、おかえりなさいませ。ドミニクさん」

年老いた執事と軽く挨拶を交してドミニクはそのまま診察室へ。

買い付けてきた医薬品やその他医療器具を戸棚に直しつつ、仕事中に怪我をしたという使用人に治療を施していた。

(……最近は旦那様の『仕事』が少ないお陰か、落ち着いた時間が取れるな)

酷い時には週4で『仕事』をこなしているウィリアム。
本人は楽しんでいるようだが、ドミニクにとってそれはとてもだった。

(次代の『薔薇の娼婦』育成が終わるまであと十数年……その日まで、私は……)

複雑な想いを噛み締め、思わず手にした医薬品の容器を握り締める。
だが……


ーーコンコン

「…?はい。開いていますよ」

診察室のドアがノックされ、顰めた顔を戻してから振り返ればそこには屋敷に勤め始めたばかりのメイドが困った様子で立っていた。


「あ、あの…ドミニクさん。ウィリアムさまの事なのですが……」



………………

………………………



「あっ♡あん♡…凄いな、バートランド…♡あれだけ出したのに、まだまだ硬い…♡」
「っ…ウィリアム、さま…そ、そろそろご勘弁を……」


ウィリアムがバートランドを誘って数時間。
2人は未だベッドから出ず、体を重ね続けていた。

「ん♡…んー。この硬さなら、あと2回は出るだろう?」

ぐりっ♡

「く、ぁあっ♡♡」

腰を押し付けるように捻り、更にバートランドの精を搾り取ろうとするウィリアム。
そんな主人の行動にバートランドは思わず歯を食いしばる。

「っ♡…いま、ちょっぴりお漏らししたなぁ♡遠慮なくどぴゅどぴゅ出していいんだぞ♡」
「で、ですが…」

(こ、これ以上は…本当に、枯れてしまう…)

度重なる射精…もといにバートランドの意識が僅かに揺らぐ。

そして、『このまま夜まで搾り取られるのか』と半ば諦めかけたその時だった。


ーーバンッ!

「旦那様!」


部屋のドアが乱暴に開け放たれ、部屋中に諌めるような声が響く。

その声に思わず動きを止めたウィリアムが顔を上げると…部屋の入口に、息を荒らげたドミニクが立っていた。

「うげ…」
「ど、ドミニク…さん……」

『助かった』と心の奥で安堵するバートランドだが、当のドミニクはウィリアムだけではなくバートランドにも厳しい視線を向ける。

「メイドから話を聞いてきてみれば…これは一体どういう事なのですか?」
「あ、あの…今回は俺も悪くて……」
「そんな事は分かっています。…私は旦那様に聞いているのです」

バツが悪そうに申し出るバートランド。
しかしドミニクはそれを一蹴し、真っ直ぐにウィリアムの元へと歩み寄る。

「……旦那様。いくら『掟』にないとはいえ、不必要な行為はお控えいただくようにお願い致しましたよね?」
「なら…『必要』ならいいんだろう?」
「は……?」

ドミニクの言葉に僅かに思案した後、ウィリアムはニヤリと口角を上げる。

「ほら、最近『仕事』の方がめっきりだったろう?だから…のさ」

『バートランドにはしてもらっただけだよ』と悪びれる様子もなく宣うウィリアム。

それは完全に口から出まかせの屁理屈だったが、筋は通っているためにドミニクは複雑そうに眉間に皺を寄せる。

「そうですか…それはあくまでも『御奉仕の為の鍛錬』と…」
「あぁ。だから今後も………」

「でしたら、キチンとしたを決めていただかないといけませんね」
「……え?」

得意げに屁理屈を押し通したはずのウィリアムの顔が一瞬硬直する。
そして……


「まず鍛錬の回数は最大でも週に1度。もちろん薔薇の娼婦としての予約が入っていない時に限ります。鍛錬を行う時は予めスケジュールへの組み込みも必要ですね。それと身体検査の関係上、お相手を担当する者は2~3人に絞ってください。不特定多数をお相手にされると病気のリスクもありますから。あとは…………」


ウィリアムの隙を逃さぬようにドミニクはメガネを押し上げながら捲し立てる。

その凄まじいまでのマシンガントークに、ウィリアムはおろかバートランドもぽかんと口を開けていた。

「………と、凡その形式としてはこんなものですね。…旦那様?」
「へぁ!?な、なに…?」
「その『鍛錬』を正式に制度化したいので、今お話した事を纏めて後ほど書面で提出致します。旦那様にはそれに目を通してもらい、各種必要事項を決めていただきたいのですが……」
「あ、あー…わ、わかった(半分ぐらい聞いてなかったけど…)」

ウィリアムの生返事にドミニクは深々と頭を下げ、最後に懐からを取りだした。

「ありがとうございます。…それと本題の用件ですが…こちら、ゼラニウム公爵家からのお手紙です」

恭しく手渡されたその手紙には、花の紋章…代々財務大臣を務めるゼラニウム公爵家の封蝋が施されていた。

それを一目見てウィリアムは『仕事』の予約である事を悟ったが、今の心境はそれどころではない。

(……あまりのことに理解が遅れたたけど……あのドミニクが、使用人とのセックスを認めてくれた?)

これまで使用人との行為を頑なに忌避してきたドミニク。
そんな彼が、あんな屁理屈1つで簡単に折れた事が信じられなかった。

(もしかして…この間『ちょっと』キレたのが原因かな…?)

使用人との関係を咎められ、思わず感情に任せて圧をかけてしまったことを思い出すウィリアム。

が、特に罪悪感が咎めると言ったことはなく、ただ『ラッキー』程度にしか考えていなかった。


(回数は制限されるけど、これで少なくとも仕事がない時期は大っぴらにセックス出来るからいっか♡)


そんな軽いことを考えながら、またいつもの様に淫らな笑みを浮かべるのであった。





………………………………………………………………


こらむ
ゼラニウム公爵家
代々財務大臣を務めているお偉い家系。
現在の家長はゼニガメル・ゼラニウム42歳。
メインキャラではないが、薔薇の娼婦を頻繁に利用する常連の1人。
外見はでっぷりしたモブおじさんで性格もあまりよろしくない。
強欲な性格で国の金を横領しかけた過去があるが、『万が一バレたら薔薇の娼婦を利用できなくなる!』という理由でなんとか持ち直した。
物欲よりも性欲派らしい。

ウィリアム「ちんぽは並だけど、セックスの勢いとかは好きかな~。特にあのおっきい体で種付けプレスとかされるのが好き♡」
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