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第一部/3組目・親子の冒険者

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※3組目:近親、羞恥、触手、筋肉受け、ふたなり逆アナルなどの要素が含まれます。
筋肉むちむちのオジサンがスケベな目に合いますが、厳密にはBLではありませんのでご注意ください。




…ギルドの調査が入ってから数日。

ブラスレッタの冒険者ギルドに、1枚の張り紙が貼られていた。


「……『新着!ブラスレッタ近郊にダンジョン現る!』か…」

その貼り紙を見つめるのはガタイのいい赤毛の重戦士グラディエーター
重厚な鎧に身を包み、その背には身の丈程の大剣を背負っている。

その少し後ろには同じく赤毛の少女が。
こちらは白いローブと杖、そしてロザリオを身につけていることから癒し手ヒーラー系の冒険者であることが推察された。

「ランクは…C+か…微妙な所だな」
、決まった?」

『お父さん』と呼ばれた重戦士の男はくるりと振り返り、背後の貼り紙を親指で指し示す。

「1つ新しいダンジョンがあるらしい。だが…ランク的にブレアには厳しいかと思ってな」
「む。私だって、もう一人前の冒険者なんだよ?」

ブレアと呼ばれた少女は頬を膨らませ、父親の顔を睨みつける。


ーー重戦士の父・アレクと聖職者クレリックの娘・ブレア。

彼らは親子で活動する冒険者で、街を転々としながら数多くの依頼をこなしてきた腕利きでもあった。


「しかしなぁ…父親として、可愛い娘をあまり危険な所には行かせたくないんだが…」
「もう、今更でしょう?そんなこと言ってたら、怪我しても治してあげないんだからね」

怒ったようにそっぽを向く愛娘に、アレクは困ったように首を横に振った。

「まったく…父さんの転がし方をよく分かってるな。母親そっくりだ」
「えへへ、だってお父さんとお母さんの子供だもん」

年相応の笑顔を見せたブレアは父の隣に並ぶと掲示板の貼り紙を手に取る。

「…ランクはC+、大人数での攻略は不向き、魔物はそこまで強くないけど罠が多い…か」
「行けるか?」
「……うん。大丈夫!だって私たち2人だし、罠だって魔力罠なら私ある程度わかるもん!」

僅かに間が空いたが、それでも自信ありげに頷いた娘にアレクは小さくため息をついた。
そして貼り紙を受け取り、そのままギルドのカウンターへと向かう。

「この貼り紙の写しをくれ。それと、親子枝を2つ」
「はい。では合わせて銀貨1枚となります。……銀貨1枚、確かに。ではこちらを」
「ありがとう」

カウンターではダンジョンの情報が書かれた貼り紙の写しと脱出アイテムである親子枝を購入したアレク。

すぐに娘の元へと戻り、貼り紙に書かれたダンジョンの場所を確認する。

「街道から少し外れた場所だね…」
「歩いていけば2時間程度だな。…少しアイテムを買い足したら直ぐに出るか」
「うん!」

そうして仲睦まじい親子の冒険者はギルドの建物を後にする。

ブラスレッタの街で回復薬やロープ、野営の道具などを買い足すと、その日のうちに目的のダンジョンへと向かった。


…………


……………………



…ダンジョン内の管理人室。

ダンテがダンジョン内のトラップを整備している間、キールはぼんやりとモニターを眺めていた。

「誰か来ないかなぁ…出来れば可愛い女の子…」

ギルドの調査員…ルーカスがやって来てから数日、新たな挑戦者の姿がないことに痺れを切らしたように足をパタパタと揺らすキール。

無意味に唇を尖らせ、羽を広げ、尻尾を揺らしていたが…不意にダンジョン入口付近を写す画面に人影が映った。

「!来た!人間だ!……あ!女の子!女の子もいる!」

人影…2人組の挑戦者、特に赤毛の少女の姿にキールは大興奮だ。

画面越しでも分かる処女特有の気配、そして聖職者らしい服装に淫魔インキュバスとしての本能が刺激される。

(めっちゃ美味しそうだなぁ…ああいう子が淫欲に堕ちていくのが最高なんだよね…)

思わず舌なめずりをするキール。
ダンジョン内部へと入ろうとする2人の姿を見て、自身もダンジョンの部屋へと向かうため踵を……

「キール」
「ぅひゃあぃ!?」

…ダンジョンへ繋がる魔法陣へと足を伸ばした所で背後から声をかけられた。

恐る恐る振り向けば、そこにはいつも通り無表情なダンテの姿が。

「だ、ダンテさま…?あの、新しい挑戦者来たから…俺、今からダンジョンに…」
「その必要はない。前回はイレギュラー対応としてお前を行かせただけだからな。…それよりこの手紙を送ってもらいたい」
「え、えぇ…でも、せっかくの処女…ごにょごにょ…」

言葉を濁らせるキールだが、ダンテの使い魔である彼に拒否権はない。

「挑戦者の映像なら後で幾らでも見せてやる」
「いや、映像よりも生身が…あ、い、いや行きます。行かせていただきますからしまってくださいよぉ!」

ソレ…怪しげな触手生物を取り出したダンテから逃れるようにキールは手紙を受け取り、涙目のままダンジョンの外へと出かけて行く。

その後ろ姿を見送ったダンテは小さくため息をついてからモニターに映る挑戦者…アレクとブレアの姿を見つめる。


「ふむ…血縁か。これはなかなか面白いことになりそうだ」




挑戦者 NO.3
----------------------------
アレク 人間・重戦士 
Lv.58 性別:男 年齢:40
HP:570/570
MP:50/50
状態:良好
----------------------------

----------------------------
ブレア 人間・聖職者
Lv.28 性別:女 年齢:17
HP:145/145
MP:87/87
状態:良好
----------------------------


 
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