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58話〜おつかい4
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「奴隷を200人も纏めて売ったお陰で、私は国から褒められて戦災奴隷の売買のまとめ役にさせられたんですよ」
奴隷商人デールはバーンダーバの顔を見ると勝手に話し始めた。
「貴方のお陰だ、それで、まさか魔剣の次はドラゴンと奴隷の交換ですかな?」
にこやかに言い放ったデールの言葉にセルカがまた吹き出した。
ロゼがジトっとデールを睨む。
「ドラゴンと交換ではないが、よければここにいる奴隷達を引き取りたい」
「あー、それは構いませんが・・・ ここにいる奴隷は1000人を超える上に誰もがかなり衰弱しています、何かをさせるにもほとんど使い物にはなりませんよ?」
奴隷商人デールが困惑したような顔になる。
「村を作っている、彼らにもそこで暮らしてもらいたい」
「はぁ、村ですか」
奴隷商人デールは目の前の男が以前奴隷を買ったのも良心からだというのは分かっているが流石に奴隷を1000人となると相手の正気を疑ってしまう。
なぜ、このエルフがそこまで人間の奴隷を助けようとするのか疑問に思う。
「まぁ、前回の事もありますからね。 お安くはしますよ」
「そうか、助かる。 いくらだ?」
「おいバン、ちゃんと考えてるか? 1000人だぞ? わかってるか?」
セルカが一応だがバーンダーバに確認するように聞いた。
バーンダーバがこうなったら止めても意味が無いことは分かっている。
が、1000人もの人間を食わせる事は簡単では無い。
「そうだな、一応考えている。 セルカも手伝ってくれないか?」
「あー、まー、それはかまわねーけど。 200人で金貨が7000枚必要だったんだぞ? 1000人なら35000枚、魔法使い達の金を全部合わせたって全然たんねーぞ?」
「うむ、恐らく大丈夫だ」
「マジかよ、そこまで言うなら止めねーけどさ」
セルカはそこまで言って引き下がった。
「大丈夫ですかな?」
話の成り行きを見守っていたデールが声をかける。
「あぁ、大丈夫だ。 それで? いくらになる?」
「そうですね、前回もかなり余分に頂きましたからな。 金貨300枚でどうですか?」
「デール殿、そんな金額で大丈夫なのですか?」
人間の奴隷なら本来は1人あたり金貨3~10枚程で取引される、それを思えば1000人の奴隷が金貨300枚は破格である。
デールの後ろに立つ兵隊長カバルが耳元で囁いた。
「このままダイナスバザールまで行っても途中で3割は死ぬでしょう、その損害と運搬が途中で終わる事を考えたらこちらとしても儲けものですよカバル隊長」
「しかし」
「それに、ダイナスバザールでも買い手はほとんど付かないと思います。 本来なら値段の付かない者に値段が付いたと思えば得をしているくらいですよ」
「・・・ デール殿がそう言うなら」
兵隊長は頭を1つ下げて黙る。
「分かった、セルカ、カルバンから預かっている金貨は何枚ある?」
セルカが金貨の入った巾着袋を開く。
「300枚もねーな、あっても200ちょいだな」
「ふむ、では、デール殿。 この奴隷達を村まで護送してもらえないだろうか?ここで金貨200枚を支払うので残りは村で支払おう」
「それは構いませんが、村というのはここからどれぐらいの距離ですかな?」
「歩いても今日中には着く距離だ、地図はあるか」
「はい、こちらに」
カバルが取り出した地図に場所を指し示す。
「では、奴隷達はそこへ送りましょう」
「助かる」
「じゃあ、これが前金の金貨200枚だ。 村に着いたら残りはカルバンからもらってくれ。 以前一緒にいた商人だ」
セルカが巾着から200枚の金貨を数えて渡す。
「確かに、では奴隷達はそこへ連れて行きましょう」
「よろしく頼む」
「カルバンの怒る顔が目に浮かぶな」
「そうだな、行こうセルカ」
「ん、どこに行くんだ?」
「迷宮だ、私が大金を稼ぐならそこしかない」
奴隷商人デールはバーンダーバの顔を見ると勝手に話し始めた。
「貴方のお陰だ、それで、まさか魔剣の次はドラゴンと奴隷の交換ですかな?」
にこやかに言い放ったデールの言葉にセルカがまた吹き出した。
ロゼがジトっとデールを睨む。
「ドラゴンと交換ではないが、よければここにいる奴隷達を引き取りたい」
「あー、それは構いませんが・・・ ここにいる奴隷は1000人を超える上に誰もがかなり衰弱しています、何かをさせるにもほとんど使い物にはなりませんよ?」
奴隷商人デールが困惑したような顔になる。
「村を作っている、彼らにもそこで暮らしてもらいたい」
「はぁ、村ですか」
奴隷商人デールは目の前の男が以前奴隷を買ったのも良心からだというのは分かっているが流石に奴隷を1000人となると相手の正気を疑ってしまう。
なぜ、このエルフがそこまで人間の奴隷を助けようとするのか疑問に思う。
「まぁ、前回の事もありますからね。 お安くはしますよ」
「そうか、助かる。 いくらだ?」
「おいバン、ちゃんと考えてるか? 1000人だぞ? わかってるか?」
セルカが一応だがバーンダーバに確認するように聞いた。
バーンダーバがこうなったら止めても意味が無いことは分かっている。
が、1000人もの人間を食わせる事は簡単では無い。
「そうだな、一応考えている。 セルカも手伝ってくれないか?」
「あー、まー、それはかまわねーけど。 200人で金貨が7000枚必要だったんだぞ? 1000人なら35000枚、魔法使い達の金を全部合わせたって全然たんねーぞ?」
「うむ、恐らく大丈夫だ」
「マジかよ、そこまで言うなら止めねーけどさ」
セルカはそこまで言って引き下がった。
「大丈夫ですかな?」
話の成り行きを見守っていたデールが声をかける。
「あぁ、大丈夫だ。 それで? いくらになる?」
「そうですね、前回もかなり余分に頂きましたからな。 金貨300枚でどうですか?」
「デール殿、そんな金額で大丈夫なのですか?」
人間の奴隷なら本来は1人あたり金貨3~10枚程で取引される、それを思えば1000人の奴隷が金貨300枚は破格である。
デールの後ろに立つ兵隊長カバルが耳元で囁いた。
「このままダイナスバザールまで行っても途中で3割は死ぬでしょう、その損害と運搬が途中で終わる事を考えたらこちらとしても儲けものですよカバル隊長」
「しかし」
「それに、ダイナスバザールでも買い手はほとんど付かないと思います。 本来なら値段の付かない者に値段が付いたと思えば得をしているくらいですよ」
「・・・ デール殿がそう言うなら」
兵隊長は頭を1つ下げて黙る。
「分かった、セルカ、カルバンから預かっている金貨は何枚ある?」
セルカが金貨の入った巾着袋を開く。
「300枚もねーな、あっても200ちょいだな」
「ふむ、では、デール殿。 この奴隷達を村まで護送してもらえないだろうか?ここで金貨200枚を支払うので残りは村で支払おう」
「それは構いませんが、村というのはここからどれぐらいの距離ですかな?」
「歩いても今日中には着く距離だ、地図はあるか」
「はい、こちらに」
カバルが取り出した地図に場所を指し示す。
「では、奴隷達はそこへ送りましょう」
「助かる」
「じゃあ、これが前金の金貨200枚だ。 村に着いたら残りはカルバンからもらってくれ。 以前一緒にいた商人だ」
セルカが巾着から200枚の金貨を数えて渡す。
「確かに、では奴隷達はそこへ連れて行きましょう」
「よろしく頼む」
「カルバンの怒る顔が目に浮かぶな」
「そうだな、行こうセルカ」
「ん、どこに行くんだ?」
「迷宮だ、私が大金を稼ぐならそこしかない」
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