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心現術
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次の日。
「おはよう」
「おはよう」
まだ薄暗い時間、私は早めに行って体を暖めておこうと思っていたら約束の場所にもうすでにノイマンはいた。
いつも着ているダークブラウンの外套を脱いで白い半袖にポケットの沢山あるゆったりした長ズボンに年季の入ったブーツ。
「随分早いのね」
「元々朝は早いんだ。
鳥の鳴き始める瞬間が好きでね」
私と一緒で寝なくてもいいタイプだろうか?
「じゃあ、早速お願いしてもいいのかしら?」
「いや、今日は君のいつものトレーニングを見せてほしい」
「様子見ってことね」
「そういう事」
「じゃあランニングからね」
「どうぞ」
ーーーーーーーーーー
走り始めて30分程たった。
「いつもこんなに走ってるのか?」
こんなにと言いながらノイマンは汗ひとつかいていない。
「今で半分かな」
いつも走っている私の方が息があがっている。
「ペースもいつもこんなものか?」
「そうよ」
いつもより速いペースだけど強がった。
走り終わって今度は自分で削り出した木剣で素振りを始めた。
上段、左右の上段、中段、左右の切り上げ、突き。
自分なりに考えたコンビネーションを繰り返し始めたところでノイマンが声をかけてきた。
「基本は誰かに習ったりしたのかい?」
「いいえ、全部我流」
「よし、ちょっと手合わせしよう」
そう言って落ちている木の棒を拾って一振りすると磨きあげられた木剣に変わった!
「魔法も使えんのね」
初めて見た。
「ちょっとだけな、さぁ掛かってこい」
一人で散々剣を振ってきた。
腕には自信がある。
だけど剣の心得のある、ましてやゴロツキ相手に素手で蹴散らすような腕利きと対決は初めてだ。
大きく深呼吸する。
「遠慮はいらない、回復魔法も使えるから大丈夫だ。殺す気でくるといい」
心臓がバクバクいってる。
剣を体の正面で構える。
どういこうか…
ノイマンの切っ先が自分に向いた。
「こっちから行こうか?」
ノイマンは地面を蹴って一気に間合いを詰める。ノイマンが剣を振る前にこっちも踏み込み両手で構えていた剣を片手に持ち相手の横を一気に通り抜けすれ違う瞬間に脇腹をなぎはらった。
クルリと回転して向き直り相手が体制を決める前に撃ち込む!
上中下に打ちわけてフェイントを交え、緩急を加えても決定打は入らない。
やっぱり強い。
だけどノイマンの剣を受けることは出来る。
受け太刀が出来るか不安だったが思いのほか反応して対処できる。
加減をしているのか、この程度なのか?
なおも手数を緩めずに苛烈に攻めかかる!
上段から体重を載せて撃ち下ろし、返す刀で切り上げさらに撃ち下ろす!
鍔迫り合いになった。
身長はたいして変わらない。
散々筋トレもしている。
男を相手に力勝負で押し合いに勝てるか!?
「ぬあぁっ!」
満身の力を込めて押し返し、相手の体制が崩れた隙を逃さず思いきり踏み抜き、全速力で最初に見せた凪ぎ払いのフェイントを入れてから思いきり胸を突いた!
がっちり決まってノイマンはもんどりうっている!
「ごめん!避けるかと思って!」
でも思いきり決まって気持ち良かった。
「うおぉ…死ぬかと思った」
ノイマンが立ち上がった。
突きを受けた場所を押さえている手が青い光をはなっている。
「それが回復魔法?」
「ああ、ほんとに殺す気できたな。
にしても凄い腕だ!ほんとに我流か?」
もう涼しい顔をしている。
それに思いきり胸を突かれたのに悔しそうな顔もしてないし、ましてや全然怒っている感じもない。
「えぇ、村のひとに相手をしてもらったりもするけど、誰も相手になんなくて」
いつの間にか村一番の使い手になっていた。
「だろうね。王都の四大貴族並みだよ。」
「なにそれ?」
「知らない?王都出身じゃないのか?」
目を丸くしている。
なかなか表情豊かな奴だ。
「私は6才の時にこっから山を越えたところの海沿いの町から来たの、王都には行ったことないよ」
いつか行ってみたいな。
「ファミリーネームは?」
「さぁ、忘れちゃった。
それに一応奴隷身分だから姓は必要無いしね」
ノイマンは少し考え込むような顔をしている
「やっぱりノイマンは王都から来たの?」
「ああ、剣は俺が教える事はないな。
毎朝相手にはなるけど、心現術は知っているか?」
やっぱり素性は話したくないらしい
自分からふったくせに…
「心現術がなにかは知ってるけど、体から出てる生命力みたいなやつを飛ばしたりするやつよね?使い方は知らない」
「うーん、ちょっと違うな、生命力じゃ無くて運動エネルギーだ。
例えば剣を振るとそこに物を切るというエネルギーが生まれる。
それを精神力で強く大きくして集中力で固めて飛ばしたりできる。
後は心の強さで威力が決まる。
やって見せよう」
ノイマンは剣を抜いて中段に構え目を閉じる。
すーっと息を吸い込んで
「はっ」
っと気合いを込めて剣を振り抜いた。
シュッと真空波が飛び前にあった木の大きな枝が切れてどさりと落ちてきた。
「おー!凄い!やってみたい!」
「君ならすぐに出来るだろう。真剣の使用経験は?」
ノイマンは自分の剣を差し出しながら聞いてきた。
「ない、使っていいの?」
剣士は大抵、剣を大事にしていて自分以外に触らせたがらない。
ましてや私は素人だ。
「もちろん、俺が今枝を切った木を試し切りしてみるといい。まずは実際に刃を当てて切る感覚を覚えた方がいい。」
なかなか気前が良い奴だ。
ちょっと胡散臭いとか下心あるんだろとか思ってたのが申し訳なくなってきた。
「こんな太い木切れるの?」
腕を回してギリギリ手が当たるぐらいの太い木だ。
「君の腕なら問題ない。
しっかり集中すれば心現術で剣の切れ味を上げるくらいは誰でも出来る。君ならこれぐらいの木は真っ二つだ。」
なんかそんな気がしてきた。
人をのせるのがうまい奴だ。
私は目を閉じて集中した。
真剣の重みを感じる。
結構重い、出来るだけ肩の力を抜いて刃に集中する。
イメージ。
剣は重い、ぎゅっと握って力任せに振るのではないのがわかる。
それだと遅くなる。
重みを利用し、それを加速させて振り抜く。
要は引けば切れる。
後は木剣と一緒だ。
精神力。
どういう事かよくは分からなかったが剣に自分を写し込むようにイメージしてみる。
踏み込みながら片手を離し腕を体の前で交差させる、大振りにならないように剣を自分の体ギリギリを通して肘が90度になったところで横に薙いだ。
ほとんど手応えを感じなかった。
木は変わらずそこに立っている。
「おみごと」
ノイマンが進み出て木の幹を押すと木が大きな音をたてて倒れた…
「おはよう」
「おはよう」
まだ薄暗い時間、私は早めに行って体を暖めておこうと思っていたら約束の場所にもうすでにノイマンはいた。
いつも着ているダークブラウンの外套を脱いで白い半袖にポケットの沢山あるゆったりした長ズボンに年季の入ったブーツ。
「随分早いのね」
「元々朝は早いんだ。
鳥の鳴き始める瞬間が好きでね」
私と一緒で寝なくてもいいタイプだろうか?
「じゃあ、早速お願いしてもいいのかしら?」
「いや、今日は君のいつものトレーニングを見せてほしい」
「様子見ってことね」
「そういう事」
「じゃあランニングからね」
「どうぞ」
ーーーーーーーーーー
走り始めて30分程たった。
「いつもこんなに走ってるのか?」
こんなにと言いながらノイマンは汗ひとつかいていない。
「今で半分かな」
いつも走っている私の方が息があがっている。
「ペースもいつもこんなものか?」
「そうよ」
いつもより速いペースだけど強がった。
走り終わって今度は自分で削り出した木剣で素振りを始めた。
上段、左右の上段、中段、左右の切り上げ、突き。
自分なりに考えたコンビネーションを繰り返し始めたところでノイマンが声をかけてきた。
「基本は誰かに習ったりしたのかい?」
「いいえ、全部我流」
「よし、ちょっと手合わせしよう」
そう言って落ちている木の棒を拾って一振りすると磨きあげられた木剣に変わった!
「魔法も使えんのね」
初めて見た。
「ちょっとだけな、さぁ掛かってこい」
一人で散々剣を振ってきた。
腕には自信がある。
だけど剣の心得のある、ましてやゴロツキ相手に素手で蹴散らすような腕利きと対決は初めてだ。
大きく深呼吸する。
「遠慮はいらない、回復魔法も使えるから大丈夫だ。殺す気でくるといい」
心臓がバクバクいってる。
剣を体の正面で構える。
どういこうか…
ノイマンの切っ先が自分に向いた。
「こっちから行こうか?」
ノイマンは地面を蹴って一気に間合いを詰める。ノイマンが剣を振る前にこっちも踏み込み両手で構えていた剣を片手に持ち相手の横を一気に通り抜けすれ違う瞬間に脇腹をなぎはらった。
クルリと回転して向き直り相手が体制を決める前に撃ち込む!
上中下に打ちわけてフェイントを交え、緩急を加えても決定打は入らない。
やっぱり強い。
だけどノイマンの剣を受けることは出来る。
受け太刀が出来るか不安だったが思いのほか反応して対処できる。
加減をしているのか、この程度なのか?
なおも手数を緩めずに苛烈に攻めかかる!
上段から体重を載せて撃ち下ろし、返す刀で切り上げさらに撃ち下ろす!
鍔迫り合いになった。
身長はたいして変わらない。
散々筋トレもしている。
男を相手に力勝負で押し合いに勝てるか!?
「ぬあぁっ!」
満身の力を込めて押し返し、相手の体制が崩れた隙を逃さず思いきり踏み抜き、全速力で最初に見せた凪ぎ払いのフェイントを入れてから思いきり胸を突いた!
がっちり決まってノイマンはもんどりうっている!
「ごめん!避けるかと思って!」
でも思いきり決まって気持ち良かった。
「うおぉ…死ぬかと思った」
ノイマンが立ち上がった。
突きを受けた場所を押さえている手が青い光をはなっている。
「それが回復魔法?」
「ああ、ほんとに殺す気できたな。
にしても凄い腕だ!ほんとに我流か?」
もう涼しい顔をしている。
それに思いきり胸を突かれたのに悔しそうな顔もしてないし、ましてや全然怒っている感じもない。
「えぇ、村のひとに相手をしてもらったりもするけど、誰も相手になんなくて」
いつの間にか村一番の使い手になっていた。
「だろうね。王都の四大貴族並みだよ。」
「なにそれ?」
「知らない?王都出身じゃないのか?」
目を丸くしている。
なかなか表情豊かな奴だ。
「私は6才の時にこっから山を越えたところの海沿いの町から来たの、王都には行ったことないよ」
いつか行ってみたいな。
「ファミリーネームは?」
「さぁ、忘れちゃった。
それに一応奴隷身分だから姓は必要無いしね」
ノイマンは少し考え込むような顔をしている
「やっぱりノイマンは王都から来たの?」
「ああ、剣は俺が教える事はないな。
毎朝相手にはなるけど、心現術は知っているか?」
やっぱり素性は話したくないらしい
自分からふったくせに…
「心現術がなにかは知ってるけど、体から出てる生命力みたいなやつを飛ばしたりするやつよね?使い方は知らない」
「うーん、ちょっと違うな、生命力じゃ無くて運動エネルギーだ。
例えば剣を振るとそこに物を切るというエネルギーが生まれる。
それを精神力で強く大きくして集中力で固めて飛ばしたりできる。
後は心の強さで威力が決まる。
やって見せよう」
ノイマンは剣を抜いて中段に構え目を閉じる。
すーっと息を吸い込んで
「はっ」
っと気合いを込めて剣を振り抜いた。
シュッと真空波が飛び前にあった木の大きな枝が切れてどさりと落ちてきた。
「おー!凄い!やってみたい!」
「君ならすぐに出来るだろう。真剣の使用経験は?」
ノイマンは自分の剣を差し出しながら聞いてきた。
「ない、使っていいの?」
剣士は大抵、剣を大事にしていて自分以外に触らせたがらない。
ましてや私は素人だ。
「もちろん、俺が今枝を切った木を試し切りしてみるといい。まずは実際に刃を当てて切る感覚を覚えた方がいい。」
なかなか気前が良い奴だ。
ちょっと胡散臭いとか下心あるんだろとか思ってたのが申し訳なくなってきた。
「こんな太い木切れるの?」
腕を回してギリギリ手が当たるぐらいの太い木だ。
「君の腕なら問題ない。
しっかり集中すれば心現術で剣の切れ味を上げるくらいは誰でも出来る。君ならこれぐらいの木は真っ二つだ。」
なんかそんな気がしてきた。
人をのせるのがうまい奴だ。
私は目を閉じて集中した。
真剣の重みを感じる。
結構重い、出来るだけ肩の力を抜いて刃に集中する。
イメージ。
剣は重い、ぎゅっと握って力任せに振るのではないのがわかる。
それだと遅くなる。
重みを利用し、それを加速させて振り抜く。
要は引けば切れる。
後は木剣と一緒だ。
精神力。
どういう事かよくは分からなかったが剣に自分を写し込むようにイメージしてみる。
踏み込みながら片手を離し腕を体の前で交差させる、大振りにならないように剣を自分の体ギリギリを通して肘が90度になったところで横に薙いだ。
ほとんど手応えを感じなかった。
木は変わらずそこに立っている。
「おみごと」
ノイマンが進み出て木の幹を押すと木が大きな音をたてて倒れた…
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