若い聖女が現れたから私はお役御免！？それならこっちから婚約破棄します！ ～今更私の力に気づいて戻ってきてと言ってももう遅いです～

次の日、図書室で

今日も、昨日と同じように図書室に向かうと、そこには
ルカの姿があった。
「ルカ！どうしてここに？」
「沙羅、図書室ではお静かに。ですよ？」
「あっ……ごめん、昨日ウィル先生にも同じ事言われたっけ……」
「元気なのは良い事ですが、時と場合を考えなくてはいけませんよ？」
そう言って、ルカは少し困ったように笑った。
そんなルカに私は、はい。と返事を返した。
するとルカは、いい子ねと言って私の頭を優しく撫でてくれた。
「もぅ……私の事子ども扱いしてない？」
「んー沙羅は私の可愛い妹ですから、勿論フィリスもよ」
そう言って、ルカは優しく微笑む。その微笑みが本当に綺麗で
私は少し見とれてしまった。
「はっ！そ、それでルカはどうしてここに？」
「ルカ達の様子を見に来たんです、ウィル先生からルカ達は優秀だと
聞きましたので、テストでもしてみようかなと」
「テスト……！？いやいや、私まだまだで……テストなんて」
「大丈夫です、昨日やった所のおさらいをする様な物ですから」
「でも……」
「大丈夫ですよルカ、昨日私と一緒に沢山勉強したでしょう？
自信を持ってください」
そう言って、フィリスは優しく私に笑いかけてくれた。
そうだ、私は昨日フィリスと一緒に沢山勉強をした、フィリスにそれにウィル先生も私達の勉強を見てくれた、うん大丈夫。
「私頑張るよ！」
「その意気です、ルカフィリスも大丈夫ですか？」
「はい、でもその前に昨日の復習の為にノートを見てもいいですか？」
「えぇ、勿論そのノート私も見て良いでしょうか？」
「うん！」
そう元気に返事を返して、私は机の上にノートを広げた。
昨日やったところの復習だったけれど、一日置いたおかげか、昨日よりも頭の中にスラスラと問題が入って来て、昨日よく理解出来なかった物も、ちゃんと理解出来るようになっていた。
それを実感するとなんだか嬉しくて、思わずフィリスと顔を見合わせて笑ってしまった。
「うん、ウィル先生の言っていた通り二人とも
優秀ですね、これなら次の段階に進んでも良さそうです」
「え？テストは……？」
「テストなんてしなくても、二人の様子を見たら分かりますよ？ 特にルカ、慣れない勉強だった筈なのにこんなにちゃんと理解してくれて、私は嬉しいですよ」
そう言って、ルカは優しく私の頭を撫でてくれた。
ルカにそう言われるのは、何だか嬉しくて思わず、えへへ。と笑みをこぼす。
すると今度はフィリスも私の頭を撫でてくれて、それが嬉しくて、くすぐったかった。
「さて、お二人とも合格と言う事で……そろそろ実践のお勉強を始めましょう」
「えっ！もう！？」
「えぇ、知識だけ付けても、使いこなせなければ意味が無いですから。
早速今日から……と言いたいですが、まだ準備をしていないので……そうですね、来週裏の森でどうでしょうか？」
そんなルカの提案に、私達は分かったと返事を返した。
「うん、いい返事ですね。では、来週……頑張りましょうね」
「はい！頑張ろうねフィリス」
「えぇ、頑張りましょう」
そう言って、私達は笑い合った。