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急遽決まったお泊り会

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キッチンに向かうと、沢山の食材たちがテーブルの上に並べられていた
食材たちは、色々な形にカットされたりしていて、後は仕上げをすれば
出来上がりだ、と言う所まで進んでいた。
「あ!ルカ!もう体調は大丈夫なの?」
「えぇ、でも全然手伝えなくてごめんなさい……」
「ううん!まだやる事はあるし、明日手伝ってくれたらいいよ」
そう言って、エミリアはにっこりと笑った。
すると後ろから、嬉しそうな声で私を呼ぶ声が聞こえ、振り返るとそこには料理の準備をしている沙羅がいた。
「え?!ルカもう大丈夫なの!??」
「沙羅……心配かけてごめんなさい」
「ううん、でもプレゼント完成したんでしょ?」
「はい、皆さんのおかげで……あら?フィリスの様子が見えないのですが」
「あっ!フィリスは少し足りないものがあったから取に行ってくるって言ってて……あ、戻って来た!」
そう言って沙羅は、キッチンの扉の方に向かう。
すると、キッチンの扉がゆっくりと開いて、フィリスが姿を現した。
「フィリス!お帰り~」
「沙羅、ただいま……あら?ルカ、目が覚めたのですね」
「えぇ、ご心配を……フィリスもお疲れ様です」
私がそう言うと、フィリスはにっこりと笑って大丈夫です、と答えた。
そして、ちらりと時計を見て……少し考えた後私に言った。
時間が時間なので、そろそろ帰りませんか?と
確かに、もう遅い時間だ、けれど、こんな遅い時間に皆を外に出すのも申し訳ない……そう思っていると、私の気持ちを読んだのかエミリアが言った。
「じゃあ、明日も準備があるしルカの家に泊まらない?」
「えっ!?でもそうですね……こんな時間に皆さんを帰らすのも……うん、少しここで待っててもらえますか?」
私はそう言って、キッチンから出ると、お父様のいる書斎へと向かった。
ノックして部屋に入ると、お父様はいつも通りに仕事をしている。
私が声を掛けると、お父様は書類から私の方へと視線を移しどうしたんだい?と聞いて来た。
「お忙しい所申し訳ありません、あの……」
「お泊りさせていいか?だろう?勿論いいよ、楽しんでおいで」
「あ、ありがとうございます……!!お父様もあまり無理しないでくださいね」
「ありがとう、ルカ。ルカも、パーティーの本番は明日なんだから今日の所は早めに寝るんだよ?」
そう言って、お父様は優しく微笑んでくれた。
私は、はい!と返事をして皆の元へと戻った。
「皆さん、お待たせしました」
「お父さんなんだって?」
「ふふ、エミリアには何でも分かってしまうんですね。もちろん大丈夫だと言ってくれました」
「じゃあ……沙羅!フィリス!今日はルカのお家に泊まれるよ!」
嬉しそうにそう言うエミリアに、沙羅とフィリスは嬉しそうにはしゃいでいた。
私はそんな三人を微笑ましく思いながら、本当にいい友人を持ったなと思った。
「あ、でも寮に申請していない……」
「安心してください、こんなこともあろうかと寮には外泊許可を貰ってあります」
そう言って、フィリスは私に申請書を見せた。
私は、流石ね……と苦笑いをしながらも、お礼を言った。
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