若い聖女が現れたから私はお役御免！？それならこっちから婚約破棄します！ ～今更私の力に気づいて戻ってきてと言ってももう遅いです～

婚約破棄の後のこと

「ルカ大丈夫？」
「エミリア……えぇ、大丈夫よ。でも、これでやっと終わったのね」
「うん、お疲れ様」
私がそう言うと、エミリアは優しく抱きしめてくれた。
私はそんなエミリアを抱きしめ返し、しばらくそのままでいた。
そして、少し落ち着いてきた頃、エミリアから離れ沙羅の方を向いて、私は
沙羅の事を抱きしめた。
「る、ルカ！？どうしたの？？」
「沙羅もありがとう、そしてお疲れ様……」
「ルカ……ありがとう。私ね、アイツにお前がこの国に来なければって言われた時凄く悲しくなった。私がこの国に来たことでルカ達に沢山の迷惑と心配を掛けてしまった事は事実だし」
「沙羅……」
「ここに来たばかりの頃は、こんな所に来たくなかった、帰りたいと思ったこともあるの、でもねそんな私を救ってくれたのは、ルカ貴女だったの、だから言わせてありがとう」
沙羅はそう言って、私の事を抱きしめ返してくれた。
私達は暫くの間抱きしめあった……
やっと落ち着いた頃、これからどうするかを話し合った。
「勢いで婚約破棄しちゃったけれど、大丈夫なのかな……」
「大丈夫よ、ね？エミリア」
「そうだね、ルークが良い感じに話をまとめてくれると思うよ」
私達は、ルークが帰ってきたら改めて話をすることにして、今日の所は
解散する事に決めた。
皆も疲れているだろうから、ゆっくり休んでからまた話し合いをしましょうと言って私達は別れたのだった。
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自宅のドアの前に立つと、自然と笑みがこぼれた。
やっと終わった、と言う実感が湧いてきたからだ。
散々悩まされていた、アルマ様の事も、魔女の事もすべてが片付いた。
『ルカ？どうしたの？』
「いいえ、何でもないわ。ムルもありがとう、今日はゆっくり休んでね」
『うん！また何か困ったことがあったらお手伝いするからね！』
「ありがとう、ムル」
『んふふ～～』
ありがとう、と言ってムルの頭を優しくなでるとムルは嬉しそうに笑ってくれた。
私は、そんなムルに声をかけて家に入った。
家の中に入ると、私の事を心配していた家の者たちが出迎えてくれた。
そして、私は皆に大丈夫だという事を伝え、自室に戻った。
部屋に入った瞬間、緊張が解けたのか急な眠気が襲い、私はベッドに 倒れ込みそのまま眠りについた。
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目が覚め、窓の外を眺めたら外はもう真っ暗で、あれから長い時間が たっていた事を実感した。
私は大きく背伸びをして、ベッドから立ち上がり窓を開けると、夜風が気持ちよくて心地よかった。
「静かね……」
そう呟いて、少しぼーっとしていると扉がノックされ、どうぞ。と返事を返すと、メイドが一人入って来た。
「どうかした？」
「旦那様と奥様がお呼びです」
「お父様とお母様が？分かりました、すぐに行きます」
私は身支度を整え、そして、お父様達のいる書斎へと向かった。
書斎に着くと、私はドアをノックして、私ですと言うと、どうぞ。
と返事が返ってきたので、書斎の扉を開け中に入った。
中には、お父様とお母様がいつも通り仕事をしていて、私が入ると二人とも顔を上げて微笑んでくれた。
「あの……お話って……」
「まぁまぁ、そこに座って頂戴」
お母様にそう言われて、私はソファに座り二人に向かい合う形で座った。
お父様達は私を心配そうに見つめて、そして口を開いた。