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扉の先から現れたのは

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扉の外から爆発音の様な大きな音が聞こえ、扉の方に視線を向けた。
また何か現れたのか……魔女とカイトの方をちらりと横目で見るが、二人は床に座り込み、呆然とした様子でこちらを眺めていた。
どうやら、この二人は関係ないようだ……だったら誰が?
そう思い、扉の方に近づくための一歩を踏み出した所で、扉が勢いよく開いた。
「ルカ!!助けに来たよ!!」
そう叫んで部屋に入ってきたのは、沙羅達だった。
どうして皆さんがここに?そんな疑問が浮かんだけれど、その疑問を投げつける
前に、沙羅が私の胸に飛び込んできた。
「ルカ!!無事で良かった……!!」
「沙羅……それに皆さんも、どうしてここに?」
「それは勿論ルカを助けるために決まってるでしょ!」
沙羅はそう言って私の事を強く抱きしめ、再会を喜んでいた。
皆さんもそんな私達の事を安心した様子で見ている。
「さてと……再開に喜ぶのはここまでにして……ルカをこんな目に合わせた貴女達は絶対許さないんだから……!!」
「ははっ……一体どうするつもりですか?」
「もちろん、お前たちを倒す」
「倒す?貴方達に私達を倒すことが出来るのですか?」
沙羅達は、カイトとマリーに対して戦闘態勢に入っていた。
カイトもそんな沙羅達の事を煽るように不敵に笑っている。
「…………もう、やめませんか?そう言う事は」
「えっ?ルカ……?」
「もうやめませんか、と言っているんです。マリーもカイトも分かったでしょう?敵は私達ではない、こんな事をしても意味が無いと……」
「…………どういう事なんだ?ルカ、説明してくれるか?」
未だに状況が飲み込めないと言いたそうなルークや、皆さんの表情を見て
私は、皆さんが来る前に起こった事、そして話した事……
そのすべてを伝えることにした。
私の話を聞いて、最初は驚いていたけれど、段々と話が飲み込めていったのか
ルーク達は納得してくれた。
「確かにその事件は俺も聞いたことがある……そう言う事だったのか……だが
どんな理由であっても、聖女を傷つけ、この国であの魔法を使ったことは許されない。その事は分かっているな」
「はい、あの時の私はどうにかしてました……でも、ルカと……聖女様と話して
私達がどれだけ愚かな事をしたのか分かったのです」
「マリー、カイト……貴女達も一緒に帰りましょう、そして私達の国で貴女達のした事の罪を償うのです」
私がそう言うと、二人は無言で首を縦に振り、大人しく私達の後ろをついて来てくれた。
話しもまとまり、さぁ、帰りましょう!そう思った時ある事を思い出した。
「あ!あの人の事忘れていました……」
「あの人?一体誰だ?」
「………アルマ様です……多分まだあっちの部屋で眠っている筈です……」
「…………分かった、アレは俺が回収してくるよ。話はあとで聞くからね?」
「ルーク、ありがとうございます」
ルークはそう言って、アルマが眠っている部屋へと向かった。
私達はルークがあの人を連れて帰ってくるのをこの部屋で待つことにした。
「良くここまで来れましたね?どうやったのですか?」
「それはね、沙羅が凄いポーションを作って私達をここまで連れてきてくれたの!!」
「凄いポーション……?」
「はい、魔力を上げるポーションを沙羅が作り上げてここまでこれたのです、ね?沙羅」
「う、うん……まさかこんな上手くいくとは思わなかったけどね」
沙羅は、照れくさそうに私の方を見てそう言った。
確かにこの短期間で、魔力を上げるポーションを作れるのは凄い事だ……沙羅には驚かされる事ばっかりだ。
そんな話で盛り上がっていたら、扉の方から足音が聞こえて来た。
どうやらルークが戻ってきたようだ。
私は扉を開けるために立ち上がり廊下の方へ足を運んだ……
扉を開くとそこには、気持ちよさそうに眠っているアルマ様がルークに抱えられていた、その姿が何だか面白くて、つい笑ってしまった。
あぁ…………でもこれでやっと帰れるのね、私達の国に……
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