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魔女の城に潜入
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「みんな、準備は大丈夫?」
私がそう問いかけると、みんなは
私の方を見てしっかりと頷いてくれた。
その答えを確認した私は、すぅ……と深呼吸をして魔法を使う為の力を貯めた。
微かに感じるルカの魔力を辿り、私は転移魔法を発動させる。
「行くよ……!!」
ルカの魔力に引き寄せられるように私達は魔法陣の中へと吸い込まれていく。
暗く深い水の中の様な空間の中をただひたすらに潜っていく、この暗闇の中にいると、力をすべて持っていかれそうな……そんな感覚。
気を抜けばこの暗闇の中に取り込まれそうな……
そんな、気がして私は必死でルカの魔力を追いかけた。
どれくらい進んだだろう……そう思った時だった。
少し先の方から光が漏れているのに気が付いた、それと同時にルカの魔力も強く感じた……ここにルカがいる。
「みんな!あそこにルカが!!」
私はみんなを誘導すると、光が漏れている場所まで近づいた。
どうやら行き止まりのようだが……この壁の向こうにルカの気配を強く感じる。
恐らく、この壁に魔力で干渉をして中に入り込めるようにすれば……私達はルカに会えるはずだ。
「ここまで来たんだから……」
すぅ……と息を吸って力を溜める、この壁を壊すようなイメージで
……そして。私は自分の持てる力を全て使い、思いっきり壁に向かって魔法を放った。すると、壁に強い振動が走り私達のいる場所がガラガラと音を立てて崩れ始めた。
「皆急いで……!!」
私達は急いでその穴に吸い込まれる様に入っていった……この先にルカがいる!
********
「わぁ~~~!!??!!」
どしんっ、そんな大きな音を立てて私達は謎の空間に落とされた。
打ち付けた腰を押さえながら辺りを見渡すと、薄暗くてよく見えないけれど……どうやらここは、お城の様な場所だった。
けれど、人の気配は全然なくて……でも嫌な気配だけは漂っていた。
「ここは……?」
「うそ……ここって」
「…………魔女の城か……」
「えっ?二人はこの場所知っているの?」
私がそう聞くと、エミリアとルークは、前に来た事があると答えてくれた。
この場所は、前に三人で北の国に行ったときに訪れた魔女の城とそっくりらしい。まさか……本物な訳無いと思っていたけれど、気配はあの時訪れた魔女の城と全く同じで、ルークとエミリアは間違いないと言った。
そんな時目の前に大きな扉がある事に気が付いた、何となくだけれどルカはこの先にいる気がする……
「ねぇ、ルカはあの扉の先にいる気がする……」
「沙羅それは、本当ですか?」
「うん、多分だけれど……ルカの気配はあの扉からする気がする」
「…………本当だ、どうしよう私とルークが先に行く?」
「そうだな……皆は俺達の後ろに……」
「待って!それ私に任せてくれないかな?」
「沙羅にですか……?」
フィリスが心配そうに私の事を見てそう言った。
確かに、魔女は怖い……でも、ルカがいるなら尚更私は先に進まなきゃいけない気がする、そんな気がしたんだ。
「私がルカを助けないといけない気がするんだ……」
私がそう言うと、皆は渋々と言った感じで納得してくれた。
「分かりました、じゃあ行きましょう」
「うん!!」
そう言って私を先頭に、大きな扉の前に立った。
深呼吸をして、扉に手をかけバンッと勢いよく扉を開いた。
「ルカ!!助けに来たよ!!」
私がそう問いかけると、みんなは
私の方を見てしっかりと頷いてくれた。
その答えを確認した私は、すぅ……と深呼吸をして魔法を使う為の力を貯めた。
微かに感じるルカの魔力を辿り、私は転移魔法を発動させる。
「行くよ……!!」
ルカの魔力に引き寄せられるように私達は魔法陣の中へと吸い込まれていく。
暗く深い水の中の様な空間の中をただひたすらに潜っていく、この暗闇の中にいると、力をすべて持っていかれそうな……そんな感覚。
気を抜けばこの暗闇の中に取り込まれそうな……
そんな、気がして私は必死でルカの魔力を追いかけた。
どれくらい進んだだろう……そう思った時だった。
少し先の方から光が漏れているのに気が付いた、それと同時にルカの魔力も強く感じた……ここにルカがいる。
「みんな!あそこにルカが!!」
私はみんなを誘導すると、光が漏れている場所まで近づいた。
どうやら行き止まりのようだが……この壁の向こうにルカの気配を強く感じる。
恐らく、この壁に魔力で干渉をして中に入り込めるようにすれば……私達はルカに会えるはずだ。
「ここまで来たんだから……」
すぅ……と息を吸って力を溜める、この壁を壊すようなイメージで
……そして。私は自分の持てる力を全て使い、思いっきり壁に向かって魔法を放った。すると、壁に強い振動が走り私達のいる場所がガラガラと音を立てて崩れ始めた。
「皆急いで……!!」
私達は急いでその穴に吸い込まれる様に入っていった……この先にルカがいる!
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「わぁ~~~!!??!!」
どしんっ、そんな大きな音を立てて私達は謎の空間に落とされた。
打ち付けた腰を押さえながら辺りを見渡すと、薄暗くてよく見えないけれど……どうやらここは、お城の様な場所だった。
けれど、人の気配は全然なくて……でも嫌な気配だけは漂っていた。
「ここは……?」
「うそ……ここって」
「…………魔女の城か……」
「えっ?二人はこの場所知っているの?」
私がそう聞くと、エミリアとルークは、前に来た事があると答えてくれた。
この場所は、前に三人で北の国に行ったときに訪れた魔女の城とそっくりらしい。まさか……本物な訳無いと思っていたけれど、気配はあの時訪れた魔女の城と全く同じで、ルークとエミリアは間違いないと言った。
そんな時目の前に大きな扉がある事に気が付いた、何となくだけれどルカはこの先にいる気がする……
「ねぇ、ルカはあの扉の先にいる気がする……」
「沙羅それは、本当ですか?」
「うん、多分だけれど……ルカの気配はあの扉からする気がする」
「…………本当だ、どうしよう私とルークが先に行く?」
「そうだな……皆は俺達の後ろに……」
「待って!それ私に任せてくれないかな?」
「沙羅にですか……?」
フィリスが心配そうに私の事を見てそう言った。
確かに、魔女は怖い……でも、ルカがいるなら尚更私は先に進まなきゃいけない気がする、そんな気がしたんだ。
「私がルカを助けないといけない気がするんだ……」
私がそう言うと、皆は渋々と言った感じで納得してくれた。
「分かりました、じゃあ行きましょう」
「うん!!」
そう言って私を先頭に、大きな扉の前に立った。
深呼吸をして、扉に手をかけバンッと勢いよく扉を開いた。
「ルカ!!助けに来たよ!!」
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