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残された人たちは
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「さて、現状を整理しようか」
「そうだね……焦っても何も進まないもんね」
そう言って、ルークとエミリアは話を切り出した。
まず……ルカは魔女と名乗る人達何処かに連れてしまい、私達の力の届かない所にいる。
「まず、ルカのいる場所を突き止めないと進まないよね……私の力がもっと強ければ良かったんだけれど……」
「う~ん……ねぇ?ここにいる皆の魔力ってどんな感じなのかな?私は光魔法が得意で、ルークは……」
「水と光魔法が得意だな、能力的にはルカよりも少し弱いくらいと言ったところだろうか」
水と光魔法……私は水魔法を使う事は出来ないけれど、光魔法が使える。
光魔法が使える人が三人もいれば、ルカを助ける事だって出来るんじゃないか、そう思っていた所にフィリスがこう言った。
「沙羅は光魔法を使える三人の力を合わせれば……と思っているのかもしれませんが、それはおそらく難しいかと思います」
「えっ?どうして?」
「沙羅もあの魔女と言う人間の魔力を感じましたよね?」
「うん……魔力を感じているだけで気分が悪くなるような……」
「そうです、そんな人間の力と聖女でも何でもない人間の力をたった三人分集めた所で……」
「まぁ、通用しないだろうな」
ルークが冷めた様な声でそう言った、本当に通用しない……?
でも、私だって聖女なんだし……
「はい……沙羅も聖女とはいえ、力はまだまだ弱いです……そんな人間の力を合わせても到底魔女には敵いません……」
「そんな……」
「失礼な事を言ってしまい申し訳ありません……でも、残念ながらこれが現実なんです」
そう言ってフィリスは私達に向けて頭を下げた。
私は慌てて頭を上げるように言うと、ありがとうございます、沙羅は優しいですねと言って微笑んでくれた。
「さっきは、ああ言ったけれど……やっぱり俺達の力を合わせた所で……と思ってしまうのが情けない」
ルークはそう言いながら、拳を強く握った。
そんなルークを見て、エミリアはそんなルークの拳にそっと手を置くと、大丈夫だよ……きっと私達ならルカを助けられるよ!と言って微笑む。
何かいい手は無いのかな……私達の力を上げられるような……
魔法の道具みたいな……
「そうだ!ポーションだ!」
「ポーション……?ってあのポーションですか?」
「うん!魔力を上げられるポーションって無いかな?それがあればどうにか出来るかもしれない……!!」
「そんなポーション聞いた事無いですね……フィリスはどうですか?」
「私も聞いた事無いです……沙羅はそれをどこで知ったのですか?」
「うーん……説明が難しいんだけれど、私が元居た世界にゲームって言うものがあってね、その中に魔力を上げるポーションって言うのがあったの!」
この世界には、魔力を上げるポーションは存在しないようだけれど、存在しないのなら作ってしまえばいいんだ。
それなら……!私にだって出来るかもしれない……! ゲームの中では私は物を作るのが得意だったし! そう決意して皆ににポーションの事を説明した。すると二人は納得したように頷いてくれた。
「沙羅の世界ではそんなすごいものがあるんだねぇ……」
「まぁ、物語の中の物だけれどね」
「でも、試してみる価値はあるんじゃないでしょうか?」
「そうですね、私も賛成です」
「よし、じゃあさっそくそのポーション作りから始めよう……!」
そう言って私達はポーション作りを始めることにした。
「そうだね……焦っても何も進まないもんね」
そう言って、ルークとエミリアは話を切り出した。
まず……ルカは魔女と名乗る人達何処かに連れてしまい、私達の力の届かない所にいる。
「まず、ルカのいる場所を突き止めないと進まないよね……私の力がもっと強ければ良かったんだけれど……」
「う~ん……ねぇ?ここにいる皆の魔力ってどんな感じなのかな?私は光魔法が得意で、ルークは……」
「水と光魔法が得意だな、能力的にはルカよりも少し弱いくらいと言ったところだろうか」
水と光魔法……私は水魔法を使う事は出来ないけれど、光魔法が使える。
光魔法が使える人が三人もいれば、ルカを助ける事だって出来るんじゃないか、そう思っていた所にフィリスがこう言った。
「沙羅は光魔法を使える三人の力を合わせれば……と思っているのかもしれませんが、それはおそらく難しいかと思います」
「えっ?どうして?」
「沙羅もあの魔女と言う人間の魔力を感じましたよね?」
「うん……魔力を感じているだけで気分が悪くなるような……」
「そうです、そんな人間の力と聖女でも何でもない人間の力をたった三人分集めた所で……」
「まぁ、通用しないだろうな」
ルークが冷めた様な声でそう言った、本当に通用しない……?
でも、私だって聖女なんだし……
「はい……沙羅も聖女とはいえ、力はまだまだ弱いです……そんな人間の力を合わせても到底魔女には敵いません……」
「そんな……」
「失礼な事を言ってしまい申し訳ありません……でも、残念ながらこれが現実なんです」
そう言ってフィリスは私達に向けて頭を下げた。
私は慌てて頭を上げるように言うと、ありがとうございます、沙羅は優しいですねと言って微笑んでくれた。
「さっきは、ああ言ったけれど……やっぱり俺達の力を合わせた所で……と思ってしまうのが情けない」
ルークはそう言いながら、拳を強く握った。
そんなルークを見て、エミリアはそんなルークの拳にそっと手を置くと、大丈夫だよ……きっと私達ならルカを助けられるよ!と言って微笑む。
何かいい手は無いのかな……私達の力を上げられるような……
魔法の道具みたいな……
「そうだ!ポーションだ!」
「ポーション……?ってあのポーションですか?」
「うん!魔力を上げられるポーションって無いかな?それがあればどうにか出来るかもしれない……!!」
「そんなポーション聞いた事無いですね……フィリスはどうですか?」
「私も聞いた事無いです……沙羅はそれをどこで知ったのですか?」
「うーん……説明が難しいんだけれど、私が元居た世界にゲームって言うものがあってね、その中に魔力を上げるポーションって言うのがあったの!」
この世界には、魔力を上げるポーションは存在しないようだけれど、存在しないのなら作ってしまえばいいんだ。
それなら……!私にだって出来るかもしれない……! ゲームの中では私は物を作るのが得意だったし! そう決意して皆ににポーションの事を説明した。すると二人は納得したように頷いてくれた。
「沙羅の世界ではそんなすごいものがあるんだねぇ……」
「まぁ、物語の中の物だけれどね」
「でも、試してみる価値はあるんじゃないでしょうか?」
「そうですね、私も賛成です」
「よし、じゃあさっそくそのポーション作りから始めよう……!」
そう言って私達はポーション作りを始めることにした。
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