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シロとの接触
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「ひっ……」
何故だか背中に寒気を感じ、私は身震いをした。
最近、色々と疲れているからきっとそのせいだろう。
そう、自分に言い聞かせながら私は、先生にに頼まれていた資料を取りに向かった。
「沙羅?どうかしたのですか?」
私の隣を歩いていたフィリスが心配そうな顔でこちらを見てきた。
「あーなんか変な寒気がして……」
「寒気?もしかして体調でも悪いのですか?」
「ん~そう言う訳じゃ無いんだけれど……誰か私の噂でもしてるのかも」
はははっと乾いた笑いをしながら、私はそう答えた。
でも、フィリスはそれでも心配そうな表情を浮かべていた。
私別にそんなに弱くないんだけどなぁ……と心の中では思っていたけれど、フィリスが私の事を大切に思ってくれているのは素直に嬉しかったので、口にはしなかった。
「そう言えば、最近あの子と随分と仲が良いらしいですね?」
「あの子?」
「生徒会のあの子です、最近二人でいる所を良く見るので」
「あぁ……ミホの事か、ミホとは……その趣味が合うと言うか……」
そう、最近私とミホは二人で過ごすことが増えた。
その理由は、生徒会の人達の情報を探る為であって、フィリスが疑うような
関係ではない、絶対にない。
でも、フィリスはそれでもあまり納得はいっていないようだった。
そうだよね……あの会長のファンの様な子と一緒にいるのを知れば、私との関係を疑わない訳が無いよね……
「安心して、フィリスが思っているような関係ではないから」
「別に疑っている訳じゃ……」
「それ、嘘でしょ……?私だったらそんな話聞いたら心配になっちゃうもん……」
フィリスが私を傷つけないように、嘘を言っているのは分かってた。
だから、私はフィリスに対して嘘でしょ。と言った。
すると、フィリスは驚いた表情を浮かべて私の方を見た。
「沙羅には何でも分かってしまうのですね……」
「当たり前だよ!私とフィリスは親友だもん!」
「しん……ゆう……ふふっ、そうですね」
「それで、ミホと話してた理由なんだけど、本当に趣味が合ってね」
「趣味とは……?」
「お料理だよ!」
私はフィリスにミホと話していた内容を教えて、ミホのことについて話した。
フィリスは最初、ミホの事を警戒しているようだったけれど、私と話している時の感じを見て安心したようだった。
本当は、趣味が合うだなんてのは嘘。
ミホとは、生徒会の人達の話をしていたんだから……けれど、まだこの話は
フィリスは出来ない、したらもっと心配を掛けちゃうから。
でも……フィリスも私が嘘を付いているなんて気付いているんだろうな、黙っててくれるのは……私の為……?
もしそうだとしたら……ちょっと胸が苦しいな、早く会長との事を解決してフィリスを安心させてあげたい。
私はフィリスに、ごめんねと小さく呟いて、フィリスの隣を歩いた。
しばらく歩いて、職員室へとたどり着いた私達は頼まれていた資料を先生に渡した後、教室へと戻ろうとした。
その時だった、後ろから背中をトントンと叩かれ振り向くと、そこにはシロが立っていた。
「ねぇ?貴女が最近会長のお気に入りの聖女ちゃん?」
「あの……」
「すみません……これから次の授業があるので、ほら沙羅行きましょう」
「あ!その……失礼します……」
私は、フィリスに腕を引っ張られながら、シロに挨拶を返してその場を去った。
けれど、廊下を歩きながらも私達の間には会話は無く、フィリスは何だか機嫌が悪そうだった。
あのシロとか言う人物……写真や、遠くで見てた時には気が付かなかったけれど
何だか嫌な感覚がした……魔力みたいのは感じたのだけれど……それはルカとは真逆なそんな力……
「沙羅……大丈夫だった……?」
「うん、いきなりでびっくりしたけど……助かっちゃった、ありがとう」
「いいえ、あの人は危ないので……」
「危ない?どうして?」
「それは……後で教えますね」
フィリスは、そう言って私の手を引いて教室に入った。
危ない……それは、ルカも言っていた。
「やっぱり……ルカの言ってたことは本当だったんだ」
ボソッと独り言のように私は呟いた。
何故だか背中に寒気を感じ、私は身震いをした。
最近、色々と疲れているからきっとそのせいだろう。
そう、自分に言い聞かせながら私は、先生にに頼まれていた資料を取りに向かった。
「沙羅?どうかしたのですか?」
私の隣を歩いていたフィリスが心配そうな顔でこちらを見てきた。
「あーなんか変な寒気がして……」
「寒気?もしかして体調でも悪いのですか?」
「ん~そう言う訳じゃ無いんだけれど……誰か私の噂でもしてるのかも」
はははっと乾いた笑いをしながら、私はそう答えた。
でも、フィリスはそれでも心配そうな表情を浮かべていた。
私別にそんなに弱くないんだけどなぁ……と心の中では思っていたけれど、フィリスが私の事を大切に思ってくれているのは素直に嬉しかったので、口にはしなかった。
「そう言えば、最近あの子と随分と仲が良いらしいですね?」
「あの子?」
「生徒会のあの子です、最近二人でいる所を良く見るので」
「あぁ……ミホの事か、ミホとは……その趣味が合うと言うか……」
そう、最近私とミホは二人で過ごすことが増えた。
その理由は、生徒会の人達の情報を探る為であって、フィリスが疑うような
関係ではない、絶対にない。
でも、フィリスはそれでもあまり納得はいっていないようだった。
そうだよね……あの会長のファンの様な子と一緒にいるのを知れば、私との関係を疑わない訳が無いよね……
「安心して、フィリスが思っているような関係ではないから」
「別に疑っている訳じゃ……」
「それ、嘘でしょ……?私だったらそんな話聞いたら心配になっちゃうもん……」
フィリスが私を傷つけないように、嘘を言っているのは分かってた。
だから、私はフィリスに対して嘘でしょ。と言った。
すると、フィリスは驚いた表情を浮かべて私の方を見た。
「沙羅には何でも分かってしまうのですね……」
「当たり前だよ!私とフィリスは親友だもん!」
「しん……ゆう……ふふっ、そうですね」
「それで、ミホと話してた理由なんだけど、本当に趣味が合ってね」
「趣味とは……?」
「お料理だよ!」
私はフィリスにミホと話していた内容を教えて、ミホのことについて話した。
フィリスは最初、ミホの事を警戒しているようだったけれど、私と話している時の感じを見て安心したようだった。
本当は、趣味が合うだなんてのは嘘。
ミホとは、生徒会の人達の話をしていたんだから……けれど、まだこの話は
フィリスは出来ない、したらもっと心配を掛けちゃうから。
でも……フィリスも私が嘘を付いているなんて気付いているんだろうな、黙っててくれるのは……私の為……?
もしそうだとしたら……ちょっと胸が苦しいな、早く会長との事を解決してフィリスを安心させてあげたい。
私はフィリスに、ごめんねと小さく呟いて、フィリスの隣を歩いた。
しばらく歩いて、職員室へとたどり着いた私達は頼まれていた資料を先生に渡した後、教室へと戻ろうとした。
その時だった、後ろから背中をトントンと叩かれ振り向くと、そこにはシロが立っていた。
「ねぇ?貴女が最近会長のお気に入りの聖女ちゃん?」
「あの……」
「すみません……これから次の授業があるので、ほら沙羅行きましょう」
「あ!その……失礼します……」
私は、フィリスに腕を引っ張られながら、シロに挨拶を返してその場を去った。
けれど、廊下を歩きながらも私達の間には会話は無く、フィリスは何だか機嫌が悪そうだった。
あのシロとか言う人物……写真や、遠くで見てた時には気が付かなかったけれど
何だか嫌な感覚がした……魔力みたいのは感じたのだけれど……それはルカとは真逆なそんな力……
「沙羅……大丈夫だった……?」
「うん、いきなりでびっくりしたけど……助かっちゃった、ありがとう」
「いいえ、あの人は危ないので……」
「危ない?どうして?」
「それは……後で教えますね」
フィリスは、そう言って私の手を引いて教室に入った。
危ない……それは、ルカも言っていた。
「やっぱり……ルカの言ってたことは本当だったんだ」
ボソッと独り言のように私は呟いた。
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