112 / 321
シロという人物
しおりを挟む
ある日の夜の事。
そろそろ眠ろうと、読んでいた本を閉じ、部屋の電気を消そうとしたその時
スマホが鳴った。
こんな時間にメッセージが来るだなんて珍しいな……と思いながら
私はスマホを確認した。
すると、そこには沙羅からメッセージが届いていて、私は 少し驚きながらも、メッセージの内容を確認した。
そこには、アメリとシロと言う人物を知っているか?と言う内容だった。
アメリと言う人物には聞き覚えが無かったけれど、シロと言う人物には聞き覚えがあった。
「彼女は確か……」
私は急いでルークに電話を掛けた。
数回のコール音が響いた後、もしもし?とルークが電話に出た。
「もしもし?こんな時間にごめんなさい」
「大丈夫だよ、でもこんな時間にどうしたの?」
「ルークはシロと言う人物の名前知ってますよね……?」
「あぁ……ルカからその名前が出るとは思ってなかったよ、どうして?」
「沙羅が……彼女の名前を出していたのです、もしかしたら何かに巻き込まれているのかも……」
私がそう言うと、ルークは何かを考えるかのように
うーん……と唸った。
「彼女は……自分が操りやすそうだと思った人間に近づいて、魔法をかけて操るんだ………そして飽きたら捨てられ、気づいたら操られた人の周りには誰もいなくなる……」
そんな風になった子達をたくさん見てきた、とルークは呟くように
そう言った。
私もその事は知っている、だってその子達の掛けられている魔法を解いたのは
私だったから……だから沙羅が巻き込まれてしまっているのなら助けてあげたい
けれど、学園で起こっている事に私が手を貸すというのも少し違う気がした。
「沙羅の事助けるつもり?」
「そうしたいのは山々なのですが、学園内での事なので私は介入するべきではないかと……」
「そうだね、メッセージの内容的にまだ問題は起きて無さそうだし……少しアドバイスと言うか注意してねって話するくらいでいいんじゃない?」
ルークは、少し考えた後そう言った。
確かに沙羅が巻き込まれているとしても、まだ事件とかになっているわけではないので、下手に私が動いてしまうと学園側に何か言われてしまう可能性もある……そう考えると、今はまだ何もせず見守るのがいいのかもしれない。
「そうですね、今日……はもう遅いので明日メッセージを返そうと思います、ルークありがとう」
「いいえ、ルカの力になれて嬉しいよ、じゃあお休み」
「はい、おやすみなさい」
そう、挨拶を交わし電話を切った。
「ふぅ……まさか、こんな事になっているなんて……あの学園って本当に
碌な事しか起こらないのね」
はぁ……とため息を付き、私はベッドに横になった。
アルマ様と婚約破棄をしてからというもの、嫌な事が立て続けに
起こる……婚約破棄をしなければこんな事にはならなかった?
いいや、そんなはずは無い、あの人は私の事を見てくれなかった、あのまま
あの人の傍にいたら私は潰されて、一生虐げられ続けていた。
私は、それが嫌で自ら婚約破棄を申し出る事が出来た……
あのままだったら、私は今頃どうなっていただろうか? 今もまだあの人に虐げられていただろうか?そうなってしまったら私は もう耐えられないかもしれない……だからあの選択は正しかったと 自分に言い聞かせる。
「こんな事を考えてしまうなんて……ダメね、早くムルを助けて魔女を見つけないとだって言うのに……」
私は、そう呟き目を瞑った。
そろそろ眠ろうと、読んでいた本を閉じ、部屋の電気を消そうとしたその時
スマホが鳴った。
こんな時間にメッセージが来るだなんて珍しいな……と思いながら
私はスマホを確認した。
すると、そこには沙羅からメッセージが届いていて、私は 少し驚きながらも、メッセージの内容を確認した。
そこには、アメリとシロと言う人物を知っているか?と言う内容だった。
アメリと言う人物には聞き覚えが無かったけれど、シロと言う人物には聞き覚えがあった。
「彼女は確か……」
私は急いでルークに電話を掛けた。
数回のコール音が響いた後、もしもし?とルークが電話に出た。
「もしもし?こんな時間にごめんなさい」
「大丈夫だよ、でもこんな時間にどうしたの?」
「ルークはシロと言う人物の名前知ってますよね……?」
「あぁ……ルカからその名前が出るとは思ってなかったよ、どうして?」
「沙羅が……彼女の名前を出していたのです、もしかしたら何かに巻き込まれているのかも……」
私がそう言うと、ルークは何かを考えるかのように
うーん……と唸った。
「彼女は……自分が操りやすそうだと思った人間に近づいて、魔法をかけて操るんだ………そして飽きたら捨てられ、気づいたら操られた人の周りには誰もいなくなる……」
そんな風になった子達をたくさん見てきた、とルークは呟くように
そう言った。
私もその事は知っている、だってその子達の掛けられている魔法を解いたのは
私だったから……だから沙羅が巻き込まれてしまっているのなら助けてあげたい
けれど、学園で起こっている事に私が手を貸すというのも少し違う気がした。
「沙羅の事助けるつもり?」
「そうしたいのは山々なのですが、学園内での事なので私は介入するべきではないかと……」
「そうだね、メッセージの内容的にまだ問題は起きて無さそうだし……少しアドバイスと言うか注意してねって話するくらいでいいんじゃない?」
ルークは、少し考えた後そう言った。
確かに沙羅が巻き込まれているとしても、まだ事件とかになっているわけではないので、下手に私が動いてしまうと学園側に何か言われてしまう可能性もある……そう考えると、今はまだ何もせず見守るのがいいのかもしれない。
「そうですね、今日……はもう遅いので明日メッセージを返そうと思います、ルークありがとう」
「いいえ、ルカの力になれて嬉しいよ、じゃあお休み」
「はい、おやすみなさい」
そう、挨拶を交わし電話を切った。
「ふぅ……まさか、こんな事になっているなんて……あの学園って本当に
碌な事しか起こらないのね」
はぁ……とため息を付き、私はベッドに横になった。
アルマ様と婚約破棄をしてからというもの、嫌な事が立て続けに
起こる……婚約破棄をしなければこんな事にはならなかった?
いいや、そんなはずは無い、あの人は私の事を見てくれなかった、あのまま
あの人の傍にいたら私は潰されて、一生虐げられ続けていた。
私は、それが嫌で自ら婚約破棄を申し出る事が出来た……
あのままだったら、私は今頃どうなっていただろうか? 今もまだあの人に虐げられていただろうか?そうなってしまったら私は もう耐えられないかもしれない……だからあの選択は正しかったと 自分に言い聞かせる。
「こんな事を考えてしまうなんて……ダメね、早くムルを助けて魔女を見つけないとだって言うのに……」
私は、そう呟き目を瞑った。
0
お気に入りに追加
150
あなたにおすすめの小説
英雄になった夫が妻子と帰還するそうです
白野佑奈
恋愛
初夜もなく戦場へ向かった夫。それから5年。
愛する彼の為に必死に留守を守ってきたけれど、戦場で『英雄』になった彼には、すでに妻子がいて、王命により離婚することに。
好きだからこそ王命に従うしかない。大人しく離縁して、実家の領地で暮らすことになったのに。
今、目の前にいる人は誰なのだろう?
ヤンデレ激愛系ヒーローと、周囲に翻弄される流され系ヒロインです。
珍しくもちょっとだけ切ない系を目指してみました(恥)
ざまぁが少々キツイので、※がついています。苦手な方はご注意下さい。
【完結】真実の愛だと称賛され、二人は別れられなくなりました
紫崎 藍華
恋愛
ヘレンは婚約者のティルソンから、面白みのない女だと言われて婚約解消を告げられた。
ティルソンは幼馴染のカトリーナが本命だったのだ。
ティルソンとカトリーナの愛は真実の愛だと貴族たちは賞賛した。
貴族たちにとって二人が真実の愛を貫くのか、それとも破滅へ向かうのか、面白ければどちらでも良かった。
妹が寝取った婚約者が実は影武者だった件について 〜本当の婚約者は私を溺愛してやみません〜
葉柚
恋愛
妹のアルフォネアは姉であるステファニーの物を奪うことが生きがいを感じている。
小さい頃はお気に入りの洋服やぬいぐるみを取られた。
18歳になり婚約者が出来たら、今度は私の婚約者に色目を使ってきた。
でも、ちょっと待って。
アルフォネアが色目を使っているのは、婚約者であるルーンファクト王子の影武者なんだけど……。
【完結】 私を忌み嫌って義妹を贔屓したいのなら、家を出て行くのでお好きにしてください
ゆうき@初書籍化作品発売中
恋愛
苦しむ民を救う使命を持つ、国のお抱えの聖女でありながら、悪魔の子と呼ばれて忌み嫌われている者が持つ、赤い目を持っているせいで、民に恐れられ、陰口を叩かれ、家族には忌み嫌われて劣悪な環境に置かれている少女、サーシャはある日、義妹が屋敷にやってきたことをきっかけに、聖女の座と婚約者を義妹に奪われてしまった。
義父は義妹を贔屓し、なにを言っても聞き入れてもらえない。これでは聖女としての使命も、幼い頃にとある男の子と交わした誓いも果たせない……そう思ったサーシャは、誰にも言わずに外の世界に飛び出した。
外の世界に出てから間もなく、サーシャも知っている、とある家からの捜索願が出されていたことを知ったサーシャは、急いでその家に向かうと、その家のご子息様に迎えられた。
彼とは何度か社交界で顔を合わせていたが、なぜかサーシャにだけは冷たかった。なのに、出会うなりサーシャのことを抱きしめて、衝撃の一言を口にする。
「おお、サーシャ! 我が愛しの人よ!」
――これは一人の少女が、溺愛されながらも、聖女の使命と大切な人との誓いを果たすために奮闘しながら、愛を育む物語。
⭐︎小説家になろう様にも投稿されています⭐︎
お幸せに、婚約者様。私も私で、幸せになりますので。
ごろごろみかん。
恋愛
仕事と私、どっちが大切なの?
……なんて、本気で思う日が来るとは思わなかった。
彼は、王族に仕える近衛騎士だ。そして、婚約者の私より護衛対象である王女を優先する。彼は、「王女殿下とは何も無い」と言うけれど、彼女の方はそうでもないみたいですよ?
婚約を解消しろ、と王女殿下にあまりに迫られるので──全て、手放すことにしました。
お幸せに、婚約者様。
私も私で、幸せになりますので。
王太子様には優秀な妹の方がお似合いですから、いつまでも私にこだわる必要なんてありませんよ?
木山楽斗
恋愛
公爵令嬢であるラルリアは、優秀な妹に比べて平凡な人間であった。
これといって秀でた点がない彼女は、いつも妹と比較されて、時には罵倒されていたのである。
しかしそんなラルリアはある時、王太子の婚約者に選ばれた。
それに誰よりも驚いたのは、彼女自身である。仮に公爵家と王家の婚約がなされるとしても、その対象となるのは妹だと思っていたからだ。
事実として、社交界ではその婚約は非難されていた。
妹の方を王家に嫁がせる方が有益であると、有力者達は考えていたのだ。
故にラルリアも、婚約者である王太子アドルヴに婚約を変更するように進言した。しかし彼は、頑なにラルリアとの婚約を望んでいた。どうやらこの婚約自体、彼が提案したものであるようなのだ。
兄がいるので悪役令嬢にはなりません〜苦労人外交官は鉄壁シスコンガードを突破したい〜
藤也いらいち
恋愛
無能王子の婚約者のラクシフォリア伯爵家令嬢、シャーロット。王子は典型的な無能ムーブの果てにシャーロットにあるはずのない罪を並べ立て婚約破棄を迫る。
__婚約破棄、大歓迎だ。
そこへ、視線で人手も殺せそうな眼をしながらも満面の笑顔のシャーロットの兄が王子を迎え撃った!
勝負は一瞬!王子は場外へ!
シスコン兄と無自覚ブラコン妹。
そして、シャーロットに思いを寄せつつ兄に邪魔をされ続ける外交官。妹が好きすぎる侯爵令嬢や商家の才女。
周りを巻き込み、巻き込まれ、果たして、彼らは恋愛と家族愛の違いを理解することができるのか!?
短編 兄がいるので悪役令嬢にはなりません を大幅加筆と修正して連載しています
カクヨム、小説家になろうにも掲載しています。
【完結】夫の健康を気遣ったら余計なことだと言われ、離婚を告げられました
紫崎 藍華
恋愛
モーリスの健康を気遣う妻のグロリア。
それを疎ましく感じたモーリスは脅しのために離婚を口にする。
両者とも退けなくなり離婚することが決まった。
これによりモーリスは自分の言動の報いを受けることになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる