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怪しい生徒
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次の日、私は朝早くから学園に来ていた。
その理由は、噂の出所を探る為と、その噂を流した人物を探す為で
まずは、学園の中を練り歩く事にしてみた。
朝早いからまだ生徒の数は少ないけれど、何人かの生徒とはすれ違った。
その時の視線は、やはり私の方を見て何かヒソヒソと何か話しているようだった。
その子達に話しかけてみようかな、とか思ったりもしたけれど、多分あの子達は
何か知っているような感じでは無さそうだしスルーすることにした。
「はぁ……やっぱり噂広まってるんだなぁ……」
私は大きな溜息をつきながら、ガックリと肩を落とす。
すると、後ろからクスッと笑う声が聞こえ
振り向くとそこにはフィリスがいた。
「ふ、フィリス……!?こんな朝早くにどうしたの?」
「それは私のセリフです、どうですか?手掛かりは見つかりましたか?」
「ううん……噂してる子達は見るんだけれど、肝心の誰が噂してるかっていうのが全然分からなくて……」
私がそう答えると、フィリスは顎に手を当てて考えている。
何か心当たりでもあるのかな……と期待しながら、私はフィリスの答えを待つ。
そして、フィリスはハッとした表情になり、私の顔を見る。
「すみません……!少し考え事をしていて……」
「ううん!何か心当たりでもあったの?」
「えぇ……私の勘違いかもしれませんが……」
そう前置きしてから、フィリスは話してくれた。
それは、昨日私と離れた後の事。
教室に忘れ物をした事を思い出したフィリスは、急いで教室へと戻った。
教室に着き扉を開くと、私の席に見慣れない生徒が一人座っていたのだと言う。
その人は、茶色の髪でポニーテールにしている女の子で、フィリスが話し掛けると慌てて教室から出て行ったらしい。
「沙羅の知っている子ですか……?」
「ううん……」
「そうですか……私も初めて見た子だったのですが……何処かで見たような気もして……」
「どこかで……?」
そんな会話をしていた時、チャイムの音が鳴り響いた。
折角いい所だったのに……そう、思ったけれど、このまま話していたら
遅刻してしまうので私達は急いで教室ヘと向かった。
「お昼にまたお話聞かせてくれる?」
「えぇ、もちろんです。とりあえず今は急ぎましょう?折角早く来たのに意味が無くなってしまいますから」
そう言って、私達は自分のクラスへ急いだ。
教室の中は特に変わったことも無く、いつも通りだった。
まぁ、一部の生徒は私の方を見てヒソヒソと何か話しているようだけれど……。
先生が来てホームルームが始まり、授業が始まった。
午前中の授業は問題なく終わり、私はフィリスと約束のお昼ご飯を食べる事にした。
「はぁ~~お腹すいた~~」
「そうですね、今日の沙羅は頑張ってましたからね」
そう言いながら、そう言いながら、私は持ってきたランチバックを開ける。
中にはサンドイッチが入っていて、これは私が作っておいたものだ。
フィリスの方を見ると、彼女も同じようにサンドイッチを食べていた。
私は、この時間が好きだ。
だって、フィリスと二人でゆっくりできるから。
「ん~美味しい~」
「それで、朝の続きですけど……あの時の子は一体誰なんでしょうか?」
フィリスが思い出したように聞いてきた。
確かにあの子が誰か分かれば噂の事も分かるかもしれないし 私も少し考えてみる。茶色の髪の毛でポニーテールの……やっぱり思いつかない……
「フィリスは何処であの子を見た
の?」
私が聞くと、フィリスは首を傾げて考える。
けれど、フィリスの答えはごめんなさい。と一言だけだった。
結局、あの子の事は分からずじまいだったけれど……まぁその内分かるよね。
そんな事を考えながら、フィリスとのお昼の時間を楽しく過ごした。
その理由は、噂の出所を探る為と、その噂を流した人物を探す為で
まずは、学園の中を練り歩く事にしてみた。
朝早いからまだ生徒の数は少ないけれど、何人かの生徒とはすれ違った。
その時の視線は、やはり私の方を見て何かヒソヒソと何か話しているようだった。
その子達に話しかけてみようかな、とか思ったりもしたけれど、多分あの子達は
何か知っているような感じでは無さそうだしスルーすることにした。
「はぁ……やっぱり噂広まってるんだなぁ……」
私は大きな溜息をつきながら、ガックリと肩を落とす。
すると、後ろからクスッと笑う声が聞こえ
振り向くとそこにはフィリスがいた。
「ふ、フィリス……!?こんな朝早くにどうしたの?」
「それは私のセリフです、どうですか?手掛かりは見つかりましたか?」
「ううん……噂してる子達は見るんだけれど、肝心の誰が噂してるかっていうのが全然分からなくて……」
私がそう答えると、フィリスは顎に手を当てて考えている。
何か心当たりでもあるのかな……と期待しながら、私はフィリスの答えを待つ。
そして、フィリスはハッとした表情になり、私の顔を見る。
「すみません……!少し考え事をしていて……」
「ううん!何か心当たりでもあったの?」
「えぇ……私の勘違いかもしれませんが……」
そう前置きしてから、フィリスは話してくれた。
それは、昨日私と離れた後の事。
教室に忘れ物をした事を思い出したフィリスは、急いで教室へと戻った。
教室に着き扉を開くと、私の席に見慣れない生徒が一人座っていたのだと言う。
その人は、茶色の髪でポニーテールにしている女の子で、フィリスが話し掛けると慌てて教室から出て行ったらしい。
「沙羅の知っている子ですか……?」
「ううん……」
「そうですか……私も初めて見た子だったのですが……何処かで見たような気もして……」
「どこかで……?」
そんな会話をしていた時、チャイムの音が鳴り響いた。
折角いい所だったのに……そう、思ったけれど、このまま話していたら
遅刻してしまうので私達は急いで教室ヘと向かった。
「お昼にまたお話聞かせてくれる?」
「えぇ、もちろんです。とりあえず今は急ぎましょう?折角早く来たのに意味が無くなってしまいますから」
そう言って、私達は自分のクラスへ急いだ。
教室の中は特に変わったことも無く、いつも通りだった。
まぁ、一部の生徒は私の方を見てヒソヒソと何か話しているようだけれど……。
先生が来てホームルームが始まり、授業が始まった。
午前中の授業は問題なく終わり、私はフィリスと約束のお昼ご飯を食べる事にした。
「はぁ~~お腹すいた~~」
「そうですね、今日の沙羅は頑張ってましたからね」
そう言いながら、そう言いながら、私は持ってきたランチバックを開ける。
中にはサンドイッチが入っていて、これは私が作っておいたものだ。
フィリスの方を見ると、彼女も同じようにサンドイッチを食べていた。
私は、この時間が好きだ。
だって、フィリスと二人でゆっくりできるから。
「ん~美味しい~」
「それで、朝の続きですけど……あの時の子は一体誰なんでしょうか?」
フィリスが思い出したように聞いてきた。
確かにあの子が誰か分かれば噂の事も分かるかもしれないし 私も少し考えてみる。茶色の髪の毛でポニーテールの……やっぱり思いつかない……
「フィリスは何処であの子を見た
の?」
私が聞くと、フィリスは首を傾げて考える。
けれど、フィリスの答えはごめんなさい。と一言だけだった。
結局、あの子の事は分からずじまいだったけれど……まぁその内分かるよね。
そんな事を考えながら、フィリスとのお昼の時間を楽しく過ごした。
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