11 / 321
エミリアの家で
しおりを挟む
「はぁ~~アイツほんとしつこい」
「こらっ!アイツなんて言わないの、沙羅様大丈夫ですか?」
「は、はい……あのお二人はお友達なんですか?」
「えぇ、昔からの友達です、ね?」
「うん!聖女さんはなんであいつ……アルマ様の婚約者なんかに?」
「分かりません、気づいたらそうなっていて」
そうか、ここに来た時の沙羅様は言葉が通じなかったからあの人が
無理やり決めてしまったんだ……
それで、沙羅様は断れなかったんだと思う……
「そっか……そうだ!二人とも私の家に来ない?」
「エミリアの家に?」
「うん、ルカの家だとアルマ様が来る可能性があるけど私の家なら大丈夫でしょ?」
「確かに……そうしましょうか」
「私もいいの?」
「もちろん、じゃあ行きましょう」
そうして、私達はエミリアのお家に招待してもらう事になった。
それにしても、沙羅様は本当に辛そうにしている。
何とかしてあげたいけれど、どうしたらいいのか分からなくて 私は無力な自分が情けなくなった。
しばらく歩いて、エミリアの家に着いた。
「すごい……」
「そう?それより早く私の部屋に行こう!」
「はいはい、お邪魔します」
「おじゃまします…」
そうして、私達はエミリアの部屋へと向かった。
部屋に入ると、とても可愛らしい内装になっていた。
女の子らしくて、凄く素敵だと思った。
「久しぶりに来たけれどあまり変わってないわね」
「そう?結構変わったよ~?ほら、ここのぬいぐるみとか!」
そう言いながら楽しそうにぬいぐるみを抱っこするエミリアを見て
可愛いな、と思いながら沙羅様の方を見ると、緊張した表情をしていて何だか落ち着かない様子だ。
それもそうだ、いきなり知らないところに連れてこられて緊張しない方がすごい
。
私が沙羅様の立場だったら、きっと同じような事になっているだろうな。
そんなことを考えていると、エミリアがお茶を入れてくれて、私たちは
改めて自己紹介をした。
「私はエミリア!ルカとは昔から友達で聖女さんともお友達になれたら嬉しいなって思ってます!はい、次!」
「私の事はもう知っていると思うけれど……ルカと言います、改めてよろしくお願いします」
「えっと、私は高木沙羅と言います、よろしくお願いします」
「えぇ、よろしくお願いします」
「よろしくね~!」
「は、はい!それで……ちょっとお願いがあるんだけど」
「お願い……ですか?」
「なになに?」
「…………私の事は沙羅、って呼んで欲しいんです。様付けってなんだか落ち着かなくて」
「えっ……でも……」
沙羅様がそう言うと、エミリアは戸惑った表情を浮かべた。
そして、私をちらっと見た。
私は、大丈夫だよ
と合図を送った。
「分かった、改めてよろしくね沙羅!私の事はエミリアでいいよ~」
「よろしくお願いします、沙羅。私もルカと呼んでください」
「ありがとうございます!エミリア、沙羅」
こうして、私達はお互いの名前を呼び合う仲になった。
それから、沙羅様も少しだけだけど笑顔を見せてくれるようになった。
良かった……
沙羅様が早く元気になってくれるといいな……
「さて、本題に入りましょうか」
「本題?」
「えぇ、沙羅、貴方あの人に酷い事されていない?あの人といるときの表情
あれは、どう見ても楽しそうなものじゃなかった」
「やっぱりそうだよね?私も気になってた……」
「ここなら、何を言って大丈夫だから……教えてくれる?」
「…………それは……」
私がそう言うと、ぽつぽつと話し出した。
「こらっ!アイツなんて言わないの、沙羅様大丈夫ですか?」
「は、はい……あのお二人はお友達なんですか?」
「えぇ、昔からの友達です、ね?」
「うん!聖女さんはなんであいつ……アルマ様の婚約者なんかに?」
「分かりません、気づいたらそうなっていて」
そうか、ここに来た時の沙羅様は言葉が通じなかったからあの人が
無理やり決めてしまったんだ……
それで、沙羅様は断れなかったんだと思う……
「そっか……そうだ!二人とも私の家に来ない?」
「エミリアの家に?」
「うん、ルカの家だとアルマ様が来る可能性があるけど私の家なら大丈夫でしょ?」
「確かに……そうしましょうか」
「私もいいの?」
「もちろん、じゃあ行きましょう」
そうして、私達はエミリアのお家に招待してもらう事になった。
それにしても、沙羅様は本当に辛そうにしている。
何とかしてあげたいけれど、どうしたらいいのか分からなくて 私は無力な自分が情けなくなった。
しばらく歩いて、エミリアの家に着いた。
「すごい……」
「そう?それより早く私の部屋に行こう!」
「はいはい、お邪魔します」
「おじゃまします…」
そうして、私達はエミリアの部屋へと向かった。
部屋に入ると、とても可愛らしい内装になっていた。
女の子らしくて、凄く素敵だと思った。
「久しぶりに来たけれどあまり変わってないわね」
「そう?結構変わったよ~?ほら、ここのぬいぐるみとか!」
そう言いながら楽しそうにぬいぐるみを抱っこするエミリアを見て
可愛いな、と思いながら沙羅様の方を見ると、緊張した表情をしていて何だか落ち着かない様子だ。
それもそうだ、いきなり知らないところに連れてこられて緊張しない方がすごい
。
私が沙羅様の立場だったら、きっと同じような事になっているだろうな。
そんなことを考えていると、エミリアがお茶を入れてくれて、私たちは
改めて自己紹介をした。
「私はエミリア!ルカとは昔から友達で聖女さんともお友達になれたら嬉しいなって思ってます!はい、次!」
「私の事はもう知っていると思うけれど……ルカと言います、改めてよろしくお願いします」
「えっと、私は高木沙羅と言います、よろしくお願いします」
「えぇ、よろしくお願いします」
「よろしくね~!」
「は、はい!それで……ちょっとお願いがあるんだけど」
「お願い……ですか?」
「なになに?」
「…………私の事は沙羅、って呼んで欲しいんです。様付けってなんだか落ち着かなくて」
「えっ……でも……」
沙羅様がそう言うと、エミリアは戸惑った表情を浮かべた。
そして、私をちらっと見た。
私は、大丈夫だよ
と合図を送った。
「分かった、改めてよろしくね沙羅!私の事はエミリアでいいよ~」
「よろしくお願いします、沙羅。私もルカと呼んでください」
「ありがとうございます!エミリア、沙羅」
こうして、私達はお互いの名前を呼び合う仲になった。
それから、沙羅様も少しだけだけど笑顔を見せてくれるようになった。
良かった……
沙羅様が早く元気になってくれるといいな……
「さて、本題に入りましょうか」
「本題?」
「えぇ、沙羅、貴方あの人に酷い事されていない?あの人といるときの表情
あれは、どう見ても楽しそうなものじゃなかった」
「やっぱりそうだよね?私も気になってた……」
「ここなら、何を言って大丈夫だから……教えてくれる?」
「…………それは……」
私がそう言うと、ぽつぽつと話し出した。
1
お気に入りに追加
149
あなたにおすすめの小説
婚約破棄が私を笑顔にした
夜月翠雨
恋愛
「カトリーヌ・シャロン! 本日をもって婚約を破棄する!」
学園の教室で婚約者であるフランシスの滑稽な姿にカトリーヌは笑いをこらえるので必死だった。
そこに聖女であるアメリアがやってくる。
フランシスの瞳は彼女に釘付けだった。
彼女と出会ったことでカトリーヌの運命は大きく変わってしまう。
短編を小分けにして投稿しています。よろしくお願いします。
お前は要らない、ですか。そうですか、分かりました。では私は去りますね。あ、私、こう見えても人気があるので、次の相手もすぐに見つかりますよ。
四季
恋愛
お前は要らない、ですか。
そうですか、分かりました。
では私は去りますね。
【完結】堅物な婚約者には子どもがいました……人は見かけによらないらしいです。
大森 樹
恋愛
【短編】
公爵家の一人娘、アメリアはある日誘拐された。
「アメリア様、ご無事ですか!」
真面目で堅物な騎士フィンに助けられ、アメリアは彼に恋をした。
助けたお礼として『結婚』することになった二人。フィンにとっては公爵家の爵位目当ての愛のない結婚だったはずだが……真面目で誠実な彼は、アメリアと不器用ながらも徐々に距離を縮めていく。
穏やかで幸せな結婚ができると思っていたのに、フィンの前の彼女が現れて『あの人の子どもがいます』と言ってきた。嘘だと思いきや、その子は本当に彼そっくりで……
あの堅物婚約者に、まさか子どもがいるなんて。人は見かけによらないらしい。
★アメリアとフィンは結婚するのか、しないのか……二人の恋の行方をお楽しみください。
婚約破棄された私は、処刑台へ送られるそうです
秋月乃衣
恋愛
ある日システィーナは婚約者であるイデオンの王子クロードから、王宮敷地内に存在する聖堂へと呼び出される。
そこで聖女への非道な行いを咎められ、婚約破棄を言い渡された挙句投獄されることとなる。
いわれの無い罪を否定する機会すら与えられず、寒く冷たい牢の中で断頭台に登るその時を待つシスティーナだったが──
他サイト様でも掲載しております。
大好きな第一王子様、私の正体を知りたいですか? 本当に知りたいんですか?
サイコちゃん
恋愛
第一王子クライドは聖女アレクサンドラに婚約破棄を言い渡す。すると彼女はお腹にあなたの子がいると訴えた。しかしクライドは彼女と寝た覚えはない。狂言だと断じて、妹のカサンドラとの婚約を告げた。ショックを受けたアレクサンドラは消えてしまい、そのまま行方知れずとなる。その頃、クライドは我が儘なカサンドラを重たく感じていた。やがて新しい聖女レイラと恋に落ちた彼はカサンドラと別れることにする。その時、カサンドラが言った。「私……あなたに隠していたことがあるの……! 実は私の正体は……――」
自業自得って言葉、知ってますか? 私をいじめていたのはあなたですよね?
長岡更紗
恋愛
庶民聖女の私をいじめてくる、貴族聖女のニコレット。
王子の婚約者を決める舞踏会に出ると、
「卑しい庶民聖女ね。王子妃になりたいがためにそのドレスも盗んできたそうじゃないの」
あることないこと言われて、我慢の限界!
絶対にあなたなんかに王子様は渡さない!
これは一生懸命生きる人が報われ、悪さをする人は報いを受ける、勧善懲悪のシンデレラストーリー!
*旧タイトルは『灰かぶり聖女は冷徹王子のお気に入り 〜自業自得って言葉、知ってますか? 私をいじめていたのは公爵令嬢、あなたですよ〜』です。
*小説家になろうでも掲載しています。
殿下、幼馴染の令嬢を大事にしたい貴方の恋愛ごっこにはもう愛想が尽きました。
和泉鷹央
恋愛
雪国の祖国を冬の猛威から守るために、聖女カトリーナは病床にふせっていた。
女神様の結界を張り、国を温暖な気候にするためには何か犠牲がいる。
聖女の健康が、その犠牲となっていた。
そんな生活をして十年近く。
カトリーナの許嫁にして幼馴染の王太子ルディは婚約破棄をしたいと言い出した。
その理由はカトリーナを救うためだという。
だが本当はもう一人の幼馴染、フレンヌを王妃に迎えるために、彼らが仕組んだ計略だった――。
他の投稿サイトでも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる