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第01章
05 ギフト
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お昼ご飯が終わりクリスお姉ちゃんとテレスお姉ちゃんが、片づけをしてから再び僕がいる部屋までやってきた。お姉ちゃんはというと僕のそばにいてくれたし、僕もけがも治っているし動こうと思えば動けるけど、そこはお姉ちゃんたちに止められてベッドの上にいる。
「それではさっそく鑑定をしますがよろしいですか?」
テレスお姉ちゃんがそういって僕とお姉ちゃんを見た。テレスお姉ちゃんによると鑑定を人にする場合、本人に確認するのがマナーなんだそうだ。そして僕はまだ10歳と子供のため保護者としてお姉ちゃんの許可も必要だそうだ。
「うん」
「お願い」
「では行きます。鑑定」
ということでテレスお姉ちゃんが鑑定って言って手を僕にかざした。
「なっ! こ、これは、まさか!」
「ちょ、どうしたのテレス」
「おいおい、なんだよ一体」
テレスお姉ちゃんが急に大声を上げたのでびっくりした。お姉ちゃんたちもびっくりしたみたいで思わず聞いている。
「いえ、すみません。ちょっとありえなかったもので」
「ありえない?」
「スキルがないから?」
「そうではありません。いえ、確かにマティオ君はスキルを持ってはいないようです。ですが、その代わりと言いますか」
「なんだよはっきりしねぇなぁ」
もったいぶるテレスお姉ちゃんにクリスお姉ちゃんがしびれを切らした。
「ギフトを持っているようです。それも5つも」
「はっ?」
「えっ!」
「?」
僕にはお姉ちゃんたちが何を驚いているのかわからなかった。ぎふとってなんだろう?
「ギフトって?」
「えっ、ああ、そうね。マティオは知らないわよね。えっとね、ギフトというのは言ってみればスキルよりもすごいものなの」
おねえちゃんの説明は子供の僕にもわかりやすいようなものだった。それによると、ギフトというのはスキルの上位版で、スキルとは比べ物にならないほどの力を持っているという。
「それで、どんなギフトなんだ?」
クリスお姉ちゃんがテレスお姉ちゃんに僕のギフトがどんなものか聞いた。僕も気になる。
「話しても?」
「お願い」
これもマナーで通常どんなスキルを持っているのかは、信用できる日地以外には話さないものなんだそうだ。
「それでは、まず1つは”天下無双”というものです」
「天下無双? なんかずいぶんと仰々しいな。どんな奴だ」
「ええ、これは戦闘系のもののようで、クリスが持つ戦士の上位のようなものでしょうか、ただ、やはりというべきか、剣を中心にとあります」
「えっと、それじゃマティオは剣の扱いが一番うまいけれど、ほかの武技も使えるってこと?」
「そうなります」
「ほぉ、そいつはすげぇな。しかもギフトってことはあたいらよりもレベルは上なんだろ」
「はい、それは間違いありません。ですから、間違いなく将来2人より強くなります」
「わぁ、すごい、すごいじゃないマティオ、よかったね」
「うん」
お姉ちゃんは剣士スキルを持っており、それもそのスキルレベルがかなり高い、その結果特Aというランクにまで登れた。どうやら僕はそんなお姉ちゃんよりも強くなれるようだ。これは純粋にうれしい事実だ。
「尤も、すべてはマティオ君次第ではありますが」
「それはそうだろうな」
テレスお姉ちゃんが言うように、いくら高レベルのスキルやギフトを持っていたとしても、それだけでは強くなれない。まずは強くなろうとする努力が必要になる。それをしないとただの宝の持ち腐れになるだけ。
「それから2つ目ですが、”効率向上”というものですね」
「効率向上? なぁにそれ」
お姉ちゃんが聞いたように僕も言葉の意味が分からない。
「説明によると、これは一回の食事で数日は動けるようになるもののようです」
テレスお姉ちゃんの説明を聞いて、思い当たることがあった。
「もしかして、それで……」
「どうしたのマティオ?」
僕のつぶやきを聞いたお姉ちゃんが聞いてきたので素直に答える。
「えっと、……」
それから僕は、捨てられてからのことを話したら、お姉ちゃんたちの表情がみるみる変わってくる。
「……」
「……!」
「……マ、まじかよっ!」
クリスお姉ちゃんだけかそんな言葉を絞り出しているけど、どうしたのだろう。
「マティオ!」
それからすぐに今度はお姉ちゃんが抱きしめてきた。それに続くようにテレスお姉ちゃん、クリスお姉ちゃんもその上から抱きしめてきた。というか、お姉ちゃんたちはみんななんだか泣いているように見える。
「お姉ちゃん?」
「ごめんね。マティオ、お姉ちゃんもっと早く戻ってくるべきだったね」
「はい、あの時にもどってくるべきでした」
「いや、それを言うなら領都なんか行かなきゃよかったんだ」
お姉ちゃんたちがそういって言い合いを始めてしまった。もちろんみんなが喧嘩を始めたわけではなく、意見の出し合いだけど、それでも、それらはすでに終わった話なんだけど。
「ああ、もう、おいテレス次は何だ?」
この変な空気に嫌気がさしたのか、クリスお姉ちゃんがテレスお姉ちゃんに次のギフトは何かと尋ねる。
「は、はい、そうですね。次は”無病息災”というもので、病気をしないというものですから、おそらくこれと先ほどの効率向上と合わせることでマティオ君はこの5年間を生き延びることができたのでしょう」
テレスお姉ちゃんによると、この2つのギフトのおかげで僕は5年間を生き抜くことができたということだった。つまり、効率向上があったから時々食べるだけでお腹がすくこともなかったし、無病息災があったから病気にもならなかったし、ごみ箱の腐ったものを食べてもお腹を壊さなかったということみたいだ。両親にしてられた原因がスキルがなく、神様に嫌われていたからだったけれど、実は神様のおかげで生き抜くことができた。なんだか、複雑な気分だ。
「なるほどなぁ。それで、最後は何なんだ?」
「えっと、最後のギフトですが、実は私にもわからないのです。”???”となっていて、説明にも同じく?が付いていまして、何のことかはさっぱりです」
テレスお姉ちゃんが言うには僕の最後のギフトは、?という記号だけで、何かわからないとのこと。これにはみんなびっくりしていた。それというのもテレスお姉ちゃんの鑑定スキルは最高レベルで、これまでこうしてみることができなかったものがなかったからだそうだ。スキルでは見ることができないギフト、それは一体どんな力のあるどんなものなのだろう、すごい気になるけれど、こればかりは仕方ない。そのうちわかるのを楽しみにするしかない。
こうして、テレスお姉ちゃんにより僕は神様に嫌われていたのではないということが判明した。あの夢の中で女神さまが言っていたことは嘘じゃなかったんだね
「それではさっそく鑑定をしますがよろしいですか?」
テレスお姉ちゃんがそういって僕とお姉ちゃんを見た。テレスお姉ちゃんによると鑑定を人にする場合、本人に確認するのがマナーなんだそうだ。そして僕はまだ10歳と子供のため保護者としてお姉ちゃんの許可も必要だそうだ。
「うん」
「お願い」
「では行きます。鑑定」
ということでテレスお姉ちゃんが鑑定って言って手を僕にかざした。
「なっ! こ、これは、まさか!」
「ちょ、どうしたのテレス」
「おいおい、なんだよ一体」
テレスお姉ちゃんが急に大声を上げたのでびっくりした。お姉ちゃんたちもびっくりしたみたいで思わず聞いている。
「いえ、すみません。ちょっとありえなかったもので」
「ありえない?」
「スキルがないから?」
「そうではありません。いえ、確かにマティオ君はスキルを持ってはいないようです。ですが、その代わりと言いますか」
「なんだよはっきりしねぇなぁ」
もったいぶるテレスお姉ちゃんにクリスお姉ちゃんがしびれを切らした。
「ギフトを持っているようです。それも5つも」
「はっ?」
「えっ!」
「?」
僕にはお姉ちゃんたちが何を驚いているのかわからなかった。ぎふとってなんだろう?
「ギフトって?」
「えっ、ああ、そうね。マティオは知らないわよね。えっとね、ギフトというのは言ってみればスキルよりもすごいものなの」
おねえちゃんの説明は子供の僕にもわかりやすいようなものだった。それによると、ギフトというのはスキルの上位版で、スキルとは比べ物にならないほどの力を持っているという。
「それで、どんなギフトなんだ?」
クリスお姉ちゃんがテレスお姉ちゃんに僕のギフトがどんなものか聞いた。僕も気になる。
「話しても?」
「お願い」
これもマナーで通常どんなスキルを持っているのかは、信用できる日地以外には話さないものなんだそうだ。
「それでは、まず1つは”天下無双”というものです」
「天下無双? なんかずいぶんと仰々しいな。どんな奴だ」
「ええ、これは戦闘系のもののようで、クリスが持つ戦士の上位のようなものでしょうか、ただ、やはりというべきか、剣を中心にとあります」
「えっと、それじゃマティオは剣の扱いが一番うまいけれど、ほかの武技も使えるってこと?」
「そうなります」
「ほぉ、そいつはすげぇな。しかもギフトってことはあたいらよりもレベルは上なんだろ」
「はい、それは間違いありません。ですから、間違いなく将来2人より強くなります」
「わぁ、すごい、すごいじゃないマティオ、よかったね」
「うん」
お姉ちゃんは剣士スキルを持っており、それもそのスキルレベルがかなり高い、その結果特Aというランクにまで登れた。どうやら僕はそんなお姉ちゃんよりも強くなれるようだ。これは純粋にうれしい事実だ。
「尤も、すべてはマティオ君次第ではありますが」
「それはそうだろうな」
テレスお姉ちゃんが言うように、いくら高レベルのスキルやギフトを持っていたとしても、それだけでは強くなれない。まずは強くなろうとする努力が必要になる。それをしないとただの宝の持ち腐れになるだけ。
「それから2つ目ですが、”効率向上”というものですね」
「効率向上? なぁにそれ」
お姉ちゃんが聞いたように僕も言葉の意味が分からない。
「説明によると、これは一回の食事で数日は動けるようになるもののようです」
テレスお姉ちゃんの説明を聞いて、思い当たることがあった。
「もしかして、それで……」
「どうしたのマティオ?」
僕のつぶやきを聞いたお姉ちゃんが聞いてきたので素直に答える。
「えっと、……」
それから僕は、捨てられてからのことを話したら、お姉ちゃんたちの表情がみるみる変わってくる。
「……」
「……!」
「……マ、まじかよっ!」
クリスお姉ちゃんだけかそんな言葉を絞り出しているけど、どうしたのだろう。
「マティオ!」
それからすぐに今度はお姉ちゃんが抱きしめてきた。それに続くようにテレスお姉ちゃん、クリスお姉ちゃんもその上から抱きしめてきた。というか、お姉ちゃんたちはみんななんだか泣いているように見える。
「お姉ちゃん?」
「ごめんね。マティオ、お姉ちゃんもっと早く戻ってくるべきだったね」
「はい、あの時にもどってくるべきでした」
「いや、それを言うなら領都なんか行かなきゃよかったんだ」
お姉ちゃんたちがそういって言い合いを始めてしまった。もちろんみんなが喧嘩を始めたわけではなく、意見の出し合いだけど、それでも、それらはすでに終わった話なんだけど。
「ああ、もう、おいテレス次は何だ?」
この変な空気に嫌気がさしたのか、クリスお姉ちゃんがテレスお姉ちゃんに次のギフトは何かと尋ねる。
「は、はい、そうですね。次は”無病息災”というもので、病気をしないというものですから、おそらくこれと先ほどの効率向上と合わせることでマティオ君はこの5年間を生き延びることができたのでしょう」
テレスお姉ちゃんによると、この2つのギフトのおかげで僕は5年間を生き抜くことができたということだった。つまり、効率向上があったから時々食べるだけでお腹がすくこともなかったし、無病息災があったから病気にもならなかったし、ごみ箱の腐ったものを食べてもお腹を壊さなかったということみたいだ。両親にしてられた原因がスキルがなく、神様に嫌われていたからだったけれど、実は神様のおかげで生き抜くことができた。なんだか、複雑な気分だ。
「なるほどなぁ。それで、最後は何なんだ?」
「えっと、最後のギフトですが、実は私にもわからないのです。”???”となっていて、説明にも同じく?が付いていまして、何のことかはさっぱりです」
テレスお姉ちゃんが言うには僕の最後のギフトは、?という記号だけで、何かわからないとのこと。これにはみんなびっくりしていた。それというのもテレスお姉ちゃんの鑑定スキルは最高レベルで、これまでこうしてみることができなかったものがなかったからだそうだ。スキルでは見ることができないギフト、それは一体どんな力のあるどんなものなのだろう、すごい気になるけれど、こればかりは仕方ない。そのうちわかるのを楽しみにするしかない。
こうして、テレスお姉ちゃんにより僕は神様に嫌われていたのではないということが判明した。あの夢の中で女神さまが言っていたことは嘘じゃなかったんだね
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