青空のサンセット

大和 司

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第1章 いつもの日常

コラム第01回 セレクテッド・シスターズ

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 この話は設定資料の回です。本編とは別に、コラム的な扱いで世界観や設定などを挟んでいこうと思います。なぜこのようなスタイルかというと、筆者自体が考えながら作って話を書いているから。ある意味、物語を作りながら書いている。プロの作家ならばあるまじきスタイルだが、私は素人なのでご容赦下さい。以後、設定資料編をコラム回とも呼びます。

 コラム回は、最初は「ドラグナーの本分」とは別のブックとしてリリースしようと思っていたのですが、本作品を楽しいと思わなければ決して見られることのないブックになるのは残念だなと思い、本作の中に織り込むスタイルにしました。あとからワンクリックで話の位置を変えたり章へ移動させることができるので、あとから「設定資料集」という章に分けてまとめて移動させるかも知れませんが、今のところは最終更新分が常に最新のお話や設定資料の紹介部分、というスタイルにこだわりたいので、しばらく実験的に本編と設定資料とを織り交ぜるスタイルにしてみます。

 ***



 初回はワッペン。エレノアが所属する組織のワッペン、ロゴの紹介。SLSという文字がベースとなっている。SLSはセレクテッド・シスターズ(SeLected Sisters)のイニシャルである。通称セレス。名前の通り、隊員は基本的に女性だ。(例外的に男性が数名いるが、とても貴重な存在である。危険を伴う場面に彼らは出てこない。もっぱら研究所勤務である)

 セレスは「選ばれし乙女たち」である。ある者は先天的な「才能」によって選ばれ、ある者は後天的に与えられた「才能」によってその資格を得ている。その才能とは、魔法力を行使する能力である。



 この世界の魔法は、基本的には人の能力で発動する。見る・聞く・話すという動作と同じように、魔法力を使えるのである。ただ、最初の頃はなぜそれができる人とできない人がいるのか分からなかった。科学が進み、研究が進んだことで魔法を発動すること、その能力の付与の仕方が分かったのだが、強力な力なので、国が管理することとなった。当然ながら国家機密である。

 後に、その魔法力を物質に一時的に与えることで誰でも一時的に魔法を使えるが、これは例えば乾電池みたいなもので、魔法力を物質に閉じ込めておいてそれを後から人の手で開放することで魔法を発動させている。なので厳密には人が魔法を使うというよりも、封じ込めた魔法力を発動させるというのが正しい。その魔法力の源も、たどっていけばセレスに行き着くのだが、そのことはもちろん、製法も全て国家機密である。

 ヒロインのエレノアはセレスの一人。彼女は飛行魔法が使える。そして飛行魔法のためにゴールドバードを捕獲する任務を負っている。セレスの魔法力は体力と同じで、心身を休めることで魔法力を少し回復させることができる。ただし一度に大量の魔法力を消費するとすぐに回復させることが難しい。生命の危険を伴う。その場合には研究所にて早急に魔法力の補充が必要になる。

 なぜ自然に魔法力が回復するのかは不明。だが人為的に魔法力の供給&回復ができることは一部の人間にのみ知らされている機密事項でもある。要するに、とても特別な能力であるため、秘密が多い。

 この世界の魔法力は、自然由来のものから抽出することもできる。例えば飛行魔法は飛行する物、今はゴールドバードという特殊な体液を有する鳥類からも得ることができる。鳥の種類ではなく、そういう特殊な体液を有する鳥ならば何でもいい。なぜゴールドバードが存在するのかはよく分かっていない。だが飛行魔法を使えるセレスにはそれが分かるというのだ。そういうわけでエレノアはゴールドバードを生け捕りにする任務に就いている。

 魔法には飛行魔法以外のいくつかの種類があり、抽出方法もいくつかあるが、その話は別のコラムで書くことにします。今回はこの辺で終了。(コラム終わり)
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