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とある国の、小さな恋の昔話

3.

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「夫婦になった2人は、数年後、女の子を授かります。名前は“リウ”。もう1人の聖女様と同じ名前です。青年と少女は、生まれてきてくれた天使と一緒に、今もどこかで幸せに暮らしているでしょう」
「めでたしめでたし?」
「うん、そうだな。めでたしめでたし」

男は娘の頭を撫でる。
その時、寝室の扉がガチャリと開いた。

「あら、まだ起きてたの?」
「もう寝るよ。なぁリウ?」
「うん!今ね、お話聞いていたの!」
「ふふっ、また聞いていたの?」
「だって大好きなんだもん!」

可愛らしい声が響く寝室に、両親の笑い声が重なる。
誰かにしてみたら、ただの一つの物語に過ぎないだろう。
だけれど、少なくとも彼等にとってこの物語は、何にも代え難い大切な、大切な物語だ。
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