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じゅうなな。
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side.パドマ
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セシル王子の後に団長室に入ってきたのはこの王国で1番の魔力の実力を持つメリル・アゼリアさんで、毎日研究室に籠っている彼は、変人としても有名だ。
そんなメリルさんを連れてきたセシル王子も凄いが、その王子を押し退けて土下座を披露するリウもなかなかに凄いと思うし、正直ひいた。それはもう、団長室の壁を抉るんじゃないかというくらいに。
そんなこんなで、1回目の魔力検査が始まり、結果は魔力が真っ黒だと言うことだった。
真っ黒とは、初めて聞いた。
この世界には、基本的に魔力の色は5つしかない。
例外は2つ。
1つ目は、膨大な魔力を持つ、メリルさんの様な存在だ。
メリルさんは5つの属性のうち、火・水・風が使える。
その魔力が珍しい濃い紫色。
魔力が高く、多くなる過程での突然変異の色らしい。
メリルさんの様な存在は多くなく、なぜそうなるのかは未だ解明されていない。
そして、2つ目。
分かっているとは思うが、聖女様だ。
聖女様の容姿は黒髪黒目。
しかし、魔力は白。
昔の文献によると、それは、なんの穢れもない、純白だそうだ。
一度は見て見たいと思うが、きっと無理だろう。
他人の魔力を感じ、視れるのは、この王国でも実力のある魔術師のため、私には当てはまらない。
だから、リウの魔力が真っ黒だと言うことに疑問も感じるし、困惑する。
今までに聞いたことがない色。
それに、何かに気付いたメリルさんの水魔法、浄化により落ちたリウの髪の色。
髪色を変える文化のないこの世界で、一気に色が変わり、噂の聖女様の容姿のような黒の色。
私だけではない。
きっと、ここにいる全ての人が、リウのその姿に驚嘆し、また、畏怖したことだろう。
私達がその現実を把握している間に魔力検査は続行される。
戸惑う周囲を無視できるメリルさんは、変人と言われるだけあり、このくらいでは動揺しないのだろうか。
そう頭の片隅で思いながらその様子を眺めていれば、やはり結果は変わらなかった。
魔力に色があるということは、何かしらの力を持っているということ。
ただ、肝心なそれが分からず、メリルさんがリウの手をひき部屋を後にする。
最近の行動から、もう少し渋るかと思った団長は、意外にもあっさりと手を離したことに驚いた。
その後、なぜか見つめ合うゼノ団長とセシル王子に声をかければ、2人の後を追う様に団長室を出て行く。
その時に、リウのことは詮索するな。とセシル王子に言われた。
…どうしてだろうか?
首を傾げる私とハロルドは、閉まる扉に慌てて団長達の後を追った。
訓練場に着けば、すでに属性を調べ始めていた。
始めに火。
それから水、と一つずつ見て行くメリルさん。
その光景を少し離れているところから見ていれば、私の隣でリウと同じことをしているハロルドがいた。
それに可愛いなぁ、と見ていれば、私の視線に気づいた彼が、魔法を消し、サッと手を元に戻した。
きっと今この場にリウがいたら、可愛い可愛い!と叫んでいたことだろう。
数日しかいないのに分かる行動に、ふっと笑みがこぼれた。
「水も違ったみたいだね。」
「そうだな。」
セシル王子とゼノ団長がいう言葉に、ハッと意識が戻される。
結構な時間を使い、確認して行く中、二つ目の属性も違った様だ。
残るは、風・雷・地。
もし風だったら、これからも私が見ることになるだろう。
雷なら、騎士団の他の者に。
地なら、…ハロルドだろうか。
ただ、リウの属性はこの中にあるのだろうか?
「こんなところで何をされているんですか?」
リウが風魔法を試して数分。
未だに魔法が起こることはない。
そんな時、私たちの元に誰かがやってくる足音がした。
「アーロン。…リウの魔力属性の確認をな。」
「リウちゃんの?魔力の色が分かったのか?」
「あぁ。今、それでメリルが調べている。」
やってきたのはアーロン副団長で、ゼノ団長に、ほら、あそこで。と指さされた方を見ている。
「……は?おい、ゼノ。リウは髪が茶色かったよな?俺の目が悪くなったのか?」
「そうだな。俺達も驚いた。まさか本当の色があの色だったなんて、メリルはよく気づいたよ。」
「本当にね。全く、異世界人ってのは本当に謎だよ。」
「セシル王子まで…。もう少し慌てないんですか?」
俺、今自分のことを疑ってますよ?、と言うアーロン副団長に、セシル王子とゼノ団長が、これでも驚いている。と同時に言った。
いつも思うが、この2人、仲が良いと思う。
そう思っているうちに、風魔法の確認も終わった様だ。
リウの属性ではなかった様で、雷に移っている。
「残りは2つか。」
ゼノ団長の呟く声が聞こえる。
アーロン副団長も見て行くのか、私達の隣に並んだ。
そしてそれから50分後。
5つの属性を全て調べ終わったのである。
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セシル王子の後に団長室に入ってきたのはこの王国で1番の魔力の実力を持つメリル・アゼリアさんで、毎日研究室に籠っている彼は、変人としても有名だ。
そんなメリルさんを連れてきたセシル王子も凄いが、その王子を押し退けて土下座を披露するリウもなかなかに凄いと思うし、正直ひいた。それはもう、団長室の壁を抉るんじゃないかというくらいに。
そんなこんなで、1回目の魔力検査が始まり、結果は魔力が真っ黒だと言うことだった。
真っ黒とは、初めて聞いた。
この世界には、基本的に魔力の色は5つしかない。
例外は2つ。
1つ目は、膨大な魔力を持つ、メリルさんの様な存在だ。
メリルさんは5つの属性のうち、火・水・風が使える。
その魔力が珍しい濃い紫色。
魔力が高く、多くなる過程での突然変異の色らしい。
メリルさんの様な存在は多くなく、なぜそうなるのかは未だ解明されていない。
そして、2つ目。
分かっているとは思うが、聖女様だ。
聖女様の容姿は黒髪黒目。
しかし、魔力は白。
昔の文献によると、それは、なんの穢れもない、純白だそうだ。
一度は見て見たいと思うが、きっと無理だろう。
他人の魔力を感じ、視れるのは、この王国でも実力のある魔術師のため、私には当てはまらない。
だから、リウの魔力が真っ黒だと言うことに疑問も感じるし、困惑する。
今までに聞いたことがない色。
それに、何かに気付いたメリルさんの水魔法、浄化により落ちたリウの髪の色。
髪色を変える文化のないこの世界で、一気に色が変わり、噂の聖女様の容姿のような黒の色。
私だけではない。
きっと、ここにいる全ての人が、リウのその姿に驚嘆し、また、畏怖したことだろう。
私達がその現実を把握している間に魔力検査は続行される。
戸惑う周囲を無視できるメリルさんは、変人と言われるだけあり、このくらいでは動揺しないのだろうか。
そう頭の片隅で思いながらその様子を眺めていれば、やはり結果は変わらなかった。
魔力に色があるということは、何かしらの力を持っているということ。
ただ、肝心なそれが分からず、メリルさんがリウの手をひき部屋を後にする。
最近の行動から、もう少し渋るかと思った団長は、意外にもあっさりと手を離したことに驚いた。
その後、なぜか見つめ合うゼノ団長とセシル王子に声をかければ、2人の後を追う様に団長室を出て行く。
その時に、リウのことは詮索するな。とセシル王子に言われた。
…どうしてだろうか?
首を傾げる私とハロルドは、閉まる扉に慌てて団長達の後を追った。
訓練場に着けば、すでに属性を調べ始めていた。
始めに火。
それから水、と一つずつ見て行くメリルさん。
その光景を少し離れているところから見ていれば、私の隣でリウと同じことをしているハロルドがいた。
それに可愛いなぁ、と見ていれば、私の視線に気づいた彼が、魔法を消し、サッと手を元に戻した。
きっと今この場にリウがいたら、可愛い可愛い!と叫んでいたことだろう。
数日しかいないのに分かる行動に、ふっと笑みがこぼれた。
「水も違ったみたいだね。」
「そうだな。」
セシル王子とゼノ団長がいう言葉に、ハッと意識が戻される。
結構な時間を使い、確認して行く中、二つ目の属性も違った様だ。
残るは、風・雷・地。
もし風だったら、これからも私が見ることになるだろう。
雷なら、騎士団の他の者に。
地なら、…ハロルドだろうか。
ただ、リウの属性はこの中にあるのだろうか?
「こんなところで何をされているんですか?」
リウが風魔法を試して数分。
未だに魔法が起こることはない。
そんな時、私たちの元に誰かがやってくる足音がした。
「アーロン。…リウの魔力属性の確認をな。」
「リウちゃんの?魔力の色が分かったのか?」
「あぁ。今、それでメリルが調べている。」
やってきたのはアーロン副団長で、ゼノ団長に、ほら、あそこで。と指さされた方を見ている。
「……は?おい、ゼノ。リウは髪が茶色かったよな?俺の目が悪くなったのか?」
「そうだな。俺達も驚いた。まさか本当の色があの色だったなんて、メリルはよく気づいたよ。」
「本当にね。全く、異世界人ってのは本当に謎だよ。」
「セシル王子まで…。もう少し慌てないんですか?」
俺、今自分のことを疑ってますよ?、と言うアーロン副団長に、セシル王子とゼノ団長が、これでも驚いている。と同時に言った。
いつも思うが、この2人、仲が良いと思う。
そう思っているうちに、風魔法の確認も終わった様だ。
リウの属性ではなかった様で、雷に移っている。
「残りは2つか。」
ゼノ団長の呟く声が聞こえる。
アーロン副団長も見て行くのか、私達の隣に並んだ。
そしてそれから50分後。
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