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7章

第45.5話 しょうにんを なかまにした(後編)

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 俺はメーリンに名前を付ける。
 そう言えば、メーリンって誰に付けてもらったんだろうか。

 すると、いつも通りステータスが現れた。


 名前   : メーリン
 レベル  : 1/90
    力 : 18
   魔力 : 23
   体力 : 24
  素早さ : 19
  耐久力 : 25

 ジョブ  : 商人

 スキル  : 値切るLV1


 お。ジョブ持ちだ。
 「商人」ってまた直球だな。
 レベルの上限からして、SRあるいは星4ってところかな。
 スキルの『値切る』は、割と平凡だけど、良いスキルだ。
 買い物をする際は、メーリンと一緒に行きたいものだね。

 ステータスは総合的に高いけど、突出した数値がないから、あまり特色を感じられない。
 実は魔王城にいた時にも商人のジョブを持つ魔族に会っている。

 商人は一見サポートキャラなんだけど、実は俺が知る限り、最強の全体攻撃のスキルを持っているのだ。

 俺は手早くメーリンを育てることにした。


 【言霊ネイムド】――――メタルストーン


 店の外に出て、いつも通りメタルストーンを呼び出す。
 堅牢な鉄籠に閉じ込めると、水をかけた。

「おお! 凄いアル!! メタルムが復活したアル!!」

 メーリンは目を輝かせる。
 手品を初めて見た子どもみたいに驚いていた。

 本来なら海水をかけて殺すんだけど、最近はこっちの方法で殺している。

「メーリン、この粉を籠の中にいるメタルムにかけて」
「これって……毒蛾虫の粉アルか?」

 さすがは商人、よく知っているな。

「それをメタルムに……。かける時は風上に立ってね。みんなも……」

 注意を促す。
 メーリンは俺に指示されるままメタルムに毒蛾虫の粉を掛ける。
 途端、檻の中で暴れ回っていたメタルムが急に大人しくなってしまった。
 時折、しゃっくりをするように身を震わせる。
 やがてペタッと広がり、死んでしまった。

「アイヤー! この音、何アルか?」

 おそらくレベルアップしたのだろう。


 名前   : メーリン
 レベル  : 15/90
    力 : 72
   魔力 : 63
   体力 : 95
  素早さ : 69
  耐久力 : 65

 ジョブ  : 商人

 スキル  : 値切るLV1 鑑定LV1
        人脈LV1  拾うLV1


 その後、数匹メタルムを倒してもらい、メーリンはLV15になった。
 うん。身体能力はなかなかまとまったな。
 商人はサポートキャラだから仕方がない。
 封印の洞窟では、ルナとミャアを主戦力にして活躍してもらおう。

 だが、ちょっと楽しみだな。

 ニヤリと笑う。
 俺が注目したのは、スキル【人脈】である。
 【人脈】は使用することによって、周りの人間を意のままに操るスキルだ。
 これだけでも結構恐ろしいスキルである。

 だが、おそろしいのはここからだ。
 第2派生の【商隊】、第3派生の【軍団】は名前の通り商隊や軍団を読んで、攻撃できるというものである。
 この商隊や軍団がどこから出てきたかは謎だ。
 一種の召喚魔法みたいなものだと、俺は解釈している。

 その威力は推して知るべし。
 特に【軍団】なら小国の軍隊なら、軽くひねり潰せるぐらいの戦力を有している。
 最強スキルの一角であることは、間違いなかった。

「メーリン、どうだ? 気分は?」
「力が湧いてくる。身体も軽いアル」
「そいつは良かった」
「しかしある」
「ん?」
「お金は払わないアルよ」

 相変わらずケチだなあ。

「心配しなくても、お金はいらないよ。ルナにも、ミャアにももらってないしネ」
「そうか……。じゃあ、さっきの銀貨20枚、とっとと頭を供えて払うアル」

 そっちは払うのかよ!
 てか、耳じゃないの。
 頭を供えてどうするつもりなんだよ。

 出発する前からヘトヘトだけど、時間は刻一刻と過ぎている。
 俺たちは早速、封印の洞窟へと向かうのだった。


~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~

いつもお読みいただきありがとうございます。
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