上 下
104 / 173
2nd season 第一章

101 聖都散策

しおりを挟む
「ねぇ?キミたち?すっごい可愛いよね?俺と少しお話しないっ?」

うん、清々しい朝だ。
朝食は予想通り不味かった。
そして今日も俺は空気だった。

「あー、悪いな。信じられんと思うが俺の嫁達だ、遠慮してくれ」
「あーん?てめぇ、女の前だかっていいカッコしようとすっと怪我すんぞ?俺はこう見えてE級冒険者なんだかんよ?」

うん、気持ちはわかる。
だが青年よ?あまり俺を怒らせてはいけない。
何故なら俺はをマスターしているのだからな?

「オラッ!とっとと女置いて消えろやっ!」

青年が俺の襟首に掴みかかる。
はい、ギルティー・・・あーんど・・・収納っ!

「あー、青年よ。悪いが俺は女が好きでな?裸で迫られても応じる気にはなれないな?」
「あんっ?何言って(ハッ!!!!」

「きゃーーーー、へんたいよーーーー(棒 by シリア」
「ちょっ、まっ、覚えてろよっ!」

うむ、清々しい朝だ。

「いやぁー、非暴力。実に平和的解決。俺もいよいよ宗教家としての自覚が出てきたようだ」
「アンタ・・・どさくさ紛れで革袋ごと収納したっしょ!」
「おっと、いかん・・・いやいや、お布施を頂いてしまったよ・・・感謝感謝」
「「「「「主様・・・・・」」」」」

「アリス知ってるよー、こういうの『つつもたせ』って言うんだよー」
「おー、アリスは賢いな~。でもそういう事はあんまり言っちゃダメな言葉だからな~?」
「アンタ、今日も機嫌いいわね?・・・まっ、いきなり殺すよりはマシね?」
「うむ。可愛い嫁たちを見せびらかすとお布施がもらえる。宗教家とは実にスバラシイ職業だ!」
「・・・なんでアンタに天罰がくだらないか不思議でならないわ」

その後も俺たちは、を交えながら聖都観光を楽しんだ。
すっごいパンツ売ってた!すっごいの!
ちゃんとみんなにシリアが買ってくれたので、今日も神に感謝を捧げました。
あ、俺の人生の目標思い出したっ!
今度こそ忘れずに買わなきゃ!

「いたぞっ!あそこだ!」
「気をつけろ!妙な魔法を使いやがる!」

何やら物騒な気配、まったく、これだから信仰心の無い者たちは!

「囲め囲め!」
「男は一人だ!女も逃がすなよっ!」

あれ、もしか俺?
結構いっぱいいるね?

「あーチミ達?もしか俺に用?」
「すっとぼけんじゃねっぞコラァ!」
「ウチのチーメンに舐めたマネしやがって!覚悟しろや!」
「てめぇボコって女はひーひー言わしてやっからよ!」

ん?

「テメェ今なんつった?」
「あーん?」
「あー、あんたら、コイツボコるのはいいけど、あたしらに手ぇだすとか言うのはやめたほうがいいわよっ?コイツ、女が絡むと容赦ないからねっ?」
「けっ、ビビってんのかよ?おめぇらは後でたっぷりかわいがってやっから大人しくまっとけや!」

うん、ギルティー。

「そうか、じゃ、死「ちょい待ちっ!」」
「ん?」
「アンタは見学っ!」
「えーっ?」
「あ、ユリアもね?自動発動で殺しちゃうから、見学してなさい?」
「あうっ・・・わかりました」

「こういうの、やってみたかったのよねっ!やるわよっ!みんなっ!」
「「「「「おうっ!」」」」」

ボコッ! ガスッ! ベキッ!

「いいわねっ!コレっ!凄くいいわっ!」

ガンッ! ドカッ! ドスンッ!

「うーん、楽しかったけど・・・ちょっと悪いことした気がしちゃうわね?」
「まっ、結構ショックだろうな?俺なら一ヶ月は落ち込める」

そりゃまぁそうだよな。
E級で自慢しちゃうようなお仲間じゃ、みんなの相手にはとてもなれない。

「あっ、ニェリーザさんだ、こんちわー!」
「・・・冒険者が暴れてると通報があって来てみれば・・・なんだこの状況は?」
「えーと、宗教的見解の相違?」

喧嘩両成敗、全員ギルドに連行された。
事情聴取なう。

「はぁ~、お前らな?このとしたのはコレでもB級だ。しかもお貴族様で、ハーレムの女にちょっかい出そうとした冒険者をギルドの中でイキナリぶっ殺してる危険人物だぞ?頭おかしいだろ?よく殺されなかったな?」

いや、言ってることは全部あってるが・・・俺ってそんな感じ?

「はいっ!ニェリーザさんっ!コイツ、またぶっ殺そうとしてましたっ!あたしらが止めましたっ!」
「・・・また嫁に売られた・・・シニタイ」
「ぶふぉっ・・・・オホンッ・・・うむ、シリア、よく止めてくれた」

「でもコイツラ、女を男の付属品扱いしててムカつくんですよ?ボコって正解ですよねっ?ねっ?」
「うむ・・・そうか、それはいかんな?女を舐めてるとどうなるかは、しっかり教育する必要があるな?」
「でしょでしょ?」

いや、もう教育されちゃったから!むしろ去勢されちゃったから!

「よし、お前たちは明日から10日間、訓練所で強化訓練だっ!逃げるなよ?」

うっわー、辛そうー、南無三南無三。

「で、シリア達。ギルド員のバカどもが迷惑をかけた。確かに大勢で1パーティーを襲ったとあれば返り討ちで殺されても文句は言えん。だが・・・カイン猊下っ!もうちょっとこう、なんとかできんのか?」
「いやいやいやいや、最初は平和的解決をはかってたんですよ?ちゃんと?宗教家としての自覚?みたいな?」

じとーっ

「ただ、嫁たちに対する害意を明確にしたものは、今後も容赦しません。今回はあからさまに弱かったのでシリア達に任せましたが、少しでも危険があるときは、躊躇せずに殺します。誰であろうと、何百人いようと、全て即座に殺します」

ニェリーザさんと俺の視線が交錯する・・・譲る気は無い。

「ふっ・・・わかった。おい、お前ら聞いたな?周りの連中にもよく言っとけ。王国から来たばかりで知られてないが、この女狂いはホントに殺るやつだ。そしてホントに奴だ。死にたくないならちょっかいかけるな」

コクコクコクコク

「はぁ・・・まさか着いて翌日にやらかすとはなぁ・・・」
「あっ、ちょうどいい。ニェリーザさんっ!おいしいご飯屋さん教えてっ!」


~~~~~


久しぶりに一人、工房に籠もる。
みんなはニェリーザさんと風呂だ。
ニェリーザさん行きつけの食堂でメシを食い終わったら、そういう話になっていた。
場所?ギルド裏の訓練場だ。
さすが聖都、ギルドが三階建なだけじゃなく、訓練場もでかい。
俺もみんなと入りたかったが、ニェリーザさんが居るので涙を飲んで辞退した。
ほんとだよ?追い出されたんじゃないよ?

そして俺が描いているのは、大量殺戮兵器の設計図だ。
うん、この図を見て、殺戮兵器だと考えるものは平成の世にもいないだろう。
ニェリーザさんが言うように、俺は本当にイカれてるのかもしれない。


~~~~~


「うむ、素晴らしいな。大昔に一度入ったことがあったが、星空を眺めて入る風呂というのは初めてだ」
「これもアイツが考えたんですよ」
「そうか・・・いつもは一緒に入っているのだろ?なんだか申し訳ないな?私であれば構わんのだが・・・ふむ、そういう所が、シリア達を惹きつけるのか・・・」

「あー、そうかもー。節操ないように見えて、主様、私達以外に見向きもしないよね?」
「そうだな。決して良いことでは無いのだが、主殿の、我らが絡むと躊躇なく人を殺める所・・・女心が震えてしまう」

「それにしても、シリア達はほんとうに仲が良いのだな?ハーレムの女達というのは、もっとこうギスギスしているものだ。ヴァルダークが『一見ハーレムに見えて逆だから』と書いていた意味がなんとなくわかった」
「それはラティアさんが始まりね。崖っぷちだったあたしに、ラティアさんがアイツをわけてくれたの。そしてアイツはみんなで分け合っても、足りなくなったりしないくらい、大きな男だった」

「なんか今の、心にストンと落ちたかも・・・」
「だね?」
「フツメンだけどね?」

「ぶふぉっ!」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

[完結:1話 1分読書]幼馴染を勇者に寝取られた不遇職の躍進

無責任
ファンタジー
<毎日更新 1分読書> 愛する幼馴染を失った不遇職の少年の物語 ユキムラは神託により不遇職となってしまう。 愛するエリスは、聖女となり、勇者のもとに行く事に・・・。 引き裂かれた関係をもがき苦しむ少年、少女の物語である。 アルファポリス版は、各ページに人物紹介などはありません。 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』 この物語の世界は、15歳が成年となる世界観の為、現実の日本社会とは異なる部分もあります。

寝取られ異世界オンライン ~幼馴染が淫らに性長(レベルアップ)していく姿をモニター越しに見せつけられる屈辱と破滅の調教日誌~

HEproject
ファンタジー
幼馴染が異世界転移!? 大人気MMORPG「トリニティ・ワールド・オンライン」を一緒に楽しむことを趣味としている俺ことタクヤと幼馴染のカナミ。 今日もいつもと同じように冒険へと出かけたのだが、突如画面がブラックアウトし、なんと彼女がゲームの世界に取り込まれてしまった! 突然の出来事に混乱する俺たち。その矢先、カナミの背後から現れた謎の怪しい男。 帰還方法を知っていると言う男の話にホッと安心したのも束の間、その一縷の望みは俺を絶望へと追いやる幼馴染性長調教日誌の開始を意味していた――。 ※「レベルアップノベルシステム」採用! 読み進めるたびに、カナミの性格やステータスが淫らに変化していく性長システムを導入し、臨場感あふれる展開を演出! ※ストーリーパートと濡れ場パートを完全分離! 読みやすい見つけやすい分かりやすい構成を実現。エッチシーンのあるパートには、タイトルに「Ⓗ」と表記し、主なプレイ内容も併せて記載しています。物語の関係上、レイプやアナルセックス、洗脳や監禁など、ハードなセックスシーンしかありません。 ※ふたつのエンディングを用意! 最高のバッドエンドと、最低のトゥルーエンドを用意しました。あなたの望む結末は……? ※連載期間 2020年5月1日~5月6日(予定)。 この作品はすでに予約投稿が完了し、完結済みです。ゴールデンウィークのおともに是非どうぞ。 感想・考察などもお気軽に。作者の今後の作品の参考となります。 誤字・脱字・ルビの打ち間違いなどもありましたらご報告よろしくお願いします。 ※なお、今作は他サイトでも掲載しています。他サイトの仕様により、一部表現や表示が異なる場合があります。

見捨てられた万能者は、やがてどん底から成り上がる

グリゴリ
ファンタジー
『旧タイトル』万能者、Sランクパーティーを追放されて、職業が進化したので、新たな仲間と共に無双する。 『見捨てられた万能者は、やがてどん底から成り上がる』【書籍化決定!!】書籍版とWEB版では設定が少し異なっていますがどちらも楽しめる作品となっています。どうぞ書籍版とWEB版どちらもよろしくお願いします。 2023年7月18日『見捨てられた万能者は、やがてどん底から成り上がる2』発売しました。  主人公のクロードは、勇者パーティー候補のSランクパーティー『銀狼の牙』を器用貧乏な職業の万能者で弱く役に立たないという理由で、追放されてしまう。しかしその後、クロードの職業である万能者が進化して、強くなった。そして、新たな仲間や従魔と無双の旅を始める。クロードと仲間達は、様々な問題や苦難を乗り越えて、英雄へと成り上がって行く。※2021年12月25日HOTランキング1位、2021年12月26日ハイファンタジーランキング1位頂きました。お読み頂き有難う御座います。

人妻六英雄は自ら股を開く

どらごんまじっく
ファンタジー
僕の妻が六英雄になった……六英雄はモテるって聞くし……僕の妻はとても綺麗なので心配だ……そんな時、妻が出張で一ヶ月ほど出かけることになった……何もなければいいけど……そう思う僕の気持ちなど無視するように、その旅に隠された罠が、妻に忍び寄っていた── 公開中の『妻は六英雄だが俺はしがない道具屋です』の第二部になります。今作だけでお楽しみいただけるように書いているつもりですが、第一部を読んでからお読みになると、更にお楽しみいただけると思います。 本作は寝取られ展開がございます、寝取られが苦手な方はご注意ください

処理中です...