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高校一年生編
体力測定 4.11
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身体測定が終わると、俺達はまだ寒いのが続く春先の校庭に行くよう言われた。半袖半ズボンだったのが、長袖長ズボンのジャージ姿で
「さみぃ。」「これで、、、体力測定かよ。」
「嫌だー!!」 「やりたくない!」
などと男子も女子も言っている。俺はと言うと、自分に環境適応魔法をかけてあるので問題ない。
(凛音、本来の用途から外して、、、まったく。)
(そう言う母さんも使ってるよね?)
(、、、。)
本来、環境適応魔法は極寒の地や灼熱の大地など人間が生きて行けない場所に適応するために使用する魔法だ。効果時間は1日。魔力は喰うし、難易度も高い魔法だけど、日常生活にこれ程使える魔法はない。
準備運動が終わると、最初は50m走だった。
この学校は陸上部の先輩が計測するらしく、所謂、陸上部は教師の手伝い兼、新入生を計っているのだろう。50mは男子も女子もそれなりの速さや、ずば抜けて速い奴もいるし、見てて面白い所はあった。
「次は進、お前だな。」
「走るのは苦手なんだよね。てか、運動全般。」
「うん、まぁ、頑張れ。」
進は一緒に走っている奴にどんどん離されて行った。開幕で1m以上離されるって本当に運動が、、、
結果を聞くと、
「13.06だったよ。前よりは速くなったかな。」
と、軽く笑って見せた。進は勉強はできても運動が大嫌いで、と言うより
「運動は好きだけど運動音痴なんだ(笑)。」
だそうだ。進と速く走るにはどうしたら良いか?
どうやったらその身体になるのか。それを聞かれた。走り方に関してはわからないが、肉体に関しては
「誰にも言えない秘密の特訓をしてるんだ。」
と答えておいた。
(ズルしてるのに。)
(ズルじゃない、魔法だよ、母さん。)
そんなこんな話していると、俺の番が回ってきた。
俺の隣は、俺と同じ肉体派の細マッチョだと思う。まぁ、俺の方が筋肉はあるが。
(ズルを威張られても、、、ねぇ。)
(、、、ズルじゃない。)
「位置について。よーい、」
俺と細マッチョは同じクラウチングスタートの体型に入る。そして、ピー!!!とけたたましく、笛が鳴った。俺は音と同時に地面を蹴り、土煙を巻き上げた。魔法は使わない、自分の身体能力の全力を出して、50mを一気に走った。
「5,59秒」「7,02秒」
今まで6秒を切った事の無い俺は思わず
「よしっ!!!」
と叫んでしまった。細マッチョは俺の記録がおかしいと思ったのか、タイムを計測していた先輩に対して積めよっていた。
「お前、俺がはかり間違えたとでも言うのか?」
「だってそうでしょう!絶対1秒はやめていた!」
「解った。1秒遅くする、でもお前は8秒になるがいいな?」
「えっ!」
「だってそうだろ?俺が1秒遅くしたのが原因なんだから、しょうがないだろ。」
「くそっ!」
、、、荒れてるし、関わるの止めよ。
「待てよ!お前、ステロイドとかやってんだろ!」
「あ?」
嘘、俺に飛び火してきた。
「俺は陸上の推薦だったんだ。お前みたいなゲスに負けるわけには、」
「ステロイド?ならさ、警察読んでも良いぜ。
まぁ、大会とかでもないし、ただの身体測定でステロイド使ってまで、自分の身体能力を底上げ使用とする馬鹿、いると思うか?」
「あ?!ふざけんな!お前も陸上志望だろうが!」
あっ、そうか陸上部の先輩がいるからそうやってやる奴もいるのか。
「いや、俺、部活動やらないよ?首席入学生だからさ、生徒会役員だし。生徒会と部活動はこの高校、両立させてないし、お前?馬鹿か?」
目の前で細マッチョはプルプルと震えている。
周りの奴は、俺のステロイド使用を信じていないようで、細マッチョを軽く笑っている。
「なぁ、細マッチョ。お前、スーパーマン知ってるか?」
「あ?なんだよ急に!」
「俺さ、スーパーマンに憧れてさ。こんなことできるのよね。丁度良い、先生!あのコンクリートブロック、使わせて貰います。」
「おい、待て!遊佐凛音!何処にコンクリートブロックがあるんだ!」
俺はそう言うと、校庭の倉庫前に放ってある古いコンクリートブロックを5個、持って先生達の前に戻った。
「なぁ、凛音君。君はそのコンクリートブロックをどうするんだい?」
半分引き連った顔で先生が尋ねてきた。
「全員、離れろよ。怪我しても、知らんぞ!」
「まて!皆!下がれ!」
先生の指示で5mほど下がるのを確認して、コンクリートブロックを空中に投げた。
「凛音君!危ない!」
進が何やら俺が危ないと叫んでるが、俺にはこんなの関係無い。
「ふ!は!しっ!っ!オラッ!」
端から見たら漫画だろうか、落ちてくるコンクリートブロックを拳で粉砕しているのだから。
全てがバラバラになり、破片が校庭に落ちる。
そこまで拡散はしていないが、大丈夫だろうか?
「おっおい、大丈夫なのか?」
さっきまで発狂していた細マッチョが俺にそんな事を聞いてきた。
「丁度良い。これ握って壊せるか?」
「おい何を?!」
手のひらにやっと乗る程のコンクリートブロックの破片を、細マッチョの目の前で砕いて見せた。
「言ったよな。俺はスーパーマンに憧れた。鍛えて、鍛えて、鍛えぬいて、この体を手に入れた。
そして、部活動なんて怠いものはしない。生徒会を緩くやる、そして平穏な学園生活。それが俺の願いだ。良いな?俺の平穏な学園生活、乱すんなら、
コンクリートブロックのようになるぞ。」
細マッチョをそう脅すと、腰が抜けたようにその場にしゃがみこんだ。まったく、だらしない奴だな。
俺は細マッチョを担ぎ上げ、皆の下に戻った。
「先生、次はなんですか?」
「あっ、あぁ。ハンドボール投げだ。」
「なら、一番始めにさせて下さい。本気出すんで。」
「、、、わかった。あそこだ。」
俺は先生に指示された所に行った。後ろからはクラスの奴等がついてきている。何やら話し声が聞こえるが、俺がヤバい奴だとでも言っているのだろう。
「記録、準備良いか?跳ぶぞ!」
「初球いきます!、、、ウラァァァ!」
俺は自分の肩に最大限の力を込め。ハンドボールを投げた。ハンドボールは曲射軌道ではなく、垂直に飛んでいくが、一向に落ちる気配がない。
そして、やっとボールが落ちた。記録可能な50m内で何処まで飛んだ?俺はそれだけが知りたかった。
「メジャーで確認しました。49,83mです。正直、一年生でこれだと進級して何処まで飛ぶのか。」
回りではあり得ない!や、スーパーマン?!等と叫ぶ声が聞こえるが、知ったことじゃない。
「凛音君、流石だね!!」
進が投げ終わった俺に直ぐに近付いてきた。
他の奴等は俺の事を遠目から見ているのに、進は進んでやって来た。
「お前、怖くないのか?」
「そう?格好いいと思うよ。」
(母さん、本心か確かめてくれ。 )
(、、、解ったわ、ジャッジ。)
ジャッジは簡単に言うと相手の嘘を見抜く魔法だ。
対象の回りに魔力のオーラを出現させ、そのオーラが赤く光れば、嘘をついているとなる。しかし、進はオーラに変化がなかった。
(変化はない、本心ね。)
「そうか、、、まぁ、人それぞれだしな。」
「スーパーマンになりたいだなんて、嘘みたいだし、幼稚だと思ってたけど。」
冷静に言われ、オレの心はダメージを負った。
「でも、それを実現するなんて、常人には到底できない事だよ‼️誇って良い!」
下げて上げるのが上手い奴、俺は進の性格を修正することにした。
「、、、まったく、誉めるのか貶すのか、どっちかにしろよ。」
「えへへ、ごめんね。」
俺は無意識に進の頭を撫でていた。
「ちょっと、子供じゃないから撫でないでよ!!」
「ふん、俺からしたらチビなのさ。」
「むー!」
俺に、弟がいたらこんな感じなのかな。同級生に対し、そんな感情が芽生えた瞬間だった。
「よし、全員終わったな。ハプニングもあったがまぁ良い、よし次は幅跳びだな。3組は彼処の騒いでる馬鹿の所に行け、よーし4組はかるぞ!」
「馬鹿じゃねー!」
先生の指示に従い叫んでいる先輩の所に向かった。
「おしっ、ここでは高跳び、立ち幅跳びをやるぞ。
先に高跳び2回だ。今回は面白い後輩がいるしな。記録も楽しそうだ。」
「馬鹿いと!いい加減真面目にしろ!」
「馬鹿じゃねー!」
もう一人の女の先輩と言い争っているが、俺達には一切関係無い。
「ちっ!よし、記録始めるぞ!1番、飛鳥翔。2番、有村順次!」
「「はい!」」
どうやら二人づつの測定か、こりゃまたあの細マッチョと当たるな。、、、先輩達ほ慣れた手つきと的確な指示で7分位で順番が回ってきた。
「先輩、高さは250cmから始めて頂けますか?」
「へぇ。」「は?」「?!」
「わかった。38番遊佐凛音。こい!」
250cmまで棒を上げた先輩が俺に来いと言った。
俺は走った。走っている間、自分の脚に、体に、飛ぶ自分を想像し地面を蹴った。
ボスッ
マットレスに俺の体がめり込む。
「棒は!」
「騒ぐな!」
先輩は叫び棒の揺れが収まるのを待った。
「記録遊佐凛音、250cm。」
「うっしゃぁぁぁ!!!」
今までよりも高く跳べている。流石に回りは唖然としている。
オリンピックアスリートの動きを肉体が覚えているのもあるが、それだけじゃない。身体能力もかなり上がっている。
「すげぇな!」「どうやったらそこまで?!」
後は呼んでもないのに回りにクラスメートが集まってきた。
俺は元々馴れ合う気は無いし、適当な事を言って2度目を跳んだ。2度目の記録は245cmさっきより5cm下がった。でも、俺は250cm跳べたんだ。最高だぜ。
「ほらほら、早くしろ。次はお前だぞ、遊佐凛音。」
「はい!」
立ち幅跳びも余裕だった。1回目4m3cm、2回目3m96cm、
幅跳びの測定をしていた先輩は俺を陸上に誘ったが、断っておいた。部活動なんて面倒の玉手箱、やる気は起きない。
なら、生徒会の仕事の方がましだ。
「3組の皆、終わったわね?それでは、」
神羅先生が喋ろうとすると、ちょうどチャイムがなった。
「時間ね。授業は終了です、クラスに戻り次第着替えをし、
席についていてください。」
神羅先生の指示に従い、クラスに向かった。着替えは楽だ。布を被り、変身の魔法を使う。実はこれが早着替えの正体だ。
「凛音君、僕のジャージを毎回使うの止めてくれない?」
「進、何回も使ってないし、まだ2回目だ問題無いだろ。」
「自分のを使いなさい!」
回りは俺の魔法に拍手したり、驚いたりするが着替えはきちんとしていた。まぁ、怠い俺は席について本を読むんだがな。
「はーい、SHR始めるよ。ほらほら、読書止めて。」
「はい。」
「よし、さて皆さん。今回の身体測定、体力測定お疲れ様でした。少しトラブルがあったようですが、大きくならなくて良かったですね。残りはまた後日ということになります。今日はこれで終わりですが、学校初日から事故に遭わないよう注意してくださいね。それでは主席代表の凛音君、挨拶をお願いします。」
はぁ、俺がか。
「起立!」
俺の一声でサッ!と皆が立ち上がった。
「礼!」
こうして俺の学校生活初日は終了した。
「さみぃ。」「これで、、、体力測定かよ。」
「嫌だー!!」 「やりたくない!」
などと男子も女子も言っている。俺はと言うと、自分に環境適応魔法をかけてあるので問題ない。
(凛音、本来の用途から外して、、、まったく。)
(そう言う母さんも使ってるよね?)
(、、、。)
本来、環境適応魔法は極寒の地や灼熱の大地など人間が生きて行けない場所に適応するために使用する魔法だ。効果時間は1日。魔力は喰うし、難易度も高い魔法だけど、日常生活にこれ程使える魔法はない。
準備運動が終わると、最初は50m走だった。
この学校は陸上部の先輩が計測するらしく、所謂、陸上部は教師の手伝い兼、新入生を計っているのだろう。50mは男子も女子もそれなりの速さや、ずば抜けて速い奴もいるし、見てて面白い所はあった。
「次は進、お前だな。」
「走るのは苦手なんだよね。てか、運動全般。」
「うん、まぁ、頑張れ。」
進は一緒に走っている奴にどんどん離されて行った。開幕で1m以上離されるって本当に運動が、、、
結果を聞くと、
「13.06だったよ。前よりは速くなったかな。」
と、軽く笑って見せた。進は勉強はできても運動が大嫌いで、と言うより
「運動は好きだけど運動音痴なんだ(笑)。」
だそうだ。進と速く走るにはどうしたら良いか?
どうやったらその身体になるのか。それを聞かれた。走り方に関してはわからないが、肉体に関しては
「誰にも言えない秘密の特訓をしてるんだ。」
と答えておいた。
(ズルしてるのに。)
(ズルじゃない、魔法だよ、母さん。)
そんなこんな話していると、俺の番が回ってきた。
俺の隣は、俺と同じ肉体派の細マッチョだと思う。まぁ、俺の方が筋肉はあるが。
(ズルを威張られても、、、ねぇ。)
(、、、ズルじゃない。)
「位置について。よーい、」
俺と細マッチョは同じクラウチングスタートの体型に入る。そして、ピー!!!とけたたましく、笛が鳴った。俺は音と同時に地面を蹴り、土煙を巻き上げた。魔法は使わない、自分の身体能力の全力を出して、50mを一気に走った。
「5,59秒」「7,02秒」
今まで6秒を切った事の無い俺は思わず
「よしっ!!!」
と叫んでしまった。細マッチョは俺の記録がおかしいと思ったのか、タイムを計測していた先輩に対して積めよっていた。
「お前、俺がはかり間違えたとでも言うのか?」
「だってそうでしょう!絶対1秒はやめていた!」
「解った。1秒遅くする、でもお前は8秒になるがいいな?」
「えっ!」
「だってそうだろ?俺が1秒遅くしたのが原因なんだから、しょうがないだろ。」
「くそっ!」
、、、荒れてるし、関わるの止めよ。
「待てよ!お前、ステロイドとかやってんだろ!」
「あ?」
嘘、俺に飛び火してきた。
「俺は陸上の推薦だったんだ。お前みたいなゲスに負けるわけには、」
「ステロイド?ならさ、警察読んでも良いぜ。
まぁ、大会とかでもないし、ただの身体測定でステロイド使ってまで、自分の身体能力を底上げ使用とする馬鹿、いると思うか?」
「あ?!ふざけんな!お前も陸上志望だろうが!」
あっ、そうか陸上部の先輩がいるからそうやってやる奴もいるのか。
「いや、俺、部活動やらないよ?首席入学生だからさ、生徒会役員だし。生徒会と部活動はこの高校、両立させてないし、お前?馬鹿か?」
目の前で細マッチョはプルプルと震えている。
周りの奴は、俺のステロイド使用を信じていないようで、細マッチョを軽く笑っている。
「なぁ、細マッチョ。お前、スーパーマン知ってるか?」
「あ?なんだよ急に!」
「俺さ、スーパーマンに憧れてさ。こんなことできるのよね。丁度良い、先生!あのコンクリートブロック、使わせて貰います。」
「おい、待て!遊佐凛音!何処にコンクリートブロックがあるんだ!」
俺はそう言うと、校庭の倉庫前に放ってある古いコンクリートブロックを5個、持って先生達の前に戻った。
「なぁ、凛音君。君はそのコンクリートブロックをどうするんだい?」
半分引き連った顔で先生が尋ねてきた。
「全員、離れろよ。怪我しても、知らんぞ!」
「まて!皆!下がれ!」
先生の指示で5mほど下がるのを確認して、コンクリートブロックを空中に投げた。
「凛音君!危ない!」
進が何やら俺が危ないと叫んでるが、俺にはこんなの関係無い。
「ふ!は!しっ!っ!オラッ!」
端から見たら漫画だろうか、落ちてくるコンクリートブロックを拳で粉砕しているのだから。
全てがバラバラになり、破片が校庭に落ちる。
そこまで拡散はしていないが、大丈夫だろうか?
「おっおい、大丈夫なのか?」
さっきまで発狂していた細マッチョが俺にそんな事を聞いてきた。
「丁度良い。これ握って壊せるか?」
「おい何を?!」
手のひらにやっと乗る程のコンクリートブロックの破片を、細マッチョの目の前で砕いて見せた。
「言ったよな。俺はスーパーマンに憧れた。鍛えて、鍛えて、鍛えぬいて、この体を手に入れた。
そして、部活動なんて怠いものはしない。生徒会を緩くやる、そして平穏な学園生活。それが俺の願いだ。良いな?俺の平穏な学園生活、乱すんなら、
コンクリートブロックのようになるぞ。」
細マッチョをそう脅すと、腰が抜けたようにその場にしゃがみこんだ。まったく、だらしない奴だな。
俺は細マッチョを担ぎ上げ、皆の下に戻った。
「先生、次はなんですか?」
「あっ、あぁ。ハンドボール投げだ。」
「なら、一番始めにさせて下さい。本気出すんで。」
「、、、わかった。あそこだ。」
俺は先生に指示された所に行った。後ろからはクラスの奴等がついてきている。何やら話し声が聞こえるが、俺がヤバい奴だとでも言っているのだろう。
「記録、準備良いか?跳ぶぞ!」
「初球いきます!、、、ウラァァァ!」
俺は自分の肩に最大限の力を込め。ハンドボールを投げた。ハンドボールは曲射軌道ではなく、垂直に飛んでいくが、一向に落ちる気配がない。
そして、やっとボールが落ちた。記録可能な50m内で何処まで飛んだ?俺はそれだけが知りたかった。
「メジャーで確認しました。49,83mです。正直、一年生でこれだと進級して何処まで飛ぶのか。」
回りではあり得ない!や、スーパーマン?!等と叫ぶ声が聞こえるが、知ったことじゃない。
「凛音君、流石だね!!」
進が投げ終わった俺に直ぐに近付いてきた。
他の奴等は俺の事を遠目から見ているのに、進は進んでやって来た。
「お前、怖くないのか?」
「そう?格好いいと思うよ。」
(母さん、本心か確かめてくれ。 )
(、、、解ったわ、ジャッジ。)
ジャッジは簡単に言うと相手の嘘を見抜く魔法だ。
対象の回りに魔力のオーラを出現させ、そのオーラが赤く光れば、嘘をついているとなる。しかし、進はオーラに変化がなかった。
(変化はない、本心ね。)
「そうか、、、まぁ、人それぞれだしな。」
「スーパーマンになりたいだなんて、嘘みたいだし、幼稚だと思ってたけど。」
冷静に言われ、オレの心はダメージを負った。
「でも、それを実現するなんて、常人には到底できない事だよ‼️誇って良い!」
下げて上げるのが上手い奴、俺は進の性格を修正することにした。
「、、、まったく、誉めるのか貶すのか、どっちかにしろよ。」
「えへへ、ごめんね。」
俺は無意識に進の頭を撫でていた。
「ちょっと、子供じゃないから撫でないでよ!!」
「ふん、俺からしたらチビなのさ。」
「むー!」
俺に、弟がいたらこんな感じなのかな。同級生に対し、そんな感情が芽生えた瞬間だった。
「よし、全員終わったな。ハプニングもあったがまぁ良い、よし次は幅跳びだな。3組は彼処の騒いでる馬鹿の所に行け、よーし4組はかるぞ!」
「馬鹿じゃねー!」
先生の指示に従い叫んでいる先輩の所に向かった。
「おしっ、ここでは高跳び、立ち幅跳びをやるぞ。
先に高跳び2回だ。今回は面白い後輩がいるしな。記録も楽しそうだ。」
「馬鹿いと!いい加減真面目にしろ!」
「馬鹿じゃねー!」
もう一人の女の先輩と言い争っているが、俺達には一切関係無い。
「ちっ!よし、記録始めるぞ!1番、飛鳥翔。2番、有村順次!」
「「はい!」」
どうやら二人づつの測定か、こりゃまたあの細マッチョと当たるな。、、、先輩達ほ慣れた手つきと的確な指示で7分位で順番が回ってきた。
「先輩、高さは250cmから始めて頂けますか?」
「へぇ。」「は?」「?!」
「わかった。38番遊佐凛音。こい!」
250cmまで棒を上げた先輩が俺に来いと言った。
俺は走った。走っている間、自分の脚に、体に、飛ぶ自分を想像し地面を蹴った。
ボスッ
マットレスに俺の体がめり込む。
「棒は!」
「騒ぐな!」
先輩は叫び棒の揺れが収まるのを待った。
「記録遊佐凛音、250cm。」
「うっしゃぁぁぁ!!!」
今までよりも高く跳べている。流石に回りは唖然としている。
オリンピックアスリートの動きを肉体が覚えているのもあるが、それだけじゃない。身体能力もかなり上がっている。
「すげぇな!」「どうやったらそこまで?!」
後は呼んでもないのに回りにクラスメートが集まってきた。
俺は元々馴れ合う気は無いし、適当な事を言って2度目を跳んだ。2度目の記録は245cmさっきより5cm下がった。でも、俺は250cm跳べたんだ。最高だぜ。
「ほらほら、早くしろ。次はお前だぞ、遊佐凛音。」
「はい!」
立ち幅跳びも余裕だった。1回目4m3cm、2回目3m96cm、
幅跳びの測定をしていた先輩は俺を陸上に誘ったが、断っておいた。部活動なんて面倒の玉手箱、やる気は起きない。
なら、生徒会の仕事の方がましだ。
「3組の皆、終わったわね?それでは、」
神羅先生が喋ろうとすると、ちょうどチャイムがなった。
「時間ね。授業は終了です、クラスに戻り次第着替えをし、
席についていてください。」
神羅先生の指示に従い、クラスに向かった。着替えは楽だ。布を被り、変身の魔法を使う。実はこれが早着替えの正体だ。
「凛音君、僕のジャージを毎回使うの止めてくれない?」
「進、何回も使ってないし、まだ2回目だ問題無いだろ。」
「自分のを使いなさい!」
回りは俺の魔法に拍手したり、驚いたりするが着替えはきちんとしていた。まぁ、怠い俺は席について本を読むんだがな。
「はーい、SHR始めるよ。ほらほら、読書止めて。」
「はい。」
「よし、さて皆さん。今回の身体測定、体力測定お疲れ様でした。少しトラブルがあったようですが、大きくならなくて良かったですね。残りはまた後日ということになります。今日はこれで終わりですが、学校初日から事故に遭わないよう注意してくださいね。それでは主席代表の凛音君、挨拶をお願いします。」
はぁ、俺がか。
「起立!」
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