上 下
6 / 6

6

しおりを挟む
 僕は血の繋がった姉の事が大好きだ。
 大好き過ぎて、今はもう「恋」から「愛」に様変わりしている。

 そんな僕の、姉にかける「愛」は偉大だと改めて知る。
 こんな行動をとる自分の心はチクリとも何にも痛んでいないのだから。


「焼きカレー、美味しいね」
「でしょ? すっごく美味しいから、僕も時々ここまでドライブして食べに来るんだ」
「えー? 博多からここまでそこそこ離れてるでしょう?」
「美味しいからね」
「相変わらず食に貪欲ね、太ちゃんは」
「まぁね」


 今も、飲食店の窓から望める橋を視界の端で感じながら「橋に架かっているワイヤーは何本使われているのだろう?」という事をぼんやりと考える。

「太ちゃんのおかげで私も食欲湧いてきた! バナナのデザートも食べちゃおうっと!」
「そうこなくっちゃ♪ 僕も花ちゃんに『付き合う』よ♪」

 無邪気に微笑む姉を愛で、メニュー表を取り出し、ほんの些細な抵抗代わりの言葉遊びをしてみると

「っ……」

 花ちゃんは一瞬だけ驚いた表情を見せ

「太ちゃんの胃に負けないぞー♪」

 すぐに「姉」の顔に戻していた。

「ふふ」







 


しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

【完結】夫もメイドも嘘ばかり

横居花琉
恋愛
真夜中に使用人の部屋から男女の睦み合うような声が聞こえていた。 サブリナはそのことを気に留めないようにしたが、ふと夫が浮気していたのではないかという疑念に駆られる。 そしてメイドから衝撃的なことを打ち明けられた。 夫のアランが無理矢理関係を迫ったというものだった。

初めてなら、本気で喘がせてあげる

ヘロディア
恋愛
美しい彼女の初めてを奪うことになった主人公。 初めての体験に喘いでいく彼女をみて興奮が抑えられず…

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

壁の薄いアパートで、隣の部屋から喘ぎ声がする

サドラ
恋愛
最近付き合い始めた彼女とアパートにいる主人公。しかし、隣の部屋からの喘ぎ声が壁が薄いせいで聞こえてくる。そのせいで欲情が刺激された両者はー

JC💋フェラ

山葵あいす
恋愛
森野 稚菜(もりの わかな)は、中学2年生になる14歳の女の子だ。家では姉夫婦が一緒に暮らしており、稚菜に甘い義兄の真雄(まさお)は、いつも彼女におねだりされるままお小遣いを渡していたのだが……

結構な性欲で

ヘロディア
恋愛
美人の二十代の人妻である会社の先輩の一晩を独占することになった主人公。 執拗に責めまくるのであった。 彼女の喘ぎ声は官能的で…

処理中です...