上 下
147 / 165
Chapter12:クリスマスの夜に

しおりを挟む
「ん……」

(いい匂いする……)

 ご馳走を食べたのもあって、今日のはなはいつも以上に美味しい。

(俺と同じものを食べたはずなんだけどなぁ……俺の口の中よりも断然甘いや♡)

 毎回不思議に思う。どうして彼女の唇や舌はこんなにも美味しく甘く感じられるんだろうって。

「んふぅ♡」

 舌も甘いし、唾液も声も甘くて一層愛らしく感じられるし

「んんぅ……んふっ」

 もっともっと欲しくなってもっともっと求めたくって、か弱い体を押し倒し

「はなぁ♡」

 自ら舌を伸ばして首や鎖骨をも味わおうとエロ心を躍らせる。

「あぁん、ブラ紐落ちちゃう」

 彼女の背中へ両手をスルリと差し込んで、いつものようにブラのホックを外そうとしたその時、彼女が可愛い声で制止してきた。

「ブラ紐?」
「うん……ホック外したら肩から外れちゃうの」

 彼女が口にしたのは「そりゃそうだろう」と言い返したくなるくらいフツーのセリフ。

 …………だけれど

「あっ」

 俺はそので大切な事を思い出す。

(しまった……チキンやケーキを楽しんで浮かれ過ぎてた)

「そうだった……イチャイチャする前にプレゼント交換しなきゃだよね?」

 …………そう。
 この2人きりでのクリスマスホームパーティーにはまだまだイベントが残されていたんだ。

「そっ……そうだよぅあおくんっ! プレゼント渡し合ってないんだよぅ」

 はなは顔を真っ赤にしながら俺に言い返していたんだけど

(俺が言うまでプレゼント交換の事頭から抜けてたよなぁ、絶対)

 明らかに俺の「プレゼント交換」でハッとし思い出したのはバレバレで、そういうところがやっぱり可愛いなぁなんて感じてしまう。

「そうだよね、せっかく選んだんだもん。ちゃんとプレゼント渡し合ってからイチャイチャしなきゃ」

 だから言い終わらないうちにニヤけが止まらなくて

「んもぅ……あおくんったら♡」

 変態扱いされてしまったんだけれど

「えへへ♡」

 耳も首も真っ赤にしながらも満更ではないみたいな可愛らしい表情をするはなを拝めているのだから良しとする。

「プレゼント交換、しよっか♪」

 ホックを掛け直しながら俺が言うと

「うんっ♪」

 ブラのワイヤーに丸いおっぱいを押し込めながらはなが頷く。

(可愛い……可愛すぎる!)

 プレゼント交換も楽しみだけれど、この後のイチャイチャも期待が高まる。




「あのねあのね! 私が選んだのはコレだよ~!!」

 気を取り直して、クリスマスプレゼント交換を始めた。

 まずははなから俺へのプレゼント。

「あっ! 黒い箱に銀色のリボンってかっこいいね♪」
「うんっ! クリスマスだから赤と緑の組み合わせも良いかなぁなんて思ったんだけど、大人っぽくてシックなラッピングを敢えて選んでみたの」

 大きさは手のひらに乗っかるくらいの立方体の小箱で……

(なんだろう? もしかしてアクセサリーかな?)

 10月の就職祝いにもらったネクタイピンみたいなかっこいいプレゼントなんじゃないかと、小箱やオシャレ包装にドキドキしてしまった。

「はな、開けてもいい?」
「もちろんっ!!」

 ニコニコ笑ったり首を縦にブンブン振って頷いたりする様子を視界に入れつつ、包装を丁寧に静かに開いてみると……。

「わあぁ! すごい!!」

 中にはリング状のアクセサリーが入っていて「かっこいいプレゼントを選んでくれて嬉しい!!」と一瞬で幸せいっぱいになれた。

「これね、イヤーカフなの」

 リングはアルファベットのCのような形で、ブラックとシルバーの二つ入っている。

「なるほどぉ~イヤーカフかぁ!」
「あおくん、ピアス穴空いてないでしょ? だからイヤーカフが良いかなぁって」

 一目見て「指輪にしては小さいかな」とか思ってしまった自分が恥ずかしいくらい、はなのチョイスはオシャレ過ぎていた。

「うんうん! すごい!!」
「こういうの、あおくん持ってなかったでしょ?」
「うん! 持ってないから初めてだよ」

 アクセサリーってなんとなく「男性が女性に贈るもの」という意識が強かったけれど、こんな風に可愛い彼女からプレゼントされるのはすっごく嬉しいしチョイスやセンスに脱帽してしまう。


「ねぇねぇはな、俺の耳につけてみて♪」

 嬉しくてたまらない俺は耳を彼女の近くに寄せ、イヤーカフを着けてもらおうとお願いする。

「うんっ!」

 彼女はニコニコしたまま大きく頷き、俺の耳たぶと軟骨に着けてくれた。

「片耳に一つずつ着けるのもいいんだけどね~、こうやって片耳だけに二つ着けるのもかっこいいと思うんだぁ」

(はなの指、小動物みたいな動きしてる♡)

 やわらかくてちっちゃな指が耳元でモゾ動く様子を噛み締め……

「ありがとう、はな♡」

 はなが持っていたミニサイズのミラーで確認しながら俺もウンウンと頷く。

「どういたしまして♪」
「早速明日のお出かけに着けさせてもらうよ」
「そう言ってもらえると嬉しいなぁ♡」
「実際俺喜んでいるんだからね?」
「えへへ♡」
「めちゃくちゃ嬉しいよ、はなありがとう」

 見つめ合って頷き合いながら「ありがとう」を言う空気感が甘くって仕方ない。


 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

車の中で会社の後輩を喘がせている

ヘロディア
恋愛
会社の後輩と”そういう”関係にある主人公。 彼らはどこでも交わっていく…

幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。

スタジオ.T
青春
 幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。  そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。    ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。

【R18】カッコウは夜、羽ばたく 〜従姉と従弟の托卵秘事〜

船橋ひろみ
恋愛
【エロシーンには※印がついています】 お急ぎの方や濃厚なエロシーンが見たい方はタイトルに「※」がついている話をどうぞ。読者の皆様のお気に入りのお楽しみシーンを見つけてくださいね。 表紙、挿絵はAIイラストをベースに私が加工しています。著作権は私に帰属します。 【ストーリー】 見覚えのあるレインコート。鎌ヶ谷翔太の胸が高鳴る。 会社を半休で抜け出した平日午後。雨がそぼ降る駅で待ち合わせたのは、従姉の人妻、藤沢あかねだった。 手をつないで歩きだす二人には、翔太は恋人と、あかねは夫との、それぞれ愛の暮らしと違う『もう一つの愛の暮らし』がある。 親族同士の結ばれないが離れがたい、二人だけのひそやかな関係。そして、会うたびにさらけだす『むき出しの欲望』は、お互いをますます離れがたくする。 いつまで二人だけの関係を続けられるか、という不安と、従姉への抑えきれない愛情を抱えながら、翔太はあかねを抱き寄せる…… 托卵人妻と従弟の青年の、抜け出すことができない愛の関係を描いた物語。 ◆登場人物 ・ 鎌ヶ谷翔太(26) パルサーソリューションズ勤務の営業マン ・ 藤沢あかね(29) 三和ケミカル勤務の経営企画員 ・ 八幡栞  (28) パルサーソリューションズ勤務の業務管理部員。翔太の彼女 ・ 藤沢茂  (34) シャインメディカル医療機器勤務の経理マン。あかねの夫。

【R18 大人女性向け】会社の飲み会帰りに年下イケメンにお持ち帰りされちゃいました

utsugi
恋愛
職場のイケメン後輩に飲み会帰りにお持ち帰りされちゃうお話です。 がっつりR18です。18歳未満の方は閲覧をご遠慮ください。

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

お兄ちゃんが私にぐいぐいエッチな事を迫って来て困るんですけど!?

さいとう みさき
恋愛
私は琴吹(ことぶき)、高校生一年生。 私には再婚して血の繋がらない 二つ年上の兄がいる。 見た目は、まあ正直、好みなんだけど…… 「好きな人が出来た! すまんが琴吹、練習台になってくれ!!」 そう言ってお兄ちゃんは私に協力を要請するのだけど、何処で仕入れた知識だかエッチな事ばかりしてこようとする。 「お兄ちゃんのばかぁっ! 女の子にいきなりそんな事しちゃダメだってばッ!!」 はぁ、見た目は好みなのにこのバカ兄は目的の為に偏った知識で女の子に接して来ようとする。 こんなんじゃ絶対にフラれる! 仕方ない、この私がお兄ちゃんを教育してやろーじゃないの! 実はお兄ちゃん好きな義妹が奮闘する物語です。 

【R18】彼の精力が凄すぎて、ついていけません!【完結】

茉莉
恋愛
【R18】*続編も投稿しています。 毎日の生活に疲れ果てていたところ、ある日突然異世界に落ちてしまった律。拾ってくれた魔法使いカミルとの、あんなプレイやこんなプレイで、体が持ちません! R18描写が過激なので、ご注意ください。最初に注意書きが書いてあります。

処理中です...