【完結】今日はキミと何をしよう？

Chapter:8ハロウィンコスプレイベント

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「ふふふ～♪ は・な・ちゃん♡」

　コンビニの制服に着替えようとしたら、パソコンで事務作業をしていたチャコ叔母さんがクルッと振り向いて

「今年もお願いね♡」

　と、カラフルなペンのセットを私にチラつかせた。

「ああ……ハロウィンまであと10日ですもんね！」

　叔母さんがそれを見せてきた意味を即座に呑み込む私。

「そうそうっ♪　去年のも可愛かったし、やっぱりしてるとしてないじゃあモチベーションの上がり方が違うのよ」
「分かりましたぁ～。ちなみに今回はどんなイラストが良いですか？　去年はジャック・オー・ランタンと黒猫でしたよね」

　実は去年の10月31日。朝から晩まで店内で働かなければならない叔母さんの気持ちをアゲさせる為にハロウィン用のフェイスペイントをしてあげたら、近所の家族客に大好評で売り上げもかなりアップしたんだ。

「華ちゃんのイラストって可愛いから、逆にコウモリや白いオバケなんてどうかしら？」
「良いですね♪　オバケさんには魔女のとんがり帽子付きのデザインにしますね」
「ありがとう～本当に助かるぅ♪」

　だから今年もチャコ叔母さんは私の描くイラストを楽しみにしてくれているし

「いえいえ♪」

　中学生の頃から私は「ガンバレニッポン」的なテレビ観戦をする日には家族の頬にフェイスペイントをやってきていたので苦にならないし、喜んでもらえるのならいくらでもしてあげたいって気持ちでいる。

（絵が得意なわけではないんだけど、描く事自体は好きだからなぁ～チャコ叔母さんみたいに喜んでもらえるって幸せに感じちゃう♡）

「そういえば華ちゃんはあおくんとハロウィンにどこかへお出かけしないの？　若い子は仮装してパレードに参加したりするんでしょ？」
「仮装してパレード……いや、あおくんとは特にそういった約束はしてないんですよ」
「え～？！　そうなの？　なんか意外だわ～」

　チャコ叔母さんの中では「若いカップル＝イコールハロウィンに仮装してお出かけする」の図式が出来上がっていたようで、めちゃくちゃビックリされてしまった。

「まぁ……日曜日はお互いに予定ないのでお出かけくらいはするのかもしれませんが……」

　でも実際、あおくんとの会話の中で「ハロウィン」の「ハ」の字も出てきていない。駅の中で待ち合わせした時にハロウィン用のオーナメントがたくさん飾られてる壁の前でツーショット画像を撮ったのが唯一らしい行動になる。

（ハロウィン……あおくんはどんな風に考えているんだろう？　今日あたり訊きいてみようかなぁ？）