134 / 140
私の「日常」は彼と共に
★5
しおりを挟む私は初めて彼と唇を重ねた日の事を思い出しながら唇を寄せ、彼の薄い皮膚に触れた。
「んっ……んん」
次に、甘くて蕩けるような大人のキスを交わした時の事を思い出しながら舌先で彼の唇をゆっくりとなぞり……それからこじ開ける。
「んっ……ふぅっ」
「んん……」
その中にある粘質的な彼の舌を求めて、自分の舌をめいいっぱい伸ばして彼の口内に押し込めた。
「んふうん」
「んんぅ」
私の積極的な動きは、彼の舌を妖しげに動かし、互いに絡まり合う。
「……っく」
「ふっ……んふぅっ」
抱き締め合い密着する体の熱が高まっていくのを感じ、互いの吐息も熱くなっている事も感じ取った。
彼の腕は私の腰に回され、脚も濃密に絡めていく。
「んっ……」
キスだけで絶頂してしまいそうになる感覚のまま、彼の方から唇を離して
「あーちゃんの気持ちは嬉しいし幸せな気持ちになるけど、幸せ過ぎて『野獣くん』になっちゃうよ……俺」
熱い吐息をたっぷりと私にかけながら余裕のない表情をして、大きくなった熱いモノを私の内股にコツンと当ててきた。
「ふふっ……うん♡」
りょーくんが今どんな気持ちになっているか理解している私は、深く頷く。
「あーちゃん本当に分かってる?」
ベッド脇にあるチェストの引き出しに一旦しまって置いた、上原さんご用意のゴムの個装をりょーくんは取り出しながら私にそう訊く。
「分かってなかったらあんなキスしないもん」
私は口を尖らせながらそう答えたら、りょーくんは少年みたいな笑い顔を見せて「可愛い♡」と言い返してきた。
「ねぇあーちゃん……このままエッチ、してもいい?」
長くて男性的な10本の指が私の全身を優しく愛撫しながら、彼は私に訊く。
「りょーくんは大丈夫?体はしんどくない?」
とにかく、彼の心身が気になって仕方なかった。
「あーちゃんを抱きまくりたい気持ちでいっぱいだよ」
彼はそう言って私の唇を舌でくすぐる。
「気分が悪くなったらすぐに言ってね。無理しないで」
「平気だよ、だってあーちゃんは俺がどうなっても……ずっと一緒にいてくれるんでしょ?」
一瞬、りょーくんが寂しそうな表情をした。
「大丈夫だよ。りょーくんに嫌われない限り、私はずっとりょーくんのそばにいるからね」
今は彼をこれ以上寂しい気持ちにさせたくない。
私はその想いを込めながらりょーくんの首に自分の腕を絡めて、私の方からまたキスをして、彼の舌を愛撫した。
2人の唾液が口の中から溢れ出て、飲み込む余裕さえなく舌を絡め合う。
やがてりょーくんの両手が私の両脚を開いて……
かたく熱いモノが私のナカを掻き回した。
「ん……」
りょーくんは小さく息をすると私を抱え上げ、胡座をかいた脚の上に乗せる。
「っ……ふぅん……」
私は息を鼻から漏らしながら快感に酔いしれる。
全ての感触や衝撃
肌がぶつかる乾いた音
ねっとりと這うお互いの舌
その全てがとても気持ちよくて……全身がとろけていきそうで……
「んんっ!!!」
唾液を必死に飲み込んで喉を鳴らしながら、私の体は大きく震えた。
「っはぁ……はあ……はあ」
ようやく口が離れて 2人とも大きな息をして互いの顔に振りかける。
「イッちゃった♡」
「俺も♡」
互いに絶頂したなんて、体がちゃんと理解している。けれども声を出して告げずにはいられなかった。
「ふふっ♡」
「ふふ♡」
互いに照れ臭くなり微笑み合うのも、私達が大好き同士でいる合図みたいなものだから。
「あーちゃん気持ちよかった?」
りょーくんの問いにコクンと頷く。
「りょーくんは? まだ繋がっていたい?」
気持ち良くて満足はしているんだけど
私の体はまだ満足していないとばかりにキュンキュン疼いていて大好きな彼を求めてしまっている。
ドキドキキュンキュンしながらりょーくんの目を見つめると、彼は照れ臭そうに顔をフニャッと歪ませていた。
「あーちゃん、し足りないんだ?」
「りょーくんも、でしょ?」
「当たり前だよ。だって『野獣くん』だもん」
そして彼に私の疼きがバレてる事が照れ臭く、それでいて嬉しい。
「ゴム、もう一個あるし……」
「あーちゃんエロ過ぎ♡」
「あん♡ だってぇ♡」
私を見つめながらゴムの処理をするりょーくんの目付きばまだギラギラとしていて、目だけでイッてしまいそうな感覚にさえなる。
そして、2回目は仰向けの私に彼が覆い被さりながら繋がった。
「んっ」
「んん……」
深いキスで舌同士もねっとりと絡まり合う。
「ふ……」
「っ……ふぅん」
口内は激しく絡まり合っていて互いの唾液も混じり合い口の端から漏れているのに、肝心の部分は繋がったまま動かさないでジッとしている。
そんなりょーくんがなんだか愛おしくなった私は、勇気を出して自ら腰を動かしみた。
「っあ……あーちゃん」
慌ててキスを解くりょーくんの首に両腕を巻き付けてホールドしながら、私は更に大きく動いてみせる。
「こういうの、ダメ?」
自分で動く恥ずかしさも相まって、喘ぎながらりょーくんに声を掛けた。
「ダメじゃないけど、我慢出来なくなるよ」
「我慢しなくていいよ、私の中でいっぱいいっぱい気持ちよくなって欲しいから」
私がそこまで言うとりょーくんの目付きが鋭くなって、私の腰をガシッと乱暴に掴み、ガツガツと激しく突き始めた。
「ああっ!! もっとぉ……あああっ」
「あーちゃん好きっ……大好きっ!!」
全てが幸せで、あったかくて、ふわふわホワホワしてて……気持ち良い事だらけで脳が埋め尽くされていた。
私も彼も、快楽を一心に追い求めて腰や口を動かしているのが分かる。
「私もっ……だいすきぃ♡」
「やば……すぐイく」
「いいよ……私もっ…すぐイッちゃうっ」
「ああっ」
りょーくんの先からまた温かいものがいっぱい吹き出す感覚がして……
まるでそれをゴクゴク呑んでいるかのように私の体はキュンキュン動いていた。
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
【完結】離縁ですか…では、私が出掛けている間に出ていって下さいね♪
山葵
恋愛
突然、カイルから離縁して欲しいと言われ、戸惑いながらも理由を聞いた。
「俺は真実の愛に目覚めたのだ。マリアこそ俺の運命の相手!」
そうですか…。
私は離婚届にサインをする。
私は、直ぐに役所に届ける様に使用人に渡した。
使用人が出掛けるのを確認してから
「私とアスベスが旅行に行っている間に荷物を纏めて出ていって下さいね♪」
公爵夫人は愛されている事に気が付かない
山葵
恋愛
「あら?侯爵夫人ご覧になって…」
「あれはクライマス公爵…いつ見ても惚れ惚れしてしまいますわねぇ~♡」
「本当に女性が見ても羨ましいくらいの美形ですわねぇ~♡…それなのに…」
「本当にクライマス公爵が可哀想でならないわ…いくら王命だからと言ってもねぇ…」
社交パーティーに参加すれば、いつも聞こえてくる私への陰口…。
貴女達が言わなくても、私が1番、分かっている。
夫の隣に私は相応しくないのだと…。
【完結】試される愛の果て
野村にれ
恋愛
一つの爵位の差も大きいとされるデュラート王国。
スノー・レリリス伯爵令嬢は、恵まれた家庭環境とは言えず、
8歳の頃から家族と離れて、祖父母と暮らしていた。
8年後、学園に入学しなくてはならず、生家に戻ることになった。
その後、思いがけない相手から婚約を申し込まれることになるが、
それは喜ぶべき縁談ではなかった。
断ることなったはずが、相手と関わることによって、
知りたくもない思惑が明らかになっていく。
嫌われ者の側妃はのんびり暮らしたい
風見ゆうみ
恋愛
「オレのタイプじゃないんだよ。地味過ぎて顔も見たくない。だから、お前は側妃だ」
顔だけは良い皇帝陛下は、自らが正妃にしたいと希望した私を側妃にして別宮に送り、正妃は私の妹にすると言う。
裏表のあるの妹のお世話はもううんざり!
側妃は私以外にもいるし、面倒なことは任せて、私はのんびり自由に暮らすわ!
そう思っていたのに、別宮には皇帝陛下の腹違いの弟や、他の側妃とのトラブルはあるし、それだけでなく皇帝陛下は私を妹の毒見役に指定してきて――
それって側妃がやることじゃないでしょう!?
※のんびり暮らしたかった側妃がなんだかんだあって、のんびりできなかったけれど幸せにはなるお話です。
全てをわたしの責任にして、わたしとの婚約を破棄したかったようですが……。
ふまさ
恋愛
「きみは、ぼくという婚約者がいながら、他の男と密会していたね」
夕焼けの真っ赤な光が差し込む人気のない空き教室で、侯爵令息のヘクターは言った。
目の前に立つローナは、何のことかわからないといった風に、首を捻っていた。
「あの、密会って……?」
「はっ。白々しい。それにしても、さすがのぼくも驚いたよ──まさか、婚約者がいる第一王子に言い寄っていたとはね」
ローナの顔色が、明らかにさっと青くなった。
「黙りかい? ひどいなあ。きみはぼくだけじゃなくて、第一王子の婚約者である、あの公爵令嬢様まで悲しませる行為をしたのだよ? 自覚はある?」
しん。
静けさが、あたりを満たす。ヘクターは口角をあげた。が。
「──それほどまでに、あの伯爵令嬢と一緒になりたいのですか?」
続けられたローナの科白に、ヘクターは目を見張った。
「……何のことだ」
「……密会をしていたのは、わたしだけではないということです」
はっ。ヘクターは、鼻で笑った。
「密会と認めたな?」
「……あなたはどうなのです? 認めますか?」
「何のことかわからんな」
「……認めてくださるのなら、婚約解消に応じますよ?」
ふざけるな!
ヘクターは声を荒げ、怒鳴った。
「何が婚約解消だ! ぼくは何もしていない! 悪いのはお前だけだ! それにお前は、この国の第一王子と密会をしていたんだぞ! 王子の婚約者である公爵令嬢の家は、この国でも多大な影響力を及ぼす家系だ。例え不貞行為がなくとも、お前がしたことは重罪だ! それを偉そうに……っっ」
ヘクターはローナの胸ぐらをおもむろに掴んだ。これまで一度だってこんなことをされたことのないローナは、ひっと小さく悲鳴をあげた。
「お前との婚約を破棄する! 慰謝料も、むろんたっぷりと請求させてもらうからな! これを拒絶すれば、みなに全てをばらしてやる!!」
【12話完結】私はイジメられた側ですが。国のため、貴方のために王妃修行に努めていたら、婚約破棄を告げられ、友人に裏切られました。
西東友一
恋愛
国のため、貴方のため。
私は厳しい王妃修行に努めてまいりました。
それなのに第一王子である貴方が開いた舞踏会で、「この俺、次期国王である第一王子エドワード・ヴィクトールは伯爵令嬢のメリー・アナラシアと婚約破棄する」
と宣言されるなんて・・・
王子の婚約者なんてお断り 〜殺されかけたので逃亡して公爵家のメイドになりました〜
MIRICO
恋愛
貧乏子爵令嬢のラシェルは、クリストフ王子に見初められ、婚約者候補となり王宮で暮らすことになった。しかし、王妃の宝石を盗んだと、王宮を追い出されてしまう。
離宮へ更迭されることになるが、王妃は事故に見せかけてラシェルを殺す気だ。
殺されてなるものか。精霊の力を借りて逃げ切って、他人になりすまし、公爵家のメイドになった。
……なのに、どうしてまたクリストフと関わることになるの!?
若き公爵ヴァレリアンにラシェルだと気付かれて、今度は公爵の婚約者!? 勘弁してよ!
ご感想、ご指摘等ありがとうございます。
婚約者から婚約破棄をされて喜んだのに、どうも様子がおかしい
棗
恋愛
婚約者には初恋の人がいる。
王太子リエトの婚約者ベルティーナ=アンナローロ公爵令嬢は、呼び出された先で婚約破棄を告げられた。婚約者の隣には、家族や婚約者が常に可愛いと口にする従妹がいて。次の婚約者は従妹になると。
待ちに待った婚約破棄を喜んでいると思われる訳にもいかず、冷静に、でも笑顔は忘れずに二人の幸せを願ってあっさりと従者と部屋を出た。
婚約破棄をされた件で父に勘当されるか、何処かの貴族の後妻にされるか待っていても一向に婚約破棄の話をされない。また、婚約破棄をしたのに何故か王太子から呼び出しの声が掛かる。
従者を連れてさっさと家を出たいべルティーナと従者のせいで拗らせまくったリエトの話。
※なろうさんにも公開しています。
※短編→長編に変更しました(2023.7.19)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる