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片想いの隣人と忘れられない後ろ姿
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「オムライスも美味しかったけど、このコーヒーもめちゃくちゃ美味しい! どこで売ってるヤツ?」
笠原くんはコーヒーカップに口をつけた途端、ビックリした顔をしながらコーヒーを褒めてくれた。
「これ、ニカラグアの豆なんだけど私が焙煎したの」
昨日ちょうどお気に入りの豆を焙煎して良かったと思った。
素人のコーヒーなのに美味しいと言ってくれたのも嬉しい。
「焙煎ってなに?」
「珈琲豆をね、焙烙っていう陶器の器具に入れて、ガス火にかけて加熱するの。そしたら普段見るような焦げ茶色の珈琲豆になるんだよ」
「へぇ~……インスタントとか缶コーヒーくらいしか飲まないから知らなかった」
「学生でそんなマニアックな内容まで知ってる方が珍しいんだけどね」
実家が喫茶店を経営してて、今も珈琲専門店でバイトしてる私だからマニアックな事を知っていて尚且つ趣味としてやっているんであって、自分で焙煎してる大学生なんてその辺にゴロゴロ存在してないと私も思う。
(ネットの動画配信でなら時々見掛けはするけど、それでもマニアックなジャンル扱いになっているからなぁ……)
「そういえば時々ベランダでボーっとしてるとさ、この部屋の方からなんか香ばしい匂いがするなって思ってたけど、その焙煎ってやつの所為なんだ?」
コーヒーをゆっくり飲みながら、笠原くんは「今思い出した」とばかりにそんな話を私に突然してきた。
「えっ、ベランダから匂い漏れてた? もしかして煙くて迷惑をかけちゃってたのかな?」
焙煎をする時は換気扇だけでは足りなくて窓も開けているから、当たり前の事ではあるにしろ隣の部屋にも匂いが漏れて笠原くんに迷惑をかけていたみたいだ。
「煙いとかは感じてなかったけど、匂いの原因が何かが今日判明したってだけの事で」
慌てふためく私に対し、笠原くんはキョトンとした表情をしている。
「本当に、迷惑じゃない?」
「全然。それよりも、その焙煎ってのは趣味の一環?」
「うん……珈琲豆の焙煎は私の趣味なの。毎日だと流石に笠原くん達に迷惑かかると思って週3回くらいに留めてるんだけどね。
元々実家が喫茶店で、子どもの頃からコーヒーに触れてたから」
迷惑に感じてないどころか少し興味を持って質問してくれたのでホッとし、私は室内で珈琲豆焙煎をしてる理由を話し始めた。
「実家って、村川さんが朝に話してくれた広島の山奥ってヤツ?」
「そうそう。田舎の喫茶店って感じの店で、開店当初は珈琲豆専門店みたいにいっぱい珈琲豆の銘柄を揃えてたんだけど、田舎過ぎて全然需要ないからコーヒーはブレンドしか今はやってないの」
「そうなんだ……じゃあ昔は本格的に焙煎してたのを村川さんは間近で見てたって事か。凄いなぁ」
「凄いのかなぁ……私には当たり前の事過ぎちゃって分かんないや。今もブレンド一本とはいえ焙煎は続けてるんだよ、親が」
「将来は村川さんが継ぐの?実家の喫茶店」
「ううん。親は継ぐの大反対だし、私はやっぱり専門的に珈琲を学びたいの。もっといろんな国や銘柄の珈琲豆を知りたいって思ってて。
それで親の知り合いがあの商店街の中で珈琲豆専門店を経営してるから、弟子入りみたいなことしてるの」
「商店街……そういえば内装が大人可愛い店あったかも。もしかしてそこ?」
「うん! 本当は高校卒業して就職っていうか、朝から閉店時間までしっかり働きたかったんだけど、マスターに『大学には行きなさい』って言われちゃったから、このアパートで一人暮らししつつ大学まで電車通学してるんだ」
イマドキ男子……しかも私の大好きな笠原くんが昔ながらの風情が残る商店街の中を歩いてて夕紀さんの店をチラ見してるなんて思いも寄らず、私も話し声のトーンを一段上げる。
「あれって珈琲豆売ってる店だったのか……よく分かってなくて完全スルーしてた。
それで村川さんはわざわざ大学から遠いここに住んでるのか……なんか納得」
「それもあるけど、ここのアパートって都市ガスでしょ?それも私の希望と合致したの。学生マンションは電化だったりプロパンだったりして、手煎り焙煎を趣味に持つ人間にとってガス代の高さは死活問題だから」
「更に納得。ここの管理人はそういう変なところに拘ってるからなぁ。あとは壁の厚さとか頑丈さとか」
「笠原くんはどうしてこの物件にしたの?」
笠原くんが「ここの管理人」という言葉を出して、このアパートが家賃の割に頑丈に作っているのを予め知っているような口ぶりだったのが気になり、私と同じく大学から遠いアパートに住んでいる彼なりの理由を訊いてみた。
「親戚が管理人だから」
「えっ?笠原くんのご親戚のアパートなの?ここ」
「一人暮らししたいっつったら半額にしてくれるって言ってくれてさ。駅や大学から遠くても移動はバイクだから支障ないし、何より同じ大学の奴らには絶対会わないだろうし気楽だと思ってたからさ」
「半額にしてくれるのは嬉しいよね……納得」
「あと、『ご親戚』っていうか従兄ね。8歳上で、今年で28歳だったかな?」
「管理人さん若い!!!!」
そして「アパートの管理人さん」という勝手なイメージとは真逆の若さに私は驚く。
「ここを契約したのに村川さんは知らなかったんだ?」
「うんっ!アパートの契約はお父さんに任せちゃってたから、管理人さんがそんなにお若いなんて全然知らなかった!」
私の驚きに反して、笠原くんは苦笑い顔を私に見せる。
「『親の資産を受け継いでるだけの道楽』って本人は自虐してるよ。建物の管理はその従兄だけじゃなくて伯母や他の従姉もやってるんだ」
「おばさんや他のいとこさん?」
「さっき言ったのは俺の母親の姉家族なんだ。従兄には5つ上のお姉さんが居てさ」
「お母さんとお姉さんと28歳の人で建物の管理をいくつもしてるって事だね。凄い!! 資産家……」
「かもね。その上、不良債権気味なコンビニも経営してて俺はそこで深夜バイトしてるんだよ」
聞けば聞く程、笠原くんのご親戚は凄いって感じる。
ご親戚が資産家という事は、もしかして笠原くんのご実家も物凄くお金持ちさんなんじゃないだろうか?
(もし笠原くんのご実家も資産家だとしたら、どうしてこんな庶民的な1Kアパートに住んでいて、しかも家賃半分免除してもらってるんだろう?)
身に付けているものや大型で高級そうなあのバイクを所持している事や、所々品の良さを感じる仕草を目の当たりにしていると、このアパートに住んでる点だけが浮いて見える。
(そういうミスマッチ感はあるし、やっぱり私とは別格って感じするなぁ……)
早朝、アパートの外階段で偶然バッタリ顔を合わせた事や痴漢撃退がきっかけで、「一緒に一杯のコーヒーを飲んでひとときを過ごす」夢は叶えられたし、私にとって今日の出来事はめちゃくちゃラッキーだったと思ってたけど、彼にとっては物凄く迷惑な出会いだったかもしれない。だって私は彼の生きてる世界とは真逆の、田舎臭くてダサい上に珈琲の事だけマニアックな可愛くない女なんだから。
少しの時間だけでも話してたら素敵なところがたくさん見つかったし、今の空気感もほんわかとしてかなりの和やかムードだし、「ちょっと勇気を出して告白してみようかな」って考えが脳裏を過ぎったんだけど、ここは大人しく何も行動を起こさない方が得策だと感じた。
笠原くんはコーヒーカップに口をつけた途端、ビックリした顔をしながらコーヒーを褒めてくれた。
「これ、ニカラグアの豆なんだけど私が焙煎したの」
昨日ちょうどお気に入りの豆を焙煎して良かったと思った。
素人のコーヒーなのに美味しいと言ってくれたのも嬉しい。
「焙煎ってなに?」
「珈琲豆をね、焙烙っていう陶器の器具に入れて、ガス火にかけて加熱するの。そしたら普段見るような焦げ茶色の珈琲豆になるんだよ」
「へぇ~……インスタントとか缶コーヒーくらいしか飲まないから知らなかった」
「学生でそんなマニアックな内容まで知ってる方が珍しいんだけどね」
実家が喫茶店を経営してて、今も珈琲専門店でバイトしてる私だからマニアックな事を知っていて尚且つ趣味としてやっているんであって、自分で焙煎してる大学生なんてその辺にゴロゴロ存在してないと私も思う。
(ネットの動画配信でなら時々見掛けはするけど、それでもマニアックなジャンル扱いになっているからなぁ……)
「そういえば時々ベランダでボーっとしてるとさ、この部屋の方からなんか香ばしい匂いがするなって思ってたけど、その焙煎ってやつの所為なんだ?」
コーヒーをゆっくり飲みながら、笠原くんは「今思い出した」とばかりにそんな話を私に突然してきた。
「えっ、ベランダから匂い漏れてた? もしかして煙くて迷惑をかけちゃってたのかな?」
焙煎をする時は換気扇だけでは足りなくて窓も開けているから、当たり前の事ではあるにしろ隣の部屋にも匂いが漏れて笠原くんに迷惑をかけていたみたいだ。
「煙いとかは感じてなかったけど、匂いの原因が何かが今日判明したってだけの事で」
慌てふためく私に対し、笠原くんはキョトンとした表情をしている。
「本当に、迷惑じゃない?」
「全然。それよりも、その焙煎ってのは趣味の一環?」
「うん……珈琲豆の焙煎は私の趣味なの。毎日だと流石に笠原くん達に迷惑かかると思って週3回くらいに留めてるんだけどね。
元々実家が喫茶店で、子どもの頃からコーヒーに触れてたから」
迷惑に感じてないどころか少し興味を持って質問してくれたのでホッとし、私は室内で珈琲豆焙煎をしてる理由を話し始めた。
「実家って、村川さんが朝に話してくれた広島の山奥ってヤツ?」
「そうそう。田舎の喫茶店って感じの店で、開店当初は珈琲豆専門店みたいにいっぱい珈琲豆の銘柄を揃えてたんだけど、田舎過ぎて全然需要ないからコーヒーはブレンドしか今はやってないの」
「そうなんだ……じゃあ昔は本格的に焙煎してたのを村川さんは間近で見てたって事か。凄いなぁ」
「凄いのかなぁ……私には当たり前の事過ぎちゃって分かんないや。今もブレンド一本とはいえ焙煎は続けてるんだよ、親が」
「将来は村川さんが継ぐの?実家の喫茶店」
「ううん。親は継ぐの大反対だし、私はやっぱり専門的に珈琲を学びたいの。もっといろんな国や銘柄の珈琲豆を知りたいって思ってて。
それで親の知り合いがあの商店街の中で珈琲豆専門店を経営してるから、弟子入りみたいなことしてるの」
「商店街……そういえば内装が大人可愛い店あったかも。もしかしてそこ?」
「うん! 本当は高校卒業して就職っていうか、朝から閉店時間までしっかり働きたかったんだけど、マスターに『大学には行きなさい』って言われちゃったから、このアパートで一人暮らししつつ大学まで電車通学してるんだ」
イマドキ男子……しかも私の大好きな笠原くんが昔ながらの風情が残る商店街の中を歩いてて夕紀さんの店をチラ見してるなんて思いも寄らず、私も話し声のトーンを一段上げる。
「あれって珈琲豆売ってる店だったのか……よく分かってなくて完全スルーしてた。
それで村川さんはわざわざ大学から遠いここに住んでるのか……なんか納得」
「それもあるけど、ここのアパートって都市ガスでしょ?それも私の希望と合致したの。学生マンションは電化だったりプロパンだったりして、手煎り焙煎を趣味に持つ人間にとってガス代の高さは死活問題だから」
「更に納得。ここの管理人はそういう変なところに拘ってるからなぁ。あとは壁の厚さとか頑丈さとか」
「笠原くんはどうしてこの物件にしたの?」
笠原くんが「ここの管理人」という言葉を出して、このアパートが家賃の割に頑丈に作っているのを予め知っているような口ぶりだったのが気になり、私と同じく大学から遠いアパートに住んでいる彼なりの理由を訊いてみた。
「親戚が管理人だから」
「えっ?笠原くんのご親戚のアパートなの?ここ」
「一人暮らししたいっつったら半額にしてくれるって言ってくれてさ。駅や大学から遠くても移動はバイクだから支障ないし、何より同じ大学の奴らには絶対会わないだろうし気楽だと思ってたからさ」
「半額にしてくれるのは嬉しいよね……納得」
「あと、『ご親戚』っていうか従兄ね。8歳上で、今年で28歳だったかな?」
「管理人さん若い!!!!」
そして「アパートの管理人さん」という勝手なイメージとは真逆の若さに私は驚く。
「ここを契約したのに村川さんは知らなかったんだ?」
「うんっ!アパートの契約はお父さんに任せちゃってたから、管理人さんがそんなにお若いなんて全然知らなかった!」
私の驚きに反して、笠原くんは苦笑い顔を私に見せる。
「『親の資産を受け継いでるだけの道楽』って本人は自虐してるよ。建物の管理はその従兄だけじゃなくて伯母や他の従姉もやってるんだ」
「おばさんや他のいとこさん?」
「さっき言ったのは俺の母親の姉家族なんだ。従兄には5つ上のお姉さんが居てさ」
「お母さんとお姉さんと28歳の人で建物の管理をいくつもしてるって事だね。凄い!! 資産家……」
「かもね。その上、不良債権気味なコンビニも経営してて俺はそこで深夜バイトしてるんだよ」
聞けば聞く程、笠原くんのご親戚は凄いって感じる。
ご親戚が資産家という事は、もしかして笠原くんのご実家も物凄くお金持ちさんなんじゃないだろうか?
(もし笠原くんのご実家も資産家だとしたら、どうしてこんな庶民的な1Kアパートに住んでいて、しかも家賃半分免除してもらってるんだろう?)
身に付けているものや大型で高級そうなあのバイクを所持している事や、所々品の良さを感じる仕草を目の当たりにしていると、このアパートに住んでる点だけが浮いて見える。
(そういうミスマッチ感はあるし、やっぱり私とは別格って感じするなぁ……)
早朝、アパートの外階段で偶然バッタリ顔を合わせた事や痴漢撃退がきっかけで、「一緒に一杯のコーヒーを飲んでひとときを過ごす」夢は叶えられたし、私にとって今日の出来事はめちゃくちゃラッキーだったと思ってたけど、彼にとっては物凄く迷惑な出会いだったかもしれない。だって私は彼の生きてる世界とは真逆の、田舎臭くてダサい上に珈琲の事だけマニアックな可愛くない女なんだから。
少しの時間だけでも話してたら素敵なところがたくさん見つかったし、今の空気感もほんわかとしてかなりの和やかムードだし、「ちょっと勇気を出して告白してみようかな」って考えが脳裏を過ぎったんだけど、ここは大人しく何も行動を起こさない方が得策だと感じた。
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