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 ゲルハルトと別れて宿に戻る。するとアリハムの尻が疼き出す。
 もう大丈夫だと思っていたのに、まだまだ媚薬の効果は切れていないようだ。

「あの子達が食べなくてよかった……」

 そう呟き、尻に指を入れる。
 もう誰かに迷惑はかけたくない。ズボンとパンツを下ろし、右手を尻の後ろに回す。そして尻の蕾に指を突き刺した。

「あっ……っぐぁ」
 指の先っぽが入るだけで、身体にビビビと電気が走ったかのよう。気持ちいい。けれどもっと奥が気持ちいいことを知っている。

 アリハムは今まで自分の尻なんて弄ったことはなかった。けれど彼のおかげでまだまだナカが解れている。いつもきつく閉じてる穴にずぶずぶと指が入っていく。

 ずっぽりとナカに入った人差し指をくねくねと動かす。昨日の刺激とは比べ物にならない。だからもう一本の指を入れてみる。

 二本、三本と増やす。バラバラと動かすと気持ちがいいのだ。触っていないペニスもぶるんと震え、よだれを吐き出す。

 気持ちいい。気持ちいい。気持ちいい。
 もっと欲しい。もっと欲しい。もっと欲しい。

 そればかりが頭を占める。
 昼になってもまだ尻で遊ぶのがやめられない。もっともっと刺激が欲しくなる。枕にタオルを巻きつけ、それに向かって腰を振る。


 時間を忘れてただただ気持ちいいことばかりを求めた。

 けれど自分でするには限界がある。
 それに昨日の彼にあのことを話さなければならない。

 悶々とした気持ちでシャワーを浴び、例の兵士の元へと向かう。事情聴取のついでにディルドがどこで売っているのかを聞こうと思ったのだ。

 事情を話してから、彼の裾を引く。

「どうかされましたか?」
「あの、その……」

 恥ずかしいけれどここで聞けばもっと気持ち良くなれる。そう思うと数日間、尻の中で動かしていた指が自然と動き出した。寂しくて、自身の指を擦り合わせる。

「アリハムさん?」
「な、なんでもないです」

 けれど人前でそんなことを聞くことなんて出来なかった。悶々とした気持ちを抱えながらギルドへと向かう。

 外に出たことでようやく、数日も耽っていたことに気づいた。
 もう何日も働いていない。アリハムの受ける依頼の報酬はさほど多くない。働かねば宿から出されてしまう。

 働かねば。
 その気持ちを強く持ち、依頼をこなしていく。

 そしてお金をもらうと足早に宿へと帰る。
 一人になるとすぐに服を脱ぎ捨て、ベッドの上で前と後ろの両方を責める。

 このために毎日働いているようなものである。
 すっかり頭の切り替えも上手くなった。仕事中にちょうどいい太さのものを目で追ってしまうこともあるけれど、その程度だ。

 自分では自制できているつもりだ。
 だからギルドで『あのおっさん、最近エロくなったよな……』なんて噂がたっていることなんて気づくよしもなかった。


 ちょうどその頃。ギルドではとあるパーティが話題となっていた。
 いつギルドに来ても誰かが話しているほど。アリハムも耳にも自然と入ってきた。

 例のパーティーとは、アリハムが一緒に食事をした彼らのこと。何でも彼らは数十年に一度の逸材が三人で組んでいる、若手最強パーティであるらしい。

 実力としては推定Sランクなのになぜかギルドランクを更新しない。Dランクのまま。ギルド職員も困っているようだった。

 理由は自分達が村から出てきたばかりに助けてくれた人のように、初心者や地元の人を助けたいからだとか。つまり彼らはアリハムに憧れているのだ。

 といってもアリハムは望んでランクを昇格しなかったわけではない。
 今度会ったら説得しよう。そう思う一方で、こんな姿なんて見せられないなとも思う。

 早くディルドを見つけなければ。
 今日は仕事を受けるのは諦め、ディルドを売っている店を探す。

 そしてようやく店のすぐ近くのアダルトショップを見つけた。路地裏の、小さな入り口から階段を降りたところに看板が立っていたので気づかなかったのだ。

「あらお客さん、こういう店は初めて?」
「はい。あの、お尻に使うものが」
「ああ、ディルドね。好きな太さはある? それから他にもいろんなのがあるから」

 店員が案内してくれた棚にはさまざまなディルドがズラッと並んでいる。太さも形も色もまるで違う。

 中でもアリハムの目を引いたのは、桃色でブツブツがついているもの。
 そこまで太くはないが、奥の方まで入れて動かしたらさぞ気持ちいいことだろう。

 少し高いので買えば財布が薄くなってしまう。
 けれど気持ちいいという確信めいた思いが頭から離れてくれない。見ているだけで尻が疼き出す。

 うっとりとした目を向けていると、店員はニヤッと笑った。

「それがいいのね」

 一緒に潤滑油も使った方がいいと教えてもらい、一番安いものを購入する。
 財布はもう空に近い。けれど胸は膨れる。相棒を手に入れたような気分だ。

 紙袋を胸の前で抱え、ウキウキと宿へ戻る。

 普段は使っていない油で尻をよく広げる。毎日弄っているのですっかりと広がっているが、指の動きがまるで違う。

 指だけでも気持ちいい。けれど今日は新たに手に入った相棒がある。
 帰ってすぐに洗っておいたそれを尻にあてがい、ゆっくりと挿入していく。

 これは良い。ブツブツがナカに当たって、今までとは違う快感を得られる。良い買い物をしたものだ。緩んだ顔で、ズボズボと入れたり抜いたりして楽しむ。

「ああああああ」

 あまりの気持ちよさにすぐに達してしまった。白濁と共に口から出たよだれがペニスへと落ちていく。

 ペニスにも油を塗れば、今まで以上に気持ちよくなれるのではないかと気づいた。といってもすでに自分から出たものでぬっとりと濡れている。そこにさらにどろっとした液体を垂らすのである。

 どれが自分のものかも分からない。けれど気持ちいいことだけは分かる。
 ディルドから手を離し、両方の手で勢いよく扱くのだった。
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