風待草が咲く頃

この春から県内の高校に通うことになった今宮小鳥。彼女の両親はプロのトランペット奏者という事もあり、当然彼女も幼い頃からトランペットを両親から習っており実力はかなりのものである。
そんな彼女は両親の母校でもある県立西城高校に入学した。高校生になってまず最初に決めること。それは部活動決めだ。高校生活が充実したものになるかどうかは部活動にかかってると言っても過言ではない。高校一年の春、そんな大事な事を決めるために皆悩んでいる時期である。が、小鳥は違った。小鳥はこの学校に入学した瞬間、いやもっと前から決めていた。その部活は『吹奏楽部』。両親が青春時代を過ごした場所に小鳥も立ってみたかったのだ。しかしいざ入部してみると部員20名程度の言わば弱小の部類に入るほどだった。小鳥は失望したが自分が決めたことだと腹をくくって部に入ることを決断。果たしてこの決断は正しかったのか、それとも間違いだったのか。これは今宮小鳥が真っ白な青春時代のページに色を加えていく過程の物語です。
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