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WEBサイト版別バージョン編
己惚れ。
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彼女から手紙が届いた。それは、分かっていたけれど見たくない
結婚式の招待状。ああ、そうかと思って落ち込むよりも何だか言い表せない不快感。
ああ、決まってしまったのかと目を瞑れば、その目の裏に彼女の笑った顔が見えた気がした。
彼女が笑って―彼に抱きしめられる、
そして柔らかいあの桃色の唇に旦那の唇が重なる瞬間、見たくないと俺はそれ以上その招待状を見るのを辞めた。
一回考えるのを辞めて放棄すれば、諦められたら楽なのになと遠回しに考えを拒絶する。
これは、何て酷な答えだと思った。
あの街でティアナが倒れた日、
俺は遠くで誰かが呼んでいる気がして、
その声は泣きそうな顔をしたティアナを連想させたんだ。
あの泣きそうな声は、
一生どんなことがあっても忘れられない愛おしい人の切ない声。
耳をつんざくような、それでいて噛み砕く飴のような直接的な誘惑。
きっと、
あの時振り返らなければ、俺は杏美と付き合わなくとも結婚しなくとも、
彼女の傍を離れなかったろうに。
気が付けば、足の方向は振り向いた道路の真ん中に走り出し、
「ティアナ!大丈夫なのか??」
抱きかかえてみれば、細っこい身体にこいつ何食って生きてんだろと、とても心配になってしまう。
こんなに小さな心と身体で、ここまで懸命に走って来て、疲れてしまったのだろうか。
でこを触れば、「熱っ!!」と手を引っ込める。熱を持った吐息に身体は何だか久々にティアナをそのまま連れ去ってしまいたい欲求に駆られて、ダメだと家まで運ぶことを決意した。
『うわー、あの人、女の人抱きかかえてるけど、何かの撮影かな~』
ざわざわ、流石にお姫様抱っこでいいおじさんが美女を抱えてるとなると注目も浴びるもんなんですよと、ティアナが美女な事を逆恨みに思いつつ、
『えー、明らかに具合悪そうじゃん、でもさ』
『女の人、何か幸せそうな顔して抱きかかえられてるから恋人同士なんだよ、きっと』
その言葉が喉に焼き付くほどに溶かすような痛みで胸に染みた。
そうか、昔は絶対に「兄」と「妹」のしか見られなかったけれど、今はようやく「恋人同士」として見られるのかと、しもやけがジンジンと痛むような優しさで俺は何だか誇らしく思った。
「熱があるな…何でこんなになるまで放って置いたんだよ…全く子供じゃないんだから」
それは照れ隠しな自分の幼稚さだった。自分が寧ろ子供だと、精神年齢が低いのだと俺自身に言い聞かせては恥ずかしさを誤魔化してしまう。
「…愛してるって言ったくせに…。」
「…」
恥ずかしくて失言を誤魔化す気にもならない。俺はそんな情事手前までいったとはいえそんなことをポンポン女に吐くほど生易しい紳士でも何でもないからだった。顔が赤くなる度、周りから聞こえる声が大きく聞こえてしまうのは被害妄想な俺らしい。
「ごめんなさい…私自分に自信がなく…て。あんな…酷い事言って…ごめんなさい」
うわ言で謝るティアナは、とても悲しそうで喉に棘が詰まったみたいに押し黙ってしまう。
「確かにショックだったけど、あれがお前の2度目の我儘だったから、気にしねぇよ」
「我儘…?」
「女として見て欲しい、遠慮しないで激しくしてほしいってやつ。
守れなくてごめんな…誰に対しても俺はこうだったから、
お前が結婚する前に一度だけ激しく抱いてみてぇと思った事も無きにしも非ずかな。
でも、俺は結局自分の保身をとった。俺には、その勇気がなかったから、お前は何にも悪くない。」
何でだかそれを呟くと、ティアナは何だか熱っぽい視線をそのままに、きっとキツクこちらを睨む。
何か変な事言ったか?と困り顔を久々にしてしまうと、ティアナは俺の頬を抓んでぐにーっと引っ張って離した。
「いだだだ…!何すんだよ」
「わ、私が悪いんじゃん、それ…私は自分が間違ってる事で、レアが庇うのは間違ってると思うよ。
そんなことまで庇わないといけないの?何で私を責めないのよ…馬鹿じゃないの」
「ティアナに何かそういうの咎められてる気持ちになる。
俺の中でティアナは大人になっても「少女」で何か犯しちゃいけない気がしちまうよ」
「私は…私は最初から『女』よ!」
ティアナのその言葉にはっと現実に返された気になる。
熱を持った真っ赤な目には、俺自身の己惚れか、
『貴方を愛してるから、思い切りぶつかってきてよ!!』と書かれてる気がした。
心臓が高鳴り、そんな希望は捨てちまえとさえ思うが、何だか期待と心が揺れ動いては衝動的にキスしたくなる。
「必要と…されたかったの…レアに女として…抱いて欲しかったの…中学生の頃から…。
子供ながらに『守ってあげてる』なんて優越感に浸って、それが恋の始まり。
貴方が隣に居なくても…
私は一生レアへの気持ちは変わらない…よ。」
そんな殺し文句聞きたくなかったよと思いつつ、耳まで火照り、こっちの熱が身体中に籠った気分にさせられる。目の前の眠り姫に、起こして気持ちを伝えようか少し悩んで、おでこに自分の気持ちの痕をつける。唇が久々の熱に戸惑い、愛しさで惑う。俺だってこの気持ちは永遠に変わらない。
「嫌い何て…ありえねぇ…好きだよ。苦しいぐらい。
忘れようとしたら現れて…これ、天命なのかな。」
嫌いに何かなれるわけがない。
こんなにも愛しているんだから。
笑った顔も怒った顔も、泣いた顔も切ない顔も、喘ぐ姿も照れた顔も、全部見たい。
もし、もしも、一生一緒に居られる選択肢があるのなら、激しくもしてみたい。
初めて自分を全部分かって欲しい、分かってくれるかも何て打算なのか純粋なのか。
買い物へ向かうティアナの母親と久々に目が合って、
「レアさん、お久しぶりね、元気だった??」
「…はい、ティアナが倒れてたのでここまでちょっと悩んだんですけど、運ばせて頂きました」
「ありがとうね。ティアナがいつもお世話になって」
そうして世間話をしながら、部屋にティアナを運べば、懐かしい和室のススキの匂いがした。
そう言えば、とティアナの母親がした話の一つに、「ティアナ、貴方と会って暫くした時なんて言ったと思う?」と言われれば、「え、お兄さんが出来て嬉しい!!ですか?」と聞けば、ちっちっちっと勿体ぶって話すのできょとんとして聞き返すと、
「私、王子様と結婚する!!よ」
と言われて、俺はどんな顔をしてたのか自分でも分からなかったけれど、
ティアナの母親は優しく穏やかな顔で、微笑んでは嬉しそうにしていたのだった。
結婚式の出席の欄に「はい」と丸を付けると、
俺は最後に、ティアナに告白しようと思った。
純粋な気持ちで、天邪鬼な気持ちで、それはそれで俺だから。
絶対上手く行かないと思うけれど、
俺の気持ちは、
ほんの少しだけの己惚れに悩まされて。
結婚式の招待状。ああ、そうかと思って落ち込むよりも何だか言い表せない不快感。
ああ、決まってしまったのかと目を瞑れば、その目の裏に彼女の笑った顔が見えた気がした。
彼女が笑って―彼に抱きしめられる、
そして柔らかいあの桃色の唇に旦那の唇が重なる瞬間、見たくないと俺はそれ以上その招待状を見るのを辞めた。
一回考えるのを辞めて放棄すれば、諦められたら楽なのになと遠回しに考えを拒絶する。
これは、何て酷な答えだと思った。
あの街でティアナが倒れた日、
俺は遠くで誰かが呼んでいる気がして、
その声は泣きそうな顔をしたティアナを連想させたんだ。
あの泣きそうな声は、
一生どんなことがあっても忘れられない愛おしい人の切ない声。
耳をつんざくような、それでいて噛み砕く飴のような直接的な誘惑。
きっと、
あの時振り返らなければ、俺は杏美と付き合わなくとも結婚しなくとも、
彼女の傍を離れなかったろうに。
気が付けば、足の方向は振り向いた道路の真ん中に走り出し、
「ティアナ!大丈夫なのか??」
抱きかかえてみれば、細っこい身体にこいつ何食って生きてんだろと、とても心配になってしまう。
こんなに小さな心と身体で、ここまで懸命に走って来て、疲れてしまったのだろうか。
でこを触れば、「熱っ!!」と手を引っ込める。熱を持った吐息に身体は何だか久々にティアナをそのまま連れ去ってしまいたい欲求に駆られて、ダメだと家まで運ぶことを決意した。
『うわー、あの人、女の人抱きかかえてるけど、何かの撮影かな~』
ざわざわ、流石にお姫様抱っこでいいおじさんが美女を抱えてるとなると注目も浴びるもんなんですよと、ティアナが美女な事を逆恨みに思いつつ、
『えー、明らかに具合悪そうじゃん、でもさ』
『女の人、何か幸せそうな顔して抱きかかえられてるから恋人同士なんだよ、きっと』
その言葉が喉に焼き付くほどに溶かすような痛みで胸に染みた。
そうか、昔は絶対に「兄」と「妹」のしか見られなかったけれど、今はようやく「恋人同士」として見られるのかと、しもやけがジンジンと痛むような優しさで俺は何だか誇らしく思った。
「熱があるな…何でこんなになるまで放って置いたんだよ…全く子供じゃないんだから」
それは照れ隠しな自分の幼稚さだった。自分が寧ろ子供だと、精神年齢が低いのだと俺自身に言い聞かせては恥ずかしさを誤魔化してしまう。
「…愛してるって言ったくせに…。」
「…」
恥ずかしくて失言を誤魔化す気にもならない。俺はそんな情事手前までいったとはいえそんなことをポンポン女に吐くほど生易しい紳士でも何でもないからだった。顔が赤くなる度、周りから聞こえる声が大きく聞こえてしまうのは被害妄想な俺らしい。
「ごめんなさい…私自分に自信がなく…て。あんな…酷い事言って…ごめんなさい」
うわ言で謝るティアナは、とても悲しそうで喉に棘が詰まったみたいに押し黙ってしまう。
「確かにショックだったけど、あれがお前の2度目の我儘だったから、気にしねぇよ」
「我儘…?」
「女として見て欲しい、遠慮しないで激しくしてほしいってやつ。
守れなくてごめんな…誰に対しても俺はこうだったから、
お前が結婚する前に一度だけ激しく抱いてみてぇと思った事も無きにしも非ずかな。
でも、俺は結局自分の保身をとった。俺には、その勇気がなかったから、お前は何にも悪くない。」
何でだかそれを呟くと、ティアナは何だか熱っぽい視線をそのままに、きっとキツクこちらを睨む。
何か変な事言ったか?と困り顔を久々にしてしまうと、ティアナは俺の頬を抓んでぐにーっと引っ張って離した。
「いだだだ…!何すんだよ」
「わ、私が悪いんじゃん、それ…私は自分が間違ってる事で、レアが庇うのは間違ってると思うよ。
そんなことまで庇わないといけないの?何で私を責めないのよ…馬鹿じゃないの」
「ティアナに何かそういうの咎められてる気持ちになる。
俺の中でティアナは大人になっても「少女」で何か犯しちゃいけない気がしちまうよ」
「私は…私は最初から『女』よ!」
ティアナのその言葉にはっと現実に返された気になる。
熱を持った真っ赤な目には、俺自身の己惚れか、
『貴方を愛してるから、思い切りぶつかってきてよ!!』と書かれてる気がした。
心臓が高鳴り、そんな希望は捨てちまえとさえ思うが、何だか期待と心が揺れ動いては衝動的にキスしたくなる。
「必要と…されたかったの…レアに女として…抱いて欲しかったの…中学生の頃から…。
子供ながらに『守ってあげてる』なんて優越感に浸って、それが恋の始まり。
貴方が隣に居なくても…
私は一生レアへの気持ちは変わらない…よ。」
そんな殺し文句聞きたくなかったよと思いつつ、耳まで火照り、こっちの熱が身体中に籠った気分にさせられる。目の前の眠り姫に、起こして気持ちを伝えようか少し悩んで、おでこに自分の気持ちの痕をつける。唇が久々の熱に戸惑い、愛しさで惑う。俺だってこの気持ちは永遠に変わらない。
「嫌い何て…ありえねぇ…好きだよ。苦しいぐらい。
忘れようとしたら現れて…これ、天命なのかな。」
嫌いに何かなれるわけがない。
こんなにも愛しているんだから。
笑った顔も怒った顔も、泣いた顔も切ない顔も、喘ぐ姿も照れた顔も、全部見たい。
もし、もしも、一生一緒に居られる選択肢があるのなら、激しくもしてみたい。
初めて自分を全部分かって欲しい、分かってくれるかも何て打算なのか純粋なのか。
買い物へ向かうティアナの母親と久々に目が合って、
「レアさん、お久しぶりね、元気だった??」
「…はい、ティアナが倒れてたのでここまでちょっと悩んだんですけど、運ばせて頂きました」
「ありがとうね。ティアナがいつもお世話になって」
そうして世間話をしながら、部屋にティアナを運べば、懐かしい和室のススキの匂いがした。
そう言えば、とティアナの母親がした話の一つに、「ティアナ、貴方と会って暫くした時なんて言ったと思う?」と言われれば、「え、お兄さんが出来て嬉しい!!ですか?」と聞けば、ちっちっちっと勿体ぶって話すのできょとんとして聞き返すと、
「私、王子様と結婚する!!よ」
と言われて、俺はどんな顔をしてたのか自分でも分からなかったけれど、
ティアナの母親は優しく穏やかな顔で、微笑んでは嬉しそうにしていたのだった。
結婚式の出席の欄に「はい」と丸を付けると、
俺は最後に、ティアナに告白しようと思った。
純粋な気持ちで、天邪鬼な気持ちで、それはそれで俺だから。
絶対上手く行かないと思うけれど、
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