幸せが終わるとき。(完結)

紫苑

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愛のある行為。

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私はそっと花開く。心の独占欲をフルにして、彼の蜜を飲むように。苦くて甘い蜜。

抱かれると言うより、私がリードするような関係。

私はだって、彼が初めてじゃないから。
私はそっと花開く。心の独占欲をフルにして、彼の蜜を飲むように。苦くて甘い蜜。

抱かれると言うより、私がリードするような関係。

私はだって、彼が初めてじゃないから。必然的に、初めての方の彼を気遣うのは女性でもありだと思う。私から誘って、私から襲って、この関係は成り立つのだから。

「ぁっ…ぁああっ…」

彼の雄を口に含み、気持ちがいいように弱いところを責めると、身をよじるのが愛らしい。でも、時折見せる罪悪感を私は見逃さなかった。本命の彼女に対する、まやかしのような恋心に、お姫様扱い。私の前では絶対に見せない彼の顔。

そのすべてに嫉妬してしまう私は…

今、現在彼の童貞ピュアを頂く恋した乙女

ずっと前から好きだった。
だから、気が付けば横に居た彼女本命が私の友人になるとは思わなかった。
綺麗で噂になるほどの美男美女のお似合いカップル。彼女のサラリと揺れるストレートの銀髪を彼が触って、そしてそのまま肩に手を置く。当たり前のような牽制。幸せそうな彼女を見ていると、メシアが誰にも見せたことのない柔らかな顔で笑う。

その自慢の彼女ティアナと、大学で再会して同じ科とは、神様って残酷なことするわよね。メシアと私は同じ高校。そして、私と彼女とメシアは同じ中学。愚鈍なティアナは、私の気持ちなんかに気が付かない。薄めのメイクをして、可愛らしい赤い瞳、そして、サラサラな髪はもっと伸びて…

「よろしくね」

そう嫌味を込めて笑ったのに、

「うん!!」

そんな眩しいぐらいの笑顔で返さないでよ。

-私が悪いみたいじゃないの。

そうして、それは、メシアと二人で呑んでるときにさかのぼる。


「ティアナがさぁ…可愛くて困るんだ」

聞き飽きたぐらいの、貴方の台詞。何で私の気持ちに気が付かないんだか。

「バカップル」
「ん?そうだよ~」
「出た出た、酔うとそんな柔らかな顔すんじゃないわよ」

まるで…彼女ティアナが傍にいるみたいな…

ジクリ。

胸が痛い。

妬けるような事言わないで。

「酒癖悪いんだから、もう辞めなさいよ!」
「ぇ~、やだ、飲む~!」

チューハイをメシアの手から奪うと、相変わらず酒癖の悪い女たらし君の本性が見えてくる。

「シアンは可愛いよね。自分だって酒そんな強くない癖に…さっきからすごいゆっくり飲んでる。
周りからおかんだの、姉御肌なんて言われても女の子なんだな」
「…はぁ??」

「可愛いよ」

ドキッと心臓が落ち着かない。そわそわして、耳までほてってきた。
『この女たらしがっ!!』と殴る癖が出ない。他の男にこんなこと言われたら、ボコる事確定なのに…潤んだ薄紫の瞳が、私のコンプレックスの一重の瞳と目が合う。

「ふふ~」
「この酔っ払いがぁあああ!!」

からかわないでよ。
私、本気でメシアのことが好きなんだから…周りの女の子たちが見ている。
しまった、カウンターで二人飲みはやばかったか。
ただでさえ、端麗なお顔立ち。女の私よりも綺麗ってどういうことよ。

「あの子、可愛くない?食べちゃいたいよね~」
「経験ありそうなのに、童貞ピュアっぽいのが堪らないわぁ」

そうか、

私が…

ティアナより先に食べちゃえばいいんだ。

酔ってるのかな。

ふわふわな気持ちで、

「好き」

そう言って私は彼の綺麗な唇に影を重ねた。
驚いた顔をして、戸惑う彼を見てゾクゾクした。閉じた目を開けると、メシアは濡れた瞳で私を見る。
その目に今だけでも私が映ると思うと、私は止めれなくなり…
唇に舌を躊躇なく入れると…メシアも流石にやばいと気が付くだろうか。
でも、メシアは逃げない。

「私の家、来る?」

戸惑った瞳をして、私のことをマジマジとみているが、きっと…彼にとってはこれは夢みたいなものだろう。それなら…と、私は意地悪な気分になって、あえてあの名前を出す。

「ティアナほどの女の子、初めてはリードしてほしいんじゃないかな。」

「!!」

ビクッとした怖がる表情。
私にラインで彼女ティアナに、探りを入れようなんてするからよ。
私の中の欲情スイッチを、彼が音を立てて、あの瞬間押してしまったのだから。
可愛らしい彼女自慢の彼女は、きっと私なんかより上手くなる。

だったら、奪うしかないと思った。

「気持ちいいでしょう??」

さり気なく膝に手を置くように見せかけて、ズボンの中に手を入れた。

「んっ…やめ…」
「辞めない」

気持ちよさそうに段々と喘ぐ声を我慢して堪える彼を見て、
「ぅんっ…は…はぁ…」
「じゃ、辞めるわ」

手を引き抜いて、平然と残ったお酒を飲んで、彼の方を見なかった。
彼は、何て言うのだろう。平然ともう友人に戻れないことを悲しく思うだけだ。
切ない、悲しい、それでも…私は好きよ。

後からお酒の味とともに、何であんなことをしてしまったのだろうと淡々と心にしみてくる。

「じゃあ、私帰るわ」

くんと何かが裾を引っ張った。
袖をメシアが掴んで、切なそうな目をしてみてくる。
捨てられた子犬が、雨のしずくで濡れているみたいに。
可愛いけれど、ご飯が欲しいだけで、私の事なんて…

好きじゃない癖に。

好きじゃない…癖に。

「メシア…好き」

甘い口づけを落として。それがOKのサインのように、あっという間に事は進んだ。

部屋まで私が肩を貸して、それでも肩に回した手をぎゅうっと離してくれない。
そんな恋人みたいな甘い痺れに胸が高鳴って、落ち着かない。誘ったのも、襲うのもきっと私からで、ティアナの身代わりなんでしょ?そう喉元まで出ては苦しくなって、目頭が熱くなった。

そこからは流れみたいに。

部屋に着いたら、照明をつけないまま、

メシアをベットに押し倒すと、いきなりズボンから脱がして、下着の上から軽く触る。

「ぁ…ぁぅ…」
「気持ちいい?」

こくりと頷くメシアは、本当に足腰が酔って立たないのだと思う。
でも、SEXコッチの方は、受け入れ態勢が徐々に立ち始めてると知ると不純だけど嬉しくなった。

「どこを舐めて欲しい?」
「…」

恥ずかしそうに耳元で囁かれた。
一瞬、私もビクリと感じてしまうが、枯れた声と濡れた目に気持ちよさそうな顔が私をそそる。

「首に、鎖骨に、あそこね」

笑顔で微笑んだ後に、首筋を噛みながらピチャピチャと音を立てて舐める。

「恥ずかし…音…やぁ…ぅっ…」
「そう言いつつも感じてるよね?」

クスと笑って、鎖骨を舐めながら、ズボンに手を入れるとすっかり彼は出来上がってる。
スライド軽くさせると、彼の甘い声が聴けた。切なくて甘い声、そして、やっぱり辞めようかと言う躊躇が見えて少しいらだつ。ここまで来ておいて、あの女彼女が消えないんだなと悲しく思った。

それでも
「…好き。」
密やかに囁く私の愛の言葉。聞き流してくれればいいわ。

一瞬顔が赤くなったのは、きっとこの行為のせいだから。気付かないで欲しい、気付いてほしい。揺れる心が私もまだ女だったんだなと感じさせてくれた。そんな感情を感じさせてくれるのは、きっとあなただけだから。

「メシアだけだから、こんな風に襲うのは」
「え…」
「何でもない」

切なくてむず痒い、甘い言葉なんて似合わないはずなのに。
泣きそうな顔をメシアには見られたくないな。絶対に泣いてしまう。優しいメシアは同情してしまう。
そんなのはとても嫌。プライドが許さない行為だから。

「メシア、首弱いんだね。もっと…お願いして、もっと…私だけを見て。—好きになってよ」
「はっ…あぁ…っぅ…くぅ…」

身体中を優しく舐めて徐々に性感帯を探し始める。初めてなので、恐怖心を植え付けないように。
押し殺してる声も、可愛いのだけれど、遠慮せずに気持ちよくなって欲しい。
我慢してるみたいなので、ズボンを下して、そんな余裕をなくすために口に含んで吸い始める。

「ひぁあ!!」
「いい子ね」

完全に彼のスイッチが入って、消えないように、彼の苦い蜜を吸いながらキスマークを残した。
身をたじろかせながら、全身で気持ちよさそうに同時に痛そうな表情をする。苦しいような、でも、辞めてほしくないんだなと口元が歪む。

「ふぁっ…ひ…辞め…はぁ…んんんっ!!」

口の中に苦い味が放たれる。一回イったなぁと思いながら、意地悪な言葉を囁いた。
「これ見たら、愛の印が消えるまでティアナと出来ないわね」
「ふ…やっぱり帰‥‥」
泣きそうな顔をしながら、今になって逃げようとするので、力を入れて逃がさない。それでもジタバタするので、舌打ちをしながら、足だけを軽くベットの端の先端に結び付けて。

と言っても女性の力なのだから、逃げようと思えば逃げられたのに。
私はもっと強引な手段をとるつもりだったのに、それだけが拍子抜け。
何でだろうと思うが、あまりに可愛いメシアを見ていると、続きをしようと思う。

「メシア…触って…」
「うん…」

上に跨り、メシアが控えめに胸を触ると、気持ちいい。
慣れない様子で試すように体の色々な部分を触りながら、そっと舐める。
それは可愛いペットがご主人様の顔を舐めるみたいな、激しくないどころか遠慮がちに。

「ぁ…っ。気持ちいい…もっ…あぁんっ、もっと…」
ちゅっちゅっとブラジャーの上からキスを落とすと、背中に手を回す。
それでも、ブラジャーの外し方が分からないで??と言った顔になって一生懸命になる彼が可愛い。
「これはね」

そう教えながら、耳元に息を掛けると、徐々に余裕のない顔つきになって、ブラジャーを一気に外すと投げ捨てた。少し乱暴に胸を舐めて、先端を軽く噛んだ。

「んんぅっ!!」
「…ごめ…痛かった???」

心配そうな顔で覗き込んでくる彼を見て、「大丈夫」と笑顔を作る。本当は少し痛かったのだけれど。
それと同時に本当に初めてだと言うことに、私は嬉しく思って、急に下半身がうずくのだった。

右手をそっと取って、私の下腹部から下を触らせる。軽く触るだけでクチュリと音が鳴るほどに私は気が付いたら全身で感じていたらしく、自分でも驚いていたのだが、それよりもメシアが素っ頓狂な声を出して、

「濡れてる…」

と、また罪悪感でも感じたのかな。彼女と比べたのかな。と私の中の良心がチクリと痛む。
それでも、マジマジと何やら感動していることに気づいてしまう。
最初、場所が分からないのかな?と思ったが、どうも違うらしい。
ハッと何かに気が付いて、顔を覆い隠している。

「どうしたの…???」
「ごめん、俺、ゴム持ってない…」

私は何だかその真っ赤になって戸惑う姿が愛らしく、何だか笑ってしまった。
「あっはっは!!!」
「笑うなよ…!こっちは真剣なんだよ…あー、俺、馬鹿みたい。」
ちょっと考えればわかるだろうけど、あまりに真剣に戸惑ってるのでいつものスカしていたりカッコつけてる彼がと思うと笑いが止まらない。

「あーっはっは…私が持ってるよ」

一瞬安心した顔つきをした彼が、途中で表情が曇るので何でかなと思ったけれど、意外な切り返しにビックリした。

「いつも誰かとするのか??」
「え…いや、マナーと言うか、前彼が1か月前に居た名残と言うか…」
「ふーん」

何、その質問…??と思いながらも、いつも、彼が出来ても、メシアの事を思うと結局別れてしまう。忘れられると思って、SEXその行為はとても楽しい。だけど、結局メシアを思い出し、途中で感じられなくなって…

「私もこんなに濡れるんだ…」

再び自分の愛液を見て、色んな人と経験してきたけれど、初めてかもしれない。
自分で自分にビックリしてるのを見て、やっぱり好きな人とするSEXが気持ちいいのだと再確認した。私が教えられてるような気分だ。

「足外すね…やっぱり私、メシアから中に射れて…動いて欲しい…」

そっとタオルを外すと、ゴムを頑張ってつけられると嬉しそうに笑う彼を見て、

「あの…ゴム沢山あるから…その…」
「沢山してほしいの???」
「うん。明日休みだし…泊まって行ってね?」

彼以外を誘うことはどうってことないのに、
よりにもよって童貞初めてさんに何度もとお願いするのは何だか恥ずかしかった。
「…分かった。出来るだけ頑張る…」

素直に微笑むと、戸惑いながらも‥指を入れて目をキラキラさせながら…

「んぅ…ん??」
「この中に射れるんだ…」

とまたもや感動していた。初めてだからかな?と思いながら、指を引き抜くと、ペロペロ可愛くペットの子犬が舐めるみたいな音を立てながら、今さらながらに私も何だか照れてきた。ちゅうちゅう吸うと、困った顔をして、

「射れていい?」

と急に困った顔から雄の顔で聞いてくる。

「うん…」

急にカーッと顔が赤くなり、彼が恐る恐る入ってくるのが分かった。
気持ちいい。今までしたどんな人より気持ちいい。私、ピル飲んでるから生でも…と思ってお願いしようとした瞬間、彼が必死になって動いてるのを見て、黙っておこうと私も腰を動かす。

「あぁんっ…やぁああ…っんぅううう!!」
「はっ…はぁあ…あぁっ…!!」

考えられないような激しさ。
それが無理強いではなく、心から求めていた私と彼の形。
気持ち良さの波が押し寄せてきて、私は何度もその晩奥まで突かれた。
喘ぎ声をあげすぎて、朝声が枯れるぐらいの初めての経験。

朝までぎりぎりの時間までする片方だけでも愛のある行為セックスは心から気持ちいいと思えた。
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