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きっと二度目の恋。
花。
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君を思い出すほど色濃く、
そして彼女を思い出せば淡く、
俺の中で二つの花がせめぎあう。
血のような赤い綺麗で可憐な花が散ってく。
そうして、俺の心には、残酷だけれども白い綺麗な花が段々根を張っていく。
彼女の寝顔は可愛いウサギのような、
魔性の花の芽を摘んでしまいたい願望に駆られても、
大事にしなければ、と思うほど、手を握ってきたり、抱き着いたり、
無い胸をからかって、いつの間にか彼女の傍では笑ってる。
俺は、幸せを願う少女のように縮こまり、耳まで赤くなる。
宿題を終えて寝てしまった彼女をベットまで運ぶと、
「ん~、レアぁ」
「なんだよ」
ふにゃふにゃした柔らかい笑顔で笑う彼女からそうっと手を放す。
「寝言で、俺の名前言うとか…反則なんだよ」
ボソッと呟いて、これ以上彼女に踏み込むのを辞めようと、そっぽを向いて部屋を出ようとした時だった。
「ぉわっ!!」
こんな華奢な腕からどうしてこんな力が出るんだ?
「いて…」
そうして、冷静に考え始めた。
背中のシャツを離さないつもりなんだろう。
背中のお肉まで掴んでるティアナ。
というか、
説明を簡素にすると、
寝ぼけ眼な彼女が俺をベットに無理やり引きずりこんで、
そのまま上に乗って寝始めたのだった。
これは…
横に居る可愛い小悪魔ティアナ。
スカートの裾から見える脚…
胸元が見えそうで見えない。
やばい。
本当にやばい。
ない胸とは言え、好きな女と同じベットはやばい。
腰は細く、
腕も細く、
髪からは桃の香りのシャンプーの匂い。
うまそうな唇。
二度見してしまうほどの、
スカートの裾から覗く綺麗な形の脚。
鎖骨も綺麗で…思わず胸に目が行く。
「ティアナが悪いんだからな」
耳元で呟いて、
そのまま、スカートの裾から少しずつ手を入れる。びくんと体が動き、そのまま、唇を甘噛みして舌を歯に滑らせた。
大事にするんじゃなかったのかよ。
そうして長いキスをした後、このまま花を散らしてしまおうか悩んだ末に、今はこのままで居ようと思い、布団をふわりと掛けると、俺はベットから立ち上がってドアを閉めた。
「やば…」
ティアナは少女ガキなのに、
段々惹かれていく自分に歯止めが効かない。
好きだ。
あの笑顔も、綺麗な唇もない胸も、中身も、手指の先、足の指先、髪の毛先でさえも。
最近、ティアナの傍にいる恋敵メシア。
あいつがあんな事言わなかったら、キスですら我慢した。
初めて会ったとき、
「へぇ、大したことないんですね、俺、奪っていいですよね?」
と、ティアナの前で握手をするふりをして、まず言われた。
最悪の第一印象。
「わー、メシア君とレアって仲良しなんだね~!以外!」
ティアナは気付かなかったけれど、
俺も手をきつく握って、
「ガキにやれるかよ」
と、どこかで見たようなガキに何熱くなってんだか。
見透かした紫の目も中途半端なサラサラな長髪も気に入らない。
何だか目元が似てるから尚更ムカつくんだよな。
メシアとはどこまでしたんだ?
大丈夫か?お前隙だらけなんだよ!!と言いたいのも堪えたのに。
そうして、その膠着状態のまま、
時間はただ過ぎて行った。
俺はある場所へと向かう。
「俺は幸せに何かなってはいけないんだよ」
一人心地に呟いて。
そして彼女を思い出せば淡く、
俺の中で二つの花がせめぎあう。
血のような赤い綺麗で可憐な花が散ってく。
そうして、俺の心には、残酷だけれども白い綺麗な花が段々根を張っていく。
彼女の寝顔は可愛いウサギのような、
魔性の花の芽を摘んでしまいたい願望に駆られても、
大事にしなければ、と思うほど、手を握ってきたり、抱き着いたり、
無い胸をからかって、いつの間にか彼女の傍では笑ってる。
俺は、幸せを願う少女のように縮こまり、耳まで赤くなる。
宿題を終えて寝てしまった彼女をベットまで運ぶと、
「ん~、レアぁ」
「なんだよ」
ふにゃふにゃした柔らかい笑顔で笑う彼女からそうっと手を放す。
「寝言で、俺の名前言うとか…反則なんだよ」
ボソッと呟いて、これ以上彼女に踏み込むのを辞めようと、そっぽを向いて部屋を出ようとした時だった。
「ぉわっ!!」
こんな華奢な腕からどうしてこんな力が出るんだ?
「いて…」
そうして、冷静に考え始めた。
背中のシャツを離さないつもりなんだろう。
背中のお肉まで掴んでるティアナ。
というか、
説明を簡素にすると、
寝ぼけ眼な彼女が俺をベットに無理やり引きずりこんで、
そのまま上に乗って寝始めたのだった。
これは…
横に居る可愛い小悪魔ティアナ。
スカートの裾から見える脚…
胸元が見えそうで見えない。
やばい。
本当にやばい。
ない胸とは言え、好きな女と同じベットはやばい。
腰は細く、
腕も細く、
髪からは桃の香りのシャンプーの匂い。
うまそうな唇。
二度見してしまうほどの、
スカートの裾から覗く綺麗な形の脚。
鎖骨も綺麗で…思わず胸に目が行く。
「ティアナが悪いんだからな」
耳元で呟いて、
そのまま、スカートの裾から少しずつ手を入れる。びくんと体が動き、そのまま、唇を甘噛みして舌を歯に滑らせた。
大事にするんじゃなかったのかよ。
そうして長いキスをした後、このまま花を散らしてしまおうか悩んだ末に、今はこのままで居ようと思い、布団をふわりと掛けると、俺はベットから立ち上がってドアを閉めた。
「やば…」
ティアナは少女ガキなのに、
段々惹かれていく自分に歯止めが効かない。
好きだ。
あの笑顔も、綺麗な唇もない胸も、中身も、手指の先、足の指先、髪の毛先でさえも。
最近、ティアナの傍にいる恋敵メシア。
あいつがあんな事言わなかったら、キスですら我慢した。
初めて会ったとき、
「へぇ、大したことないんですね、俺、奪っていいですよね?」
と、ティアナの前で握手をするふりをして、まず言われた。
最悪の第一印象。
「わー、メシア君とレアって仲良しなんだね~!以外!」
ティアナは気付かなかったけれど、
俺も手をきつく握って、
「ガキにやれるかよ」
と、どこかで見たようなガキに何熱くなってんだか。
見透かした紫の目も中途半端なサラサラな長髪も気に入らない。
何だか目元が似てるから尚更ムカつくんだよな。
メシアとはどこまでしたんだ?
大丈夫か?お前隙だらけなんだよ!!と言いたいのも堪えたのに。
そうして、その膠着状態のまま、
時間はただ過ぎて行った。
俺はある場所へと向かう。
「俺は幸せに何かなってはいけないんだよ」
一人心地に呟いて。
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