上 下
35 / 44

35

しおりを挟む
 屋敷に戻ると父に報告をし、次に王都にジュリア様に連絡を取るとすぐに行くという言付けが届いたのだ。

 素早い……これだと王都からここまで三日かかるところを二日で着そうだと予想ができたので、彼の為の部屋を用意することにした。

 ついでなので、マテオ様の部屋も用意してもらった。

 もしももしもついてきてしまったら困るからだ。

 あいつのことだから、私の部屋で寝ると言い出しかねない!!!

 それを阻止する種には先読みして行動しなければならないのだ。

 備えあれば憂いないだ!!!!

 私は侍女たちに頼み、ミシェルさまと一緒にのんびりとお茶を楽しんだ。

 失った魔力がもとに戻るには二日間はいい休日だったと思う。

 私が予想した通り、ジュリアさまとマテオ様が到着した。

 ボロボロになりながら来たのである。

 「セシル、合いたかった!!!!」

 「マテオ様ずるいですよ!!!」

 私に抱き着こうとするマテオ様をジュリアさまが止めると言ういつもの光景だ。

 懐かしい光景よねと、思ってしまった。

 「セシル、いい加減のんびりもしてられないよ」

 「そうね、お二人には悪いけど、明日出発したいのいいかしら?」

 「かまわないよ、その代わり、少しの間でいいから側にいてくれないか」

 「かまわないけど……」

 私はソファーに座るとジュリアさまは私の隣に座り、私の膝に頭をのせるとそのまま目をつむってしまったのだ。

 これはジュリアさまが疲れた時にすることで、何故こんなことをしているかはいまいちよくわからないのだ。

 完全に寝てしまうと私は膝からジュリアさまの頭をどかすとソファーから立ち上がり、その場を後にしたのだ。

 ああやって寝てしまうと当分起きないのだ。

 それなので、マテオ様も加わってまたお茶を楽しんだのです。

 

 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

孕ませねばならん ~イケメン執事の監禁セックス~

あさとよる
恋愛
傷モノになれば、この婚約は無くなるはずだ。 最愛のお嬢様が嫁ぐのを阻止? 過保護イケメン執事の執着H♡

年に一度の旦那様

五十嵐
恋愛
愛人が二人もいるノアへ嫁いだレイチェルは、領地の外れにある小さな邸に追いやられるも幸せな毎日を過ごしていた。ところが、それがそろそろ夫であるノアの思惑で潰えようとして… しかし、ぞんざいな扱いをしてきたノアと夫婦になることを避けたいレイチェルは執事であるロイの力を借りてそれを回避しようと…

許婚と親友は両片思いだったので2人の仲を取り持つことにしました

結城芙由奈 
恋愛
<2人の仲を応援するので、どうか私を嫌わないでください> 私には子供のころから決められた許嫁がいた。ある日、久しぶりに再会した親友を紹介した私は次第に2人がお互いを好きになっていく様子に気が付いた。どちらも私にとっては大切な存在。2人から邪魔者と思われ、嫌われたくはないので、私は全力で許嫁と親友の仲を取り持つ事を心に決めた。すると彼の評判が悪くなっていき、それまで冷たかった彼の態度が軟化してきて話は意外な展開に・・・? ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

国王陛下は悪役令嬢の子宮で溺れる

一ノ瀬 彩音
恋愛
「俺様」なイケメン国王陛下。彼は自分の婚約者である悪役令嬢・エリザベッタを愛していた。 そんな時、謎の男から『エリザベッタを妊娠させる薬』を受け取る。 それを使って彼女を孕ませる事に成功したのだが──まさかの展開!? ※この物語はフィクションです。 R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。

転生したら死にそうな孤児だった

佐々木鴻
ファンタジー
過去に四度生まれ変わり、そして五度目の人生に目覚めた少女はある日、生まれたばかりで捨てられたの赤子と出会う。 保護しますか? の選択肢に【はい】と【YES】しかない少女はその子を引き取り妹として育て始める。 やがて美しく育ったその子は、少女と強い因縁があった。 悲劇はありません。難しい人間関係や柵はめんどく(ゲフンゲフン)ありません。 世界は、意外と優しいのです。

【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った

五色ひわ
恋愛
 辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。真実を確かめるため、アメリアは3年ぶりに王都へと旅立った。 ※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話

元妃は多くを望まない

つくも茄子
恋愛
シャーロット・カールストン侯爵令嬢は、元上級妃。 このたび、めでたく(?)国王陛下の信頼厚い側近に下賜された。 花嫁は下賜された翌日に一人の侍女を伴って郵便局に赴いたのだ。理由はお世話になった人達にある書類を郵送するために。 その足で実家に出戻ったシャーロット。 実はこの下賜、王命でのものだった。 それもシャーロットを公の場で断罪したうえでの下賜。 断罪理由は「寵妃の悪質な嫌がらせ」だった。 シャーロットには全く覚えのないモノ。当然、これは冤罪。 私は、あなたたちに「誠意」を求めます。 誠意ある対応。 彼女が求めるのは微々たるもの。 果たしてその結果は如何に!?

一年で死ぬなら

朝山みどり
恋愛
一族のお食事会の主な話題はクレアをばかにする事と同じ年のいとこを褒めることだった。 理不尽と思いながらもクレアはじっと下を向いていた。 そんなある日、体の不調が続いたクレアは医者に行った。 そこでクレアは心臓が弱っていて、余命一年とわかった。 一年、我慢しても一年。好きにしても一年。吹っ切れたクレアは・・・・・

処理中です...