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  《斗真side》 

   蒼生の学校の前で何度となくすれ違う蒼生と同じぐらいの身長で、朱里より綺麗な彼女に目を奪われた。

   それが気に入らなかったのか、朱里とはその日に別れた。

   あいつのことだ、俺がダメなら親父に取り入るだろう。今までだってそうしてきたんだからな。

   なんとか友達になりいろいろ話せるようになったが名前を教えてもらっていなかった。

   そんな時だ、親父が俺の行動に不信を持ち一緒にファミレスに行くと言い出したのは、親父に黙っていると後々面倒臭くなるのである程度は言ってあるが、今回は朱里が原因だろう。

   「朱里ちゃんと別れてまで、純愛ごっこするような子に興味わくだろ」

   親父の考えていることがわからない。ただの興味本位ならいいが、気に入った挙句ちょっかいかけられたらと思うといたたまれなかった。

   「今日は親父も一緒なんだ」

 「そうなんですか? お若いのでお兄さんかと思いました」

 親父を見てもかわらない彼女をみて嬉しかった。

 若くて大人の雰囲気を醸し出す親父をみて何の反応も見せず普通に話をするのは俺の知る限り二人だけだ。

 朱里の姉の蒼生とその母親だけ、彼女で三人目になる。

 一度だけまともに話したことがあったときに聞いたことがある。

 「確かにかっこいいけど、あたしとは年も離れているし鑑賞しているだけなら害はないし、それに琢磨さんの興味があるのは母さんと朱里みたいだしね」

 「年は関係ないだろ?」

 「あるよ。あたしみたいのが若くかっこいい男の子やイケ叔父といたら周りから顰蹙を買うけどかわいい子だったりきれいな子ならそうはならないと思うよ」

 今から思えば俺や朱里の会話を聞いていたのかもしれないと思った。

 でも蒼生はどこか達観した考えの子だったからかもしれないとも思った。

 その日は彼女はフロアーには出てこず、裏方に回ったと言われた時はホッとした。

   これ以上親父との接点を持ってもらいたくなかったからだ。

   大人気ないと思う。

 彼女だけは取られたくない。

 子供地味た独占欲。

   誰にも見せたくない。

   数え上げたらきりが無い。

 いつも彼女が出てくるまで待って話をしてから帰る。別に約束してたわけじゃない。

 俺が話したくて出てくるのを待ち伏せして話している。

 友達が聞いたら驚かれるだろうなとは思う。

 でも友達からでいいから一緒にいたかった。

 その日はいくら待ってもでてこなかった。

 その日を境に彼女には会えなくなってしまった。

 もちろん学校の前で待っても会えなかった。

 絶望感に襲われた。

   女に不自由したことはない。

 いつも向こうから声をかけてくる。その場限りの女なんてはいてす捨てるほどいる。

 自分から好きになったのは二人だ。

 朱里と彼女だ。朱里はすぐに付き合うことも出来たし、身体の関係になるのも分けなかった。それに朱里は親父とも関係を持っていた。

 彼女は俺をみても顔色一つ変えなかった。

 朱里は俺の中身なんてどうでもよかったみたいだ。外見さえよければまわりに自慢できるから
 
 本当に馬鹿だと思う。

 彼女に会いたいあって話したい。

 会えない日が続き少し俺はくるっていたのかも知れない。

 

 
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