僕は前世の知識を生かしのし上る……はず？

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　俺に呼ばれた長兄が慌てて騎士とともに来た。

　「兄さまこれは一体どういうことですか？」

　「おや……この子たちは亜人だね」

　「いつからうちの領土では奴隷売買を許可したんです？」

　「私はしてないよ」

　兄は俺の言いたいことがわかったのか態度が変わった。

　「これはどういうことだ」

　「これは……この地の民は女子供が多いのですだから仕方なく」

　「ならなぜそのように連絡しない」

　「しました、したら領主代理様がそんなのお前たちでどうにかしろと言ったんです」

　「そうか……わかった。エリー亜人にかけられた奴隷契約の魔法解除できるか？」

　「もうすでにやってますよ、後もう少しで解除できます」

　俺は複雑に組まれた魔法陣を書き換え亜人にかけられた奴隷契約を解除した。

　「できましたよ、これであなたたちは自由です」

　「本当に俺たちは自由なのか？」

　「ええ、自分たちの国に変えるもよし他に行く当てがあるならそこに行くもよしです」

　「……俺たちの国はもうないんだ、王様も殺されご子息様も行方知れずで……」

　「ならここにいればいい、ここで働いてくれないか？」

　「それがいいですね、俺がその獣人の王子様を探してあげます」

　「エリーそんな安請け合いしていいのか？」

　兄は複雑そうに俺を見ているが、彼らを見ていたら何とかしてやりたくなったのだ。

　こんな小さな子まで働かせているんだ。

　人を人とも思わない奴らにはそれなりの罰を与えなければならない。

　ましてやこの国で奴隷なんて笑止千万！

　「あまり無理しないでくれよ」

　「俺の変わりはいますよ？
　でも彼らの王子は今は行方知れずです」

　「特徴は分かっているのか？」

　「獅子の獣人です。
　きれいな銀色の獣人で年のころはエリー様ぐらいです」

　「俺？」

　年より幼く見える俺だけどこれでも２５歳だが……絶対こいつら俺のこと１７．８ぐらいに見てるよな。

　俺はため息をつきながら世直しの旅に心馳せていた。