僕は前世の知識を生かしのし上る……はず？

8

　かくして俺は王様と第一王子に挟まれて寝ることになった。　

　なんの罰ゲームだよ！

　それも十歳だぞ！

　そろそろ精通だってくるのに、これじゃ恥ずかしくってたまらない。

　精通が来たらもしかしたら夢精だってあるかもしれないのに……

　プライバシーにかかわるじゃないか！

　何度言ってもダメで妥協点が王子が一緒に寝てくれることだけが心の支えである。

　「エリーちゃんはかわいいね」

　「男です」

　「早く精通来るといいな」

　「……」

　変態発言出ました。

　この人変態です。

　「父上！」

　「なぜだい、精通が来れば子供ができる行為ができるんだよ」

　「それでも、待ってください」

　「楽しみだな、もちろん手取り口取り教えてあげるからね」

　俺は首を振り否定したが、聞いてくれないで自分勝手に解釈された。

　「父上、いい加減にしてください。
　そうでなくても怖がられているのに、あなたはこの子に無体なことをするのですか」

　「魔力を含む精子は甘いんだよ」

　「そんなの知りませんよ！
　知りたくもないです」

　「マリーが良く言っていたんだよ。
　だから、自分のを舐めるのは嫌だからね」

　「やっぱりお母様のところで寝ます」

　嫌だ、王様から甘いいい匂いがしていたのは精子の匂いだったのか。

　子供相手に何の匂いさせてんだよこの反対陛下は！

　でもここで逃げないと俺の貞操の危機が危ぶまれる。

　逃げたくても王様の顔は笑っているけど、逃がさないと獣のような気配を感じてはっきり言って怖い。

　「父上、いい加減にしてくれなければジェーン様に言いますよ」

　王様は体をぴっくんとさせると、うなだれてしまった。

　それはまるで飼い主に怒られ、耳が折れているように見えてしまう。

　やばい、犬の耳が見えてしまう。

　俺は俺でここは心を鬼にしてと格闘していた。