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11 父side2

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 領地で静養していると思っていたリリシャが行方不明と言うではないか!!!!

   こいつら全員解雇からの騎士団に連行だ!

   私の愛する妻にそっくりなリリシャをよくも蔑ろにしやがってどうなるか身をもって思い知れ!!!

   それに引替えリアムはダメだ。

   リアムは私の末の弟にそっくりで、自分が一番可愛いと思う思っている。

   私の弟は王太子を誘惑したということで北の塔に幽閉されている。
   
 リリシャは実の兄に暴行され、一時命の危機に陥っていたのだ。

 命は取り留めたがそれだけだ。

 自分は好きな物しか食わないから見るも無残な姿になり果てている。

 それの半分でもリリシャに与えられるなら与えたいぐらい可哀そうな姿になり、見てられなかった。

 本当ならリリシャを探しに行きたいが、今日はこの国の王子さまの案内役として領地に来ているので探しに行けないのだ。

 私のかわいいリリシャよひもじい思いしてないといいけど……

 王子さまを教会に案内するとそれはそれはかわいくなったリリシャがいたのだ。

 若いころの妻に瓜二つだ。

 本当に家の息子かわいい!!!!!!

 誰の所にも嫁に出さないからな!!!!!!

 私とリデアは王子様そっちのけでリリシャに抱き着いていた。

 「よく無事でいてくれた」

 「良かった……」

 「御心配させて申し訳ございません」

 リリシャは申し訳なさそうにシュンとしてしまった。

 私とリデアはそんなリリシャを安心させるように言葉をかけた。

 「無事でいてくれただけでもいいんだ。
 だが、あいつらはただじゃ済まさないから安心しろ」

 「大丈夫だから安心してね」

 私はリデアを見ながらお前がそれを言うな!!!!!

 そう思っていたのは私だけではなかったようでリリシャは複雑な笑い方をしていた。

 リアムの呪縛から解かれたとはいえ、ここまでリリシャを溺愛するとは思わなかった。

 「きちんとご飯食べれているようだね」

 「うん!!!
 だから少しだけど体重が増えたんだ」

 嬉しそうに話すリリシャは眩しかった。

 「可愛くなったね」

 その言葉を絞り出すだけで精いっぱいだった。

 「可愛いから誰かに襲われないか心配だよ」

 リデアはリリシャを強く抱きしめて離そうとはしなかった。

 「お兄さま、ここには治癒を見学に来たんでしょ?」

 「そうだった、治癒師はどちらに?」

 それまで黙っていた司祭はオロオロしながら意を決したようにリリシャを指さし言った。

 「リデア様が抱きしめている方がここで治癒を施しているリリーです」

 「「……リリシャ……」」

 「お屋敷に行ったら追い出されて行く当てがない時、司祭様に拾われたんだ」

 私とリデアはリリシャの身に起きたことを聞いた。

 屋敷にいるよりはこちらでの生活の方があっているようで、最終的には私たちの方が折れるしかなかった。

 

 

 


   

 
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