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 目を覚ますとそこは実家にある僕の部屋だった。

 周りを見回すが誰もいない。

   長い夢を見ていたような感覚だけど切られた感覚も残っているし、血の匂いも鼻についている。

 どうなっているんだ。

 神様は僕の最後の願い事を叶えてくれたのかな。

   だるい身体を起こしベッドから出ようと床に足をつけ立とうとしたが足がもつれ倒れてしまったのだ、物音に気が付いた侍女が部屋に入ってきてくれたが、その侍女の顔には見覚えがあった。こいつは弟付きの侍女だ。
 
 弟の侍女は嫌そうな顔で僕を下げずんだようにみていいやがった。

 「そのまま死んでくれればよかったのに」

 「僕に毒を盛ったのは君だよね」

 「だからなんです。誰もあなたの言うことなの信じませんよ」

 ニタニタ笑いながら言う。

 そうだ10年前この侍女に殺されそうになり僕が訴えても誰も信じてくれなかった。

 その日から僕は嘘つきと言われ始めたんだ。

 八歳の誕生日を誰にもお祝いされることなく迎えた後のお兄さまたちとのお茶会の日、僕は毒を盛られて生死の境をさまよったんだ。

 神様が僕にくれた二度目の人生だ。

 ならあのような人生にならないように僕にできる精一杯のことをしよう。

 僕は這いつくばりながらベッドサイドに入れてあるあるものを取り出し、それに魔力を流しながら僕は侍女に聞いたのだ。

 「誰に頼まれてこんなことしたの?」

 「それ聞いてご主人様に訴えますか?
 いったところで信じてくれませんよ」

 「そう思うなら言ったらどうなの?
 君に僕を殺すように言って毒を渡した人物はだれ?」

 「そんな人いませんよ。
 私の敬愛するあの人の為ならあんたのこと毒殺することぐらいどうってことないわ」

 やっぱり名前を言わないか……ならもっと他の方法で聞くしかないかな。

 「敬愛するね……あの人はお前のことなど庇ってはくれないよ」

 「そんなことありません!!!!
 あの方は私のことを愛してくれてます。
 もし私がお前に毒をもったのがばれても私はたいした罪にはなりません」

 「だから僕を追い出したっくて嘘ばかりをお父様に言ったの?」

 「旦那様もこんな出来損ないとっとと追い出してしまえばいいのに、そうすればあの方が跡継ぎになる。
 そうすれば私は次期公爵夫人」

 「なれるわけないじゃん。
 僕を貶めてもお兄さまがいる以上僕も弟も公爵家は継げない」

 お兄さまは僕のことをかわいがってくれている。

 僕のことが嫌いなのは弟の方だ。

 馬鹿なのかな……お兄さまは優秀な人だから僕たちが取って代われるはずがないのに……

 「そんなのお前に毒をもったのが次期公爵様と言えばいいだけの話、そうすればあの方が次期公爵に……」

 「そうなれば優秀な子を親戚から養子に迎えるだけだよ」

 「そんなことない!!!
 あの方はとても優秀な方だからすぐに次期公爵として認められる」

 呆れてしまう。

 弟はかわいいだけでハッキリ言って僕以上に何もできない。

 かわいいをアピールしているだけなのがこいつにはわからないようだ。

 「そんなことしたって君とは身分が違い過ぎるから妾ぐらいにしかなれないよ」

 「黙れ!!!!!
 あの方は約束してくれたんだ!!!!
 私を公爵夫人にしてくれるって!!!!!!」

 僕を気が済むまで蹴りつけると部屋を出ていってくれた。

 僕は何とか残り少ない魔力でお兄さまに助けを呼んだところで意識を手放した。

 
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