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今日で何日目だろう。
一日一回もらえた食事も何日ももらえない日が続いた。
このまま死ぬのかと思った。
それはそれでいいかとさえ思えた時、僕の従者をしてくれていた子がお兄さまを連れてやってきたのだ。
死を待つのみとなっていた僕のみすぼらしい姿を一番見せたくない人に見られるのかと思うと泣きたくなった。
泣く気力さえない。
目を閉じ罵られるのを覚悟した。
「これはどう言うことだ」
「リリシャ様の婚約が解消され、姿を見せることがなくなりましたので執事の指示で食事を一週間に一度冷めたスープのみになっており、流石にこれはと思い……」
「こいつの部屋は……」
「弟君の衣裳部屋になっております」
「こいつの服は?」
「弟君のお古を婚約者様に合う時だけ与えられていました」
「こいつにも予算があったはずだ」
「旦那様より予算はもらえてないと言われました」
どうでもいいから出て行ってほしい。
死にたいわけじゃないけど今の僕にはどうすることも出来ないんだ。
骨と皮ばかりで目がくぼみ本当に化け物だ。
「俺は改善しろと言ったのに……俺の言葉を無視しやがって!!!!」
お兄さまは何を怒鳴っているのだろう?
僕がどうなろうと誰も何も思わないのに?
このまま死んでくれたら万々歳とさえ思っているはずだ。
それを何でそんなにイライラした声で怒鳴っているのか不思議だ。
「父上に話を付ける」
「それまではどのようにしますか?」
「このままでは死んでしまうだろ、俺の指示だと言ってスープをこまめに与えろ」
「わかりました。料理長にその旨を伝えます」
朦朧とし始めた意識の中部屋の中が慌ただしくなったが意識を保てることが出来ずに目を閉じた。
一日一回もらえた食事も何日ももらえない日が続いた。
このまま死ぬのかと思った。
それはそれでいいかとさえ思えた時、僕の従者をしてくれていた子がお兄さまを連れてやってきたのだ。
死を待つのみとなっていた僕のみすぼらしい姿を一番見せたくない人に見られるのかと思うと泣きたくなった。
泣く気力さえない。
目を閉じ罵られるのを覚悟した。
「これはどう言うことだ」
「リリシャ様の婚約が解消され、姿を見せることがなくなりましたので執事の指示で食事を一週間に一度冷めたスープのみになっており、流石にこれはと思い……」
「こいつの部屋は……」
「弟君の衣裳部屋になっております」
「こいつの服は?」
「弟君のお古を婚約者様に合う時だけ与えられていました」
「こいつにも予算があったはずだ」
「旦那様より予算はもらえてないと言われました」
どうでもいいから出て行ってほしい。
死にたいわけじゃないけど今の僕にはどうすることも出来ないんだ。
骨と皮ばかりで目がくぼみ本当に化け物だ。
「俺は改善しろと言ったのに……俺の言葉を無視しやがって!!!!」
お兄さまは何を怒鳴っているのだろう?
僕がどうなろうと誰も何も思わないのに?
このまま死んでくれたら万々歳とさえ思っているはずだ。
それを何でそんなにイライラした声で怒鳴っているのか不思議だ。
「父上に話を付ける」
「それまではどのようにしますか?」
「このままでは死んでしまうだろ、俺の指示だと言ってスープをこまめに与えろ」
「わかりました。料理長にその旨を伝えます」
朦朧とし始めた意識の中部屋の中が慌ただしくなったが意識を保てることが出来ずに目を閉じた。
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