【完結】子爵令嬢の秘密

27 リリア＆侯爵（クリス）

　授業に集中できなかった。

　色々な人にじろじろ見られ、ひそひそ言われていたのだ。

　クラスメイトが助けてくれなければ精神的に病んでいたかもしれない。

　帰りがてら寮によると、すべての荷物が侯爵家に運びこまれた後だった。

　「結婚したんだって」

　「……外堀が……」

　クラスメイトに祝福され複雑な気持ちで侯爵家の馬車に詰め込まれ帰宅した。

　帰宅するとすでにクリス様は帰ってきており、学校でのことを聞きたがった。

　学校で起こったことや、面白かったことを話ながら過ごしていく。

　クリス様は嬉しそうにうんうんと聞いてくれたり相槌を打ってくれたりと、話が弾んだ。

　夕飯を食べお風呂に入り寝室に行くと、すでに支度を済ませたクリス様がお酒を飲んでいたのだ。

　「同じベッドで寝るのですか？」

　「もう、夫婦なのだからあたりまえだろ、それに君を抱きしめながら眠ると、良い夢が見れるんだよ」

　などと言い、私の反応を見てからかってくるのだ。

　「早くおいで、一緒に寝よ」

　からかうように言って私の腕を掴むと引っ張りベットにひき釣り込み抱きしめてくるのだ。

　疲れた体にはクリス様の体温は心地よくすぐに眠りについてしまうのだ。

　その日もクリス様の腕の中ですやすやと眠ってしまったのだ。






　本当に無防備な子だと思う。

　あいつと一緒にいるところを見つけた時腸が煮えくり返る思いだった。

　あいつに取られる前に俺の物にしなければと焦り、年甲斐もなく盛ってしまったのだ。

　結果的にはよかってのだが、だけど油断できない。

　あいつがおとなしすぎるのだ。

　すでに籍を入れ名実ともに俺の妻になった以上、横やりは入れられないのは確かだが、人の物と思うだけであいつは燃え上がるタイプだ。

　今は仕事を大量に押し付けてきたのと、あいつの最も苦手な人物に学園での一部始終を見せたので、当分は抜け出すことはないだろう。

　学園でリリアに案内されていたのは、魔法で姿を変えた陛下本人だったのだ。

　何度も連れてきてくれと頼まれていたが、断っていたのだ。

　強行突破したのだろうが、見て気が済めばよかったのに、興味を持ってしまったのだ。

　数日するとやはり行動してきた。

　「リリアちゃんは元気？」

　「……元気ですよ」

　「リリアちゃんを妃の話し相手として城に来てくれるように頼めないか？」

　「リリアはまだ学生ですので、本業を頑張らせたいので辞退します」

　「休みの日でいいのだが……」

　「休みの日は昼間から予習復習と頑張ってますので無理です」

　そんなやり取りをしていると、王妃様が来て我々のやり取りを聞き、陛下の我儘が出たと訴えると陛下を引き釣り部屋に戻っていったのだ。

　部屋ではそれはそれはこってりと絞られていたと従者の者が喜々として教えてくれた。