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最近はクラスの子たちとも打ち解けられるようになり、友達も増えた。
友達が増えれば性格も明るくなるのか、アルバイト先の先輩から言われたのだ。
「明るくなったな」
「そうですか?
お友達が増えて、毎日楽しいからですかね?」
「そうか、よかったな」
「それに、同級生に告白されたんです。
付き合おうかどうか迷ってるんですよね」
「……それは侯爵さまには言ってあるのかい?」
「いいえ、それに告白してきたのはクラスで一番かっこいいと言われている人なんです。
なので、そんな人がなんで私みたいなのに告白してきたのか不思議で……」
「兎に角、侯爵さまには何も言うんじゃないよ」
「わかりました。
でも、気が合ってクラスでも一緒なんですよ。
なので、断って気まずくなるの嫌だな……」
私の回答に焦りだした先輩は、断るように勧めてきたのだ。
何故そんなことを言うかわからない。
それに侯爵さまには言う気もなかったので、そういわれてますます言う気が失せた。
確かに、お姉さまの婚約者様ですから今はまだ繋がりがありますよ。
でも、学園を卒業したら頼るつもりはないので、そのまま出ていこうと思っているんですよ。
「今日はまだ暇だから宿題をしてきたらいいよ」
「そうします」
休憩の合間に宿題を済ませているので、今日のようにお客が少ないと宿題を済ませてくるようにと言われるので助かるのだ。
早めの夕食を食べ、宿題をしていると、いきなり後ろから羽交い絞めされた。
「リリスちゃん、俺以外の奴と親しくしちゃダメじゃないか……」
今まで聞いたことのないような地を這うような低い声で私の耳元で呟いてきた。
「義兄様どうしてここに……」
暴れて腕から逃れようとするが逃れられない。
「リリスちゃん聞いてるかい?」
「聞いてます。
だから離してください」
怖いんですけど……
いつも優しい侯爵さまと違う。
何故……?
体が硬直していて動かない。
逃げたいのに逃げられない。
ヤバいんですけど……この人怖い。
私は刺激を与えないように侯爵さまのしたいようにされていた。
ようやく満足したのか出て行ってくれたが、今だ体の震えが収まらないのだ。
卒業したら、逃げなきゃ、捕まったら何されるかわからない。
そう心に誓ったのだ。
友達が増えれば性格も明るくなるのか、アルバイト先の先輩から言われたのだ。
「明るくなったな」
「そうですか?
お友達が増えて、毎日楽しいからですかね?」
「そうか、よかったな」
「それに、同級生に告白されたんです。
付き合おうかどうか迷ってるんですよね」
「……それは侯爵さまには言ってあるのかい?」
「いいえ、それに告白してきたのはクラスで一番かっこいいと言われている人なんです。
なので、そんな人がなんで私みたいなのに告白してきたのか不思議で……」
「兎に角、侯爵さまには何も言うんじゃないよ」
「わかりました。
でも、気が合ってクラスでも一緒なんですよ。
なので、断って気まずくなるの嫌だな……」
私の回答に焦りだした先輩は、断るように勧めてきたのだ。
何故そんなことを言うかわからない。
それに侯爵さまには言う気もなかったので、そういわれてますます言う気が失せた。
確かに、お姉さまの婚約者様ですから今はまだ繋がりがありますよ。
でも、学園を卒業したら頼るつもりはないので、そのまま出ていこうと思っているんですよ。
「今日はまだ暇だから宿題をしてきたらいいよ」
「そうします」
休憩の合間に宿題を済ませているので、今日のようにお客が少ないと宿題を済ませてくるようにと言われるので助かるのだ。
早めの夕食を食べ、宿題をしていると、いきなり後ろから羽交い絞めされた。
「リリスちゃん、俺以外の奴と親しくしちゃダメじゃないか……」
今まで聞いたことのないような地を這うような低い声で私の耳元で呟いてきた。
「義兄様どうしてここに……」
暴れて腕から逃れようとするが逃れられない。
「リリスちゃん聞いてるかい?」
「聞いてます。
だから離してください」
怖いんですけど……
いつも優しい侯爵さまと違う。
何故……?
体が硬直していて動かない。
逃げたいのに逃げられない。
ヤバいんですけど……この人怖い。
私は刺激を与えないように侯爵さまのしたいようにされていた。
ようやく満足したのか出て行ってくれたが、今だ体の震えが収まらないのだ。
卒業したら、逃げなきゃ、捕まったら何されるかわからない。
そう心に誓ったのだ。
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