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そろそろ潮時かもしれない。
ならこのまま出ていくのもありなのかもしれないと思うようになった。
もちろん子供たちの意向も聞かなければならないので今すぐではないけど、聞かなくてもわかる。
「あなたたちはどうしますか?
このままここで過ごすか、私と一緒に出ていくか?」
「もちろんここにいます。
ここの生活はとても楽しいですからね」
「あなたより母親らしい人もいますから」
「うんわかった。
変なこと聞いてごめんね」
「もういいですか?」
「うん、いってらっしゃい」
そそくさと嬉しそうに出ていく息子たちを見ながら保護してくれた二人に手紙を書き、すぐには見つからないところに隠すと少ない荷物を持つて戸締りをしっかりかけて出ていった。
カギは隣の住人に預けていったのは言うまでもない。
私は王都を出ると次の町に向かった。
王都から歩いて半日ぐらいかかる場所にある。
そこから馬車で行けるところまでいけばいいと思っている。
隣の国に行くのもいいかもしれない。
騎士としての力量もあるので冒険者としてもやっていける。
その時は名前を変えなければならないがそれも致し方ない。
隣の町に着くと売れるものは売り、冒険家になるべく装束をそろえた。
剣に関しては長年愛用していたものがあるのでそれを使うことにしている。
それなりの格好をし、髪を切り色も変えるとどこからどう見ても男にしか見えなかった。
ギルドがここにもあるので登録だけして旅に出た。
この町で隣町まで行く馬車は明日出ると言うので1日この町に泊まることになり宿屋に行くとちょうど二人部屋なら空いていると言うので、ちょっと勿体無いがその部屋にした。
「髪を切り色を変えるだけで随分違うもんだな」
夕飯の時間まで時間があったので少し休むことにした。
シャワーでさっぱりしてからベッドに入るとあっという間に眠りについた。
どれくらい寝ただろうか、外が騒がしいのに気付き廊下に顔を出すとそこにはこの宿屋の女将ともう二人はよく知る人物だった。
気付かれないようにそっとドアを閉めた。
きちんと仕度をして何くわぬ顔で通り過ぎたが気付かれた様子はなかった。
荷物はポシェット型マジックバックに入っているので部屋には何も残っていない。
食堂に行くと美味しそうな匂いがしてお腹が鳴った。
「お客さん座って待っててくれる」
「わかった」
言われた通り大人しく座っていると、湯気のでたスープとパンが出てきた。
その後鶏肉の香草焼きが出てきた。
「パンとスープはおかわり自由だから言ってね」
「わかったよ」
湯気のでたスープとパンは美味しくパクパクと平らげおかわりまでしてしまった。
「久しぶりだよ。こんな暖かい食事は」
「どんな生活してたんだい」
「居候だったから、贅沢は言えないよ」
そんな何げない話をしながら食事を済ませると部屋に戻った。
まだそこには女将と二人の冒険者がいた。
関わり合いになりたくないので通り過ぎようとすると女将に声をかけられた。
「すまないんだけど、相部屋にしてもらえないかね」
「いいですよ。僕一人で使うには大きかったので」
一日だけど思い承諾した。
下手に嫌がると疑われてしまう。
なら承諾してこちらが気を付ければいいだけだ。
「悪いな」
「実際広すぎて困っていたので、僕のほうこそ助かります」
この部屋は風呂付なので公衆浴場に行かなくて済むから決めたが、やはりそれなりにお値段がする。
着替え一式を持ち浴室に入る。
さっぱりしてでてきた時は二人はいなかった。
ご飯でも食べに行ったのかと思ったが、眠気に襲われるそのまま寝てしまった。
ならこのまま出ていくのもありなのかもしれないと思うようになった。
もちろん子供たちの意向も聞かなければならないので今すぐではないけど、聞かなくてもわかる。
「あなたたちはどうしますか?
このままここで過ごすか、私と一緒に出ていくか?」
「もちろんここにいます。
ここの生活はとても楽しいですからね」
「あなたより母親らしい人もいますから」
「うんわかった。
変なこと聞いてごめんね」
「もういいですか?」
「うん、いってらっしゃい」
そそくさと嬉しそうに出ていく息子たちを見ながら保護してくれた二人に手紙を書き、すぐには見つからないところに隠すと少ない荷物を持つて戸締りをしっかりかけて出ていった。
カギは隣の住人に預けていったのは言うまでもない。
私は王都を出ると次の町に向かった。
王都から歩いて半日ぐらいかかる場所にある。
そこから馬車で行けるところまでいけばいいと思っている。
隣の国に行くのもいいかもしれない。
騎士としての力量もあるので冒険者としてもやっていける。
その時は名前を変えなければならないがそれも致し方ない。
隣の町に着くと売れるものは売り、冒険家になるべく装束をそろえた。
剣に関しては長年愛用していたものがあるのでそれを使うことにしている。
それなりの格好をし、髪を切り色も変えるとどこからどう見ても男にしか見えなかった。
ギルドがここにもあるので登録だけして旅に出た。
この町で隣町まで行く馬車は明日出ると言うので1日この町に泊まることになり宿屋に行くとちょうど二人部屋なら空いていると言うので、ちょっと勿体無いがその部屋にした。
「髪を切り色を変えるだけで随分違うもんだな」
夕飯の時間まで時間があったので少し休むことにした。
シャワーでさっぱりしてからベッドに入るとあっという間に眠りについた。
どれくらい寝ただろうか、外が騒がしいのに気付き廊下に顔を出すとそこにはこの宿屋の女将ともう二人はよく知る人物だった。
気付かれないようにそっとドアを閉めた。
きちんと仕度をして何くわぬ顔で通り過ぎたが気付かれた様子はなかった。
荷物はポシェット型マジックバックに入っているので部屋には何も残っていない。
食堂に行くと美味しそうな匂いがしてお腹が鳴った。
「お客さん座って待っててくれる」
「わかった」
言われた通り大人しく座っていると、湯気のでたスープとパンが出てきた。
その後鶏肉の香草焼きが出てきた。
「パンとスープはおかわり自由だから言ってね」
「わかったよ」
湯気のでたスープとパンは美味しくパクパクと平らげおかわりまでしてしまった。
「久しぶりだよ。こんな暖かい食事は」
「どんな生活してたんだい」
「居候だったから、贅沢は言えないよ」
そんな何げない話をしながら食事を済ませると部屋に戻った。
まだそこには女将と二人の冒険者がいた。
関わり合いになりたくないので通り過ぎようとすると女将に声をかけられた。
「すまないんだけど、相部屋にしてもらえないかね」
「いいですよ。僕一人で使うには大きかったので」
一日だけど思い承諾した。
下手に嫌がると疑われてしまう。
なら承諾してこちらが気を付ければいいだけだ。
「悪いな」
「実際広すぎて困っていたので、僕のほうこそ助かります」
この部屋は風呂付なので公衆浴場に行かなくて済むから決めたが、やはりそれなりにお値段がする。
着替え一式を持ち浴室に入る。
さっぱりしてでてきた時は二人はいなかった。
ご飯でも食べに行ったのかと思ったが、眠気に襲われるそのまま寝てしまった。
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