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 「ありがとうございます」

 「すまん、まさかあんなことするとは思わなかった」

 「イケオジボイスにやられそうだった」

 「陛下無駄にお声がいいですからね」

 「あれはやばい、あれで耳元で囁かれたら落ちる!!!
 落ちる自信がある!!」

 「アリス大丈夫か?」

 「ごめんなさい、つい興奮してしまって……
 でもあれ以上聞いていたら、やばいこと口走りそうだったので助かりました」

 何故かキースさまとルーカスさまは固まり、身動きしなくなってしまったのですが、まずはあのイケオジボイスになれなければいけない!!!

 これから、幾度となく陛下にお会いするならなおさらだ!!!!

 でも大丈夫かな?

 あのお声は反則です。

 私の大好きなお声ですよ!!!!

 ようやく硬直から解放されたのかキースさまと王子さまはどこかへと行かれてしまった。

 私は陛下の声を思い出し悶絶していたのだ。

 それを見ていた侍女のお姉さまたちは、私と一緒に陛下トークに花を咲かせることになる。

 それはキースさまがお戻りになるまで続いた。

 私は侍女のお姉さまたちと別れ一緒に家路を急いだ。

 その間もキースさまは何かぶつぶつ言っているのだ。

 何を言っているかわからないが、キースさまが戻ってくるまで待てないので、手を引いて帰ることにした。

 帰ると、そこには数人の男性が門の前で待っていたのだ。

 「どちら様ですか?」

 「すみません、ザンザに呼ばれてきたんです」

 「ザンザに?
 なら入ってください」

 私は彼らを連れて中に入ると、中もすごいことになっていた。

 「ザンザ、今帰りました。
 これはどうしたんですか?」

 「ああ、アリス嬢お帰り、声をかけた仲間だよ」

 「皆優秀だが、人と馴染めない連中だ」

 「そうですか、やはり隣の敷地に建物を建てないといけませんね」

 「それまでは共同部屋でも構わないと思うぞ」

 「なら、さっそく職人を呼んで設計を作らせましょうか」

 「それなら大丈夫だ、彼らの中に建築関係もいる」

 そういうと、皆でどういう建物がいいかを話し合っていた。

 それなりの規模になるだろうことは想像できたが、こればかりは使う人たちの意見を取り入れなければならないだろう。

 

 

 
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