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17 ザンザ
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アリス嬢は、また夢の中に出てきた物を作ってくれと言ってきたのだ。
防犯カメラなるものを作ってくれと言われ、どういうものか聞いてみると成程と頷ける品物だった。
すでにブレスレットの販売でかなり利益が出ていたので、それを元手に開発に取り掛かったのだが、なかなか思うように出来上がらないのだ。
彼女の言っているものは確かにわかるのだが、どの魔石を使えばできるかが分からなかったので、一通りの魔石を使い実験した。
すると無所属の魔石に画像が録画できたのだ。
それをもとに改良したのが今のイヤリングとネクタイピンだ。
要領が分かれば後は簡単だった。
出来上がったものをアリス嬢につけてやると、嬉しそうにお礼を言われた。
初めてあった時は本当に暗くどんよりしていたが、悪夢を見なくなるとよく眠れるのか隈がなくなり吹き出物もなくなりみるみるうちに可愛らしい少女になったのだ。
かわいくなればなったで妹にやっかみでいじめられるんじゃないかと侍女が来て印象を変える眼鏡を依頼され作ったのだが、面白半分でそれも商品化してみるとバカ売れしたのだ。
どうもアリス嬢の落とした眼鏡を拾った青年により口コミで売れ出したのだ。
「これは予想外ですね」
「これもリーフのせいよね」
「どんだけ節操がないんですか?」
「返す言葉も出ないわね」
俺とアリス嬢はため息をついた。
どうも妹ちゃんはやらかした挙句に自爆しているようなので、見守るだけでいいと思うが、念には念を入れて取り組まなければならない、俺は学園に行き理事長に話を通すと、それはそれは良い笑顔で許可してくれた。
どうやら理事長もこの破天荒なお嬢さんに、かなり手こずっているようなので一石二鳥で頷いたと思われるが、俺的にはラッキーだ。
そんな時に俺に声をかけてきた女がいた。
俺自身もアリス嬢たちと同じものを付けているので状態異常などかからない。
それなのに俺にすり寄ってくる気持ち悪い女がアリス嬢の言っていた妹ちゃんだとわかった。
本当に気持ち悪かった。
虫唾が走るとはこのことだとさえ思ったものだ。
俺はその女を振り切り理事長室に逃げ込んだのだ。
「ずいぶんとお疲れのようだね」
「ああ、気持ち悪い女に会って追い掛け回されていた」
理事長の目が光った。
「そうですか、また男漁りをしていたのですね?」
理事長は笑いだすと、妹ちゃんを捉え自宅謹慎を命じたのだ。
本当に自爆するとは思わなかったが、これで当分はアリス嬢は安泰だ。
無期限の自宅謹慎とは、読んで字のごとくではない。
遠回しに自主退学しろと言っているのと同じことなのだが、わかっていないだろうなと思うとまだまだ先は遠いのかもしれない。
防犯カメラなるものを作ってくれと言われ、どういうものか聞いてみると成程と頷ける品物だった。
すでにブレスレットの販売でかなり利益が出ていたので、それを元手に開発に取り掛かったのだが、なかなか思うように出来上がらないのだ。
彼女の言っているものは確かにわかるのだが、どの魔石を使えばできるかが分からなかったので、一通りの魔石を使い実験した。
すると無所属の魔石に画像が録画できたのだ。
それをもとに改良したのが今のイヤリングとネクタイピンだ。
要領が分かれば後は簡単だった。
出来上がったものをアリス嬢につけてやると、嬉しそうにお礼を言われた。
初めてあった時は本当に暗くどんよりしていたが、悪夢を見なくなるとよく眠れるのか隈がなくなり吹き出物もなくなりみるみるうちに可愛らしい少女になったのだ。
かわいくなればなったで妹にやっかみでいじめられるんじゃないかと侍女が来て印象を変える眼鏡を依頼され作ったのだが、面白半分でそれも商品化してみるとバカ売れしたのだ。
どうもアリス嬢の落とした眼鏡を拾った青年により口コミで売れ出したのだ。
「これは予想外ですね」
「これもリーフのせいよね」
「どんだけ節操がないんですか?」
「返す言葉も出ないわね」
俺とアリス嬢はため息をついた。
どうも妹ちゃんはやらかした挙句に自爆しているようなので、見守るだけでいいと思うが、念には念を入れて取り組まなければならない、俺は学園に行き理事長に話を通すと、それはそれは良い笑顔で許可してくれた。
どうやら理事長もこの破天荒なお嬢さんに、かなり手こずっているようなので一石二鳥で頷いたと思われるが、俺的にはラッキーだ。
そんな時に俺に声をかけてきた女がいた。
俺自身もアリス嬢たちと同じものを付けているので状態異常などかからない。
それなのに俺にすり寄ってくる気持ち悪い女がアリス嬢の言っていた妹ちゃんだとわかった。
本当に気持ち悪かった。
虫唾が走るとはこのことだとさえ思ったものだ。
俺はその女を振り切り理事長室に逃げ込んだのだ。
「ずいぶんとお疲れのようだね」
「ああ、気持ち悪い女に会って追い掛け回されていた」
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「そうですか、また男漁りをしていたのですね?」
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本当に自爆するとは思わなかったが、これで当分はアリス嬢は安泰だ。
無期限の自宅謹慎とは、読んで字のごとくではない。
遠回しに自主退学しろと言っているのと同じことなのだが、わかっていないだろうなと思うとまだまだ先は遠いのかもしれない。
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