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 あれから暇さえあれば騎士団に顔を出し練習に参加させてもらっていた。

 身長も伸びたが前ほどヒョロヒョロではなくなった。

 それでもまだ痩せているが、今のほうがまだましかもしれない。

 その練習にはセディも参加している。

 騎士団の中にいれば誰にも襲われる心配はないからな。

 姉さまは今日も王妃教育に余念がないが、どういうわけか俺も一緒に授業を受けている。

 解せぬ。

 確かに学校で習うよりはかなり、いや数倍わかりやすく面白い。

 それでも男の俺が必要ないことまで習わされているのはなぜだろう。

 疑問しか浮かばないが、勉強は好きなので黙って受けている。

 その中で一番好きなのはダンスの授業だ。

 体を動かすのは好きなので難しいリズムも難なくこなせた。

 姉さまと踊るのも楽しかった。

 教育を受けること数か月のこと、隣国の王太子一行が視察のためにおと連れることになった。

 今回の教育がこんなところで役立つとは……でも俺出る必要なくね?

 と思うが、聞いても「いえ必要なので頑張ってください」としか言われない。

 どうにか形にはなったが通用するかは本番を待つばかりだ。








 ようやく隣国の王太子一行が到着するのだが、なぜ俺は姉さまの隣に並ばなければならない。

 この位置は婚約者を現す場所のはずなのになぜだ。

 「駄目よ。ここにいなさい」

 「どうしてですか?」

 「隣国の王子は愛しい人を迎えに来たと言っていた」

 「それと僕と関係ないと思いますよ」

 「彼が迎えに来たのはローズという少女よ」

 「……うん僕雲隠れしていい?」

 「駄目に決まっているでしょ」

 確かに数年前隣国の王太子が来たことがあったし、知らずに話した。

 でもそれだけだ、好かれる要素ないはずなんだが……とにかく大人しくしておこう。

 幸い今回はドレスではないのでセーフだと思う。

 思いたい。

 

 
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