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 あの衝撃的な一日から二日で、俺に家庭教師が付いた。

 もちろん家庭教師と言う名の魔導師さまで今回の魅了の魔力を封印しにきた。

 魅了の力があることがわかったら速やかに陛下に連絡し的確な処理をしなければならないのだがどういうわけか今まで発覚しなかった。

 もちろん俺に魅了の力はない。

 あれば家族の中で孤立していない。

 あの後少しずつ思い出していた。

 弟が生まれた時はそうでもなかったのだが弟が年を重ねるごとに、俺にいじめられたと言うようになった。

 初めは信じなかった家族が、いつの間にか信じるようになり俺だけをのけ者にするようになったそうだ。

 俺を坊ちゃまと言った俺付きの執事から聞いた話なんだが、いまだに実感がわかない。

 それでも兄と姉はあれから少しずつ会いに来てくれようになった。

 今の俺は五歳と言っていたので三つ違いと言うので兄と姉は八歳になる。

 とってもきれいな双子で、天使かと思ったぐらいだ。

 母親もきれいで天使ちゃんだが父親もまたイケメンだった。

 俺もあの後鏡を見たが……うん前世よりはいいのだがあの人たちを見るとかなり見劣りするんだ。

 弟と言うのもこれまた双子に似た天使ちゃんで俺だけ味噌っかすだった。

 なんとなく記憶をなくす前の俺はそれが劣等感で一緒に居たくなかったのかもしれないと思うようになった。

 今回きた魔導師も俺と家族を見て俺を鼻で笑ったからな、家族がどれだけハイスペックな人たちか散々聞かされたから俺だけ貰われっ子なのかもしれないと思うようにした。

 そうすれば少しは傷つかずにすむしな。

 「さて、仮のとはいえ一応家庭教師としてきている勉強しないと示しがつきませんので、このプリントをやってください。あなたにはかなり難しい問題ですが、御兄弟はすでにクリアーしていますのでそれぐらいは難なくこなしてもらいたいですね」

 嫌味をのせいってくる家庭教師に腹を立てたが睨むだけにとどまりプリントをやることにした。

 「……なんですかこれは……」

   「ああ、やっぱり難しいですよね」

   「……」

   こんな小学一年生レベルを難しいとかありえない、確かに今の身体は五歳だ。もしかして異世界あるあるでそういった算数系が苦手な世界なのかもしれない。

 あっという間にやり遂げると、魔導師は驚きだした。

 「これは魔道学校六年が習うものだ。それをいともあっさり説いてしまうなどありえない」

 ちなみにこの世界は十歳になると魔力のあるものは魔道学校に入学の義務がある。

 十歳から十二歳まで身分関係なく過ごすのがこの学校だ。

 もちろ執事が教えてくれた。

 マジで異世界あるあるだった。

 もしかして俺王宮行きになったりしないよね。

 やばいフラグたったらどうしよう。


 

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