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 目を覚ますとそこは知らない所だった。

 知らない男女ときれいな子供が二人いた。

 「あなたたちはどなたですか?」

 「えっ、ローズは何を言っているんだ。またふざけた遊びか」

 「男なのにローズ?」

 この人たちは馬鹿か、男なのに女の名前なんて付けて笑われるのは子供だぞ。

 それにしてもなんでこんなことになっているんだ。

   よく見ると身体はちっこくなってるし、こいつらいったい誰なんだ?

 俺の名前は『蛟 世羅』目を覚ましたら知らないところだった。

 最近そんな本が多く出回っていたが、かくゆう俺もこぞって買って読んでいた。

 確かに好きで読んでいたが、自分の身に起きるのはかなり困る。

 それにこいつらの態度をみれば俺が家族として受け入れられていないことはわかる。

 「坊ちゃまの御父上様と御母上様ですよ。こちらの方々は双子の兄上様と姉上様です」

 「そうなんでですか、すみませんが全く覚えていません」

 「そんな……」

 母親だという人が触ろうとするのを俺は無意識に拒んだ。すると俺の周りに薄いベールのような幕が広がり母親の手をはじいた。

 「結界……それも高位魔法の……」

 「触らないでください。あなたたちからは紫色の異常なオーラが漂っています。それには触れられたくありません」

 「坊ちゃまそれは本当でございますか?」

 「うん、なんでこんなオーラをまとっているの?」

 「坊ちゃまはこれを浄化できますか?」

 「わかんない、でもなんかさっきより色が薄くなっているんだけど」

 「そうですか、いつのころからかわかりませんが坊ちゃまとセディ様以外が異常になりつつあったんです。そうですか、魅了の力ですか、坊ちゃまこのまま出さないようにお願いします」

 そう言うとどこかに出て行ったが、すぐに戻ってきた。

 手にはきれいなブレスレットをもっていた。

 「ありがとうございます。これで少しは影響を受けないと思いますがすぐに手を打たないと危ういですね」

 「そうだな、これはセディの力か、無意識かそれとも好意か」

 「好意かと思われます。我々は坊ちゃまのそばを離れませんので、恩人の坊ちゃまを危険な目に合わせるわけにはいきませんので」

 「お前たちがいながらセディの言っていたような嫌がらせはありえなかったな」

 「すみません、あの子の力に気付かずまさかローズを傷つけていたなど」

 「兎に角今まで通り過ごそう。ブレスレットには目くらましがついてますので気付かれることはないかと思いますが、王城の魔導師を派遣してもらい封印してもらわないとどんどん被害が拡大します」

 「わかった、ローズすまなかった。魅了の力とわ言えお前を傷つけてしまった」

 「記憶にないのでいいです。それよりこれから一から大切な思い出を作っていきましょ?」

 「そうだな」

 そういうと颯爽と出て行った。

 それから間もなく家庭教師と言う名の魔導師がきた。

 
 
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