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ハミルトン家には4人の子供がいる。
それはそれは仲の良い家族だった。
子供たちの楽しそうな声が響き笑い声が絶えなかった。
三男が生まれた時もそれはそれは喜んでいたぐらいだ。
いつ頃か、次男が三男に意地悪をするようになり両親からも兄弟からも怒られる日々が続いた。
何度次男はやっていないと訴えても取り合うことはなかった。
その為次男は今まで使っていた部屋から、日の当たらない部屋に移動することになった。
窓にも格子が付き、部屋の前には騎士が二人付き、部屋を出ることは出来なくなった。
一日一回出れるが誰もいない場所に十分間だけ出るだけでそれ以外は部屋で本を読んでいるだけだ。
食事も一日二回執事が持ってきてくれるのと、洗い物を取りに来るぐらいで日がない一日外を眺めるか本を読むかで過ごした。
その日は5歳の誕生日で盛大に誕生パーティーをするためその準備で大忙しだった。
貴族の中で5歳は大変重要で誕生パーティーに来てくれた来客に挨拶をしなければならないのだ。
いくら家族に疎まれていても体裁があるためそれなりの規模でパーティーをしなければならない。
嫌われているのは態度でわかったので傷つきたくないあまり近づかなくなった。
他の兄弟とは違いお目付け役がいつもついて回った。
やっていないことをやったと言われ、いわれのないことを言われていた。
いつもはお目付け役がいるのでベランダに出る事さえ許されなかったが、今日は忙しく誰もいなかった。
猫の尋常ではない鳴き声につられベランダに出てしまい、木に登ったまではいいのだが降りれなくなってしまった猫を助けるために、台を持ち出し手すりに乗り手を伸ばし猫を助けたまでは良かったが、手すりにひびが入っていたのか手すりが壊れ下の池へダイブしてしまった。
水の音に気付いた家人たちは慌てて外にでると水の上でぷかぷかと浮かんでいる子供に慌てて助け出したが意識を失っているだけで命に別状はなかったのだが、どういうわけか意識が戻らなかった。
「手すりに細工がされていた」
「自分でこさえたんですかね」
「それならまぬけだな」
「今日の誕生パーティーは普通のパーティーですわね」
「そうなるな、変更なく執り行うことをしらせてくる」
そういうとハミルトン家当主は出て行った。
「そのひびだって、侍女たちに嫌がらせがしたくって施したんでしょ」
「奥様申し訳ございません。目を離したばかりに」
「今日は皆バタバタしていたのですものあなただけのせいじゃないわ、この子が愚かなだけです」
「早く目を覚ますといいですね」
「そうね。でもこれでこの子がどれだけ愚かな子かよくわかってよかった」
「内々に誕生会はしないのですか?」
「する必要はありません。他の子たちもあの子の顔をみなくていいから喜ぶでしょ」
その日の夜、熱を出した。
それから3日三晩熱は下がらず4日目の朝、目を覚ましたのだがそれまでの記憶がすべてなくなっていた。
それはそれは仲の良い家族だった。
子供たちの楽しそうな声が響き笑い声が絶えなかった。
三男が生まれた時もそれはそれは喜んでいたぐらいだ。
いつ頃か、次男が三男に意地悪をするようになり両親からも兄弟からも怒られる日々が続いた。
何度次男はやっていないと訴えても取り合うことはなかった。
その為次男は今まで使っていた部屋から、日の当たらない部屋に移動することになった。
窓にも格子が付き、部屋の前には騎士が二人付き、部屋を出ることは出来なくなった。
一日一回出れるが誰もいない場所に十分間だけ出るだけでそれ以外は部屋で本を読んでいるだけだ。
食事も一日二回執事が持ってきてくれるのと、洗い物を取りに来るぐらいで日がない一日外を眺めるか本を読むかで過ごした。
その日は5歳の誕生日で盛大に誕生パーティーをするためその準備で大忙しだった。
貴族の中で5歳は大変重要で誕生パーティーに来てくれた来客に挨拶をしなければならないのだ。
いくら家族に疎まれていても体裁があるためそれなりの規模でパーティーをしなければならない。
嫌われているのは態度でわかったので傷つきたくないあまり近づかなくなった。
他の兄弟とは違いお目付け役がいつもついて回った。
やっていないことをやったと言われ、いわれのないことを言われていた。
いつもはお目付け役がいるのでベランダに出る事さえ許されなかったが、今日は忙しく誰もいなかった。
猫の尋常ではない鳴き声につられベランダに出てしまい、木に登ったまではいいのだが降りれなくなってしまった猫を助けるために、台を持ち出し手すりに乗り手を伸ばし猫を助けたまでは良かったが、手すりにひびが入っていたのか手すりが壊れ下の池へダイブしてしまった。
水の音に気付いた家人たちは慌てて外にでると水の上でぷかぷかと浮かんでいる子供に慌てて助け出したが意識を失っているだけで命に別状はなかったのだが、どういうわけか意識が戻らなかった。
「手すりに細工がされていた」
「自分でこさえたんですかね」
「それならまぬけだな」
「今日の誕生パーティーは普通のパーティーですわね」
「そうなるな、変更なく執り行うことをしらせてくる」
そういうとハミルトン家当主は出て行った。
「そのひびだって、侍女たちに嫌がらせがしたくって施したんでしょ」
「奥様申し訳ございません。目を離したばかりに」
「今日は皆バタバタしていたのですものあなただけのせいじゃないわ、この子が愚かなだけです」
「早く目を覚ますといいですね」
「そうね。でもこれでこの子がどれだけ愚かな子かよくわかってよかった」
「内々に誕生会はしないのですか?」
「する必要はありません。他の子たちもあの子の顔をみなくていいから喜ぶでしょ」
その日の夜、熱を出した。
それから3日三晩熱は下がらず4日目の朝、目を覚ましたのだがそれまでの記憶がすべてなくなっていた。
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