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私は帰宅後すぐにお父様へ先程の出来事を話すと、大きなため息の後、婚約破棄の準備は出来てると言われました。
「以前から準備されていたのですか?」
驚いてそのまま質問すると、お父様は苦笑した。
「確かに皇族との繋がりは欲しいが、あれではお前が幸せにはなれないからな」
父親の愛を感じて嬉しくなる。お父様も照れ臭いのか、視線を書類へと向けた。
「これに理由を書いて皇帝からサインを貰うだけだ。明日、全て終らせるから安心しなさい」
「お父様、ありがとうございます」
その後お父様の勧めもあり、長年の教育の疲れと不貞の目撃による心労を理由に学園を一週間ほどお休みする事になりました。アイザック殿下の仕事を変わりにする必要も無いと、お父様が言うので護衛騎士の方に学園の生徒会の仕事を届けて欲しいとお願いすると承諾して貰えた。
「本来のお仕事ではないのに、お手を煩わせてすみません」
「いえ、謝らないで下さい。この仕事も本来は、皇太子のやるべき事ですから」
そう、アイザック殿下は仕事を人に押し付け自分は遊び呆けている。皇妃の息子だから皇太子になっただけですし、側室の皇子、ジークベルト殿下の方が資質が高いと評価されております。お二人は同じ歳なので、産まれが半年早ければと言われておりますしね。学園の仕事も出来ぬ様では、国の仕事など到底無理な話ですもの。私の休みが明ける頃には、皇太子が変わっている可能性が高いと思います。
そんな事を考えながら、改めて部屋にいる護衛騎士と侍女の方々に視線を向けます。もうこの方々とも、明日までの付き合いかも知れませんものね。
「皆様には大変お世話になりました。残り僅かだと思いますが、最後まで宜しくお願い致します」
「そんな!私達に頭を下げてはいけません」
「いえ、こんなに良くして下さった皆様の期待に答えられませんでしたから」
皆様が残念そうな、お顔をしてくださいます。それがとても嬉しくて自然と笑顔になりました。良かった。私、まだ笑う事が出来る。
「さて、皆様は各々のお仕事にお戻り下さい。私は友人達にお手紙書きます。準備をお願いします」
「はい」
気持ちの良い返事の後、皆様は各々の仕事に向かいます。護衛騎士の方々は一度、城に戻り今日の出来事の報告と今後の対応を決めて下さるそうです。破棄の手続きが完了しても、周知が済むまでは危険なので護衛は継続する予定なのだとか。少し大袈裟な気もしますが、何せ私がいなければ操りやすいと思われておりますから。
「縁を切ったのに、迷惑をかけないで欲しいですわ」
あれから友人達に婚約破棄をする旨を、お仕事の関係者には今後はアイザック殿下に頼むように手紙を書きました。まさか、次の日の昼まで掛かるとは思いませんでしたわ。
「流石に手が痛いですわね。少し休みます」
インクが乾いた事を確認してから、家の者に手紙を出すように頼むと椅子に凭れてため息を吐いた。改めて一人で考えると、アイザック殿下との婚約は気が張っていたのだと思います。
勉強や仕事を手伝う事もなく、夜会のエスコートも最初だけ。ドレスやアクセサリーなど届く事もなく、時には連絡無くキャンセル。招待して下さったお相手の方々への謝罪やお詫びの品まで全て人任せ。改めて考えると、なんだか腹がたちますわね。
「これがお相手の元に届けば全て終るのかしら?」
どうしてしから……こうモヤモヤしたのもがあります。何だかスッキリ致しませんわね。
「以前から準備されていたのですか?」
驚いてそのまま質問すると、お父様は苦笑した。
「確かに皇族との繋がりは欲しいが、あれではお前が幸せにはなれないからな」
父親の愛を感じて嬉しくなる。お父様も照れ臭いのか、視線を書類へと向けた。
「これに理由を書いて皇帝からサインを貰うだけだ。明日、全て終らせるから安心しなさい」
「お父様、ありがとうございます」
その後お父様の勧めもあり、長年の教育の疲れと不貞の目撃による心労を理由に学園を一週間ほどお休みする事になりました。アイザック殿下の仕事を変わりにする必要も無いと、お父様が言うので護衛騎士の方に学園の生徒会の仕事を届けて欲しいとお願いすると承諾して貰えた。
「本来のお仕事ではないのに、お手を煩わせてすみません」
「いえ、謝らないで下さい。この仕事も本来は、皇太子のやるべき事ですから」
そう、アイザック殿下は仕事を人に押し付け自分は遊び呆けている。皇妃の息子だから皇太子になっただけですし、側室の皇子、ジークベルト殿下の方が資質が高いと評価されております。お二人は同じ歳なので、産まれが半年早ければと言われておりますしね。学園の仕事も出来ぬ様では、国の仕事など到底無理な話ですもの。私の休みが明ける頃には、皇太子が変わっている可能性が高いと思います。
そんな事を考えながら、改めて部屋にいる護衛騎士と侍女の方々に視線を向けます。もうこの方々とも、明日までの付き合いかも知れませんものね。
「皆様には大変お世話になりました。残り僅かだと思いますが、最後まで宜しくお願い致します」
「そんな!私達に頭を下げてはいけません」
「いえ、こんなに良くして下さった皆様の期待に答えられませんでしたから」
皆様が残念そうな、お顔をしてくださいます。それがとても嬉しくて自然と笑顔になりました。良かった。私、まだ笑う事が出来る。
「さて、皆様は各々のお仕事にお戻り下さい。私は友人達にお手紙書きます。準備をお願いします」
「はい」
気持ちの良い返事の後、皆様は各々の仕事に向かいます。護衛騎士の方々は一度、城に戻り今日の出来事の報告と今後の対応を決めて下さるそうです。破棄の手続きが完了しても、周知が済むまでは危険なので護衛は継続する予定なのだとか。少し大袈裟な気もしますが、何せ私がいなければ操りやすいと思われておりますから。
「縁を切ったのに、迷惑をかけないで欲しいですわ」
あれから友人達に婚約破棄をする旨を、お仕事の関係者には今後はアイザック殿下に頼むように手紙を書きました。まさか、次の日の昼まで掛かるとは思いませんでしたわ。
「流石に手が痛いですわね。少し休みます」
インクが乾いた事を確認してから、家の者に手紙を出すように頼むと椅子に凭れてため息を吐いた。改めて一人で考えると、アイザック殿下との婚約は気が張っていたのだと思います。
勉強や仕事を手伝う事もなく、夜会のエスコートも最初だけ。ドレスやアクセサリーなど届く事もなく、時には連絡無くキャンセル。招待して下さったお相手の方々への謝罪やお詫びの品まで全て人任せ。改めて考えると、なんだか腹がたちますわね。
「これがお相手の元に届けば全て終るのかしら?」
どうしてしから……こうモヤモヤしたのもがあります。何だかスッキリ致しませんわね。
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