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学園復帰編
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大勢の学校関係者と一緒に門の近くまで避難すると、多くの馬車でグチャグチャになっていた。城から派遣された騎士団の人達に誘導されて次々に馬車に押し込まれる人々。魔法師団の人も到着して奥の校舎に向かって行く。異様な空気に怯えるミューを腕に抱き締めながらソフィア様を探した。
「ルナ!」
私を呼ぶ声が聞こえて辺りを見回すと、人混みの中からソフィア様の白い髪が見えた。
「ソフィア様!ここです」
ソフィア様も私に気付いて人混みを掻き分けて進んでいく。ミューが押し潰されないように気をつけながら、やっとソフィア様と合流した時、奥の方から爆発音が響き木々を揺らした。
「キャー!」
「な、何だ今の爆発は!」
「状況はどうなっている!フリューゲル隊長からの連絡はまだか!」
爆発の恐怖で泣き叫ぶ人やパニックになっている人。我先にと馬車に乗り込もうとする人達で更に混乱が酷くなって騎士団の誘導を無視する人まで現れた。
「ルナ、ミュー。耳をしっかり塞いでおきな」
「は、はい」
ソフィア様の無表情が逆に怒りの大きさを語っている気がする。ミューもソフィア様の異変を感じて震えながら私に張り付く様にくっついてきた。大きく息を吸ったソフィア様の喉に魔力が集まるのを見て声で何をするのか見つめていた。
『煩い!!落ち着け!』
ソフィア様の魔力が籠った一言で喧騒は一瞬にして無音に変わる。その場にいた全員が動きを止めている中、人混みを掻き分けケビン団長が一段高い場所に立った。
「聞け。今、騎士が先行で状況を確認中である。此よりこの場の指揮権は魔法師団団長の私となる。学園関係者は直ちに退避せよ」
ケビン団長の指示に従い乱れていた馬車を待つ人の列は元に戻り、泣いている人も叫んでいた人も今は静かに誘導に従い順調に退避が進んでいった。
「フリューゲル団長、一年に安否不明者がいます」
「誰だ」
「生徒エリザベス・スミスと講師モーリス・クワトロ。以上、二名です」
ケビン団長に報告が集まり始め退避の為の指示を出していく。騎士団の馬車も到着し鎧を身に付けた騎士様達が降りると、空になったその馬車に入れ替わる様に人々が乗り込み外に出て行く。騎士様達の中で一際、大きな体をした人がケビン団長の元に行き何か話していると、校舎の奥から光る玉の様な物がケビン団長の前に飛んできた。
あれは……本で見た伝達魔法。送る側も受け取る側も相手が誰かを理解していないと内容が分からない秘密伝達だった気がする。何の伝達が来たのかその場に居た全員が注目する中、ケビン団長は光る玉を掴むと小さな声で何か言った途端にその玉は消えた。
「先行の騎士からだ。講師が先程の爆発で負傷。エリザベス・スミスは闇に呑まれた」
「対象のエリザベス・スミスは火属性と聞いた。こちらは火耐性重視で編成した」
「承知した。こちらは水属性を……」
ケビン団長達がエリザベスをどうやって止めるか話し合っているけど、私は今すぐにでもリュカ様の元に行きたい。講師の怪我も気になるし、講師が怪我をしたならリュカ様も無傷なはずない。でも勝手に動く訳にもいかず行動出来ないモヤモヤと、何が起きているのか分からない恐怖心が私の中で拮抗していた。
リュカ様、大丈夫かな。無茶な事してないかな。話しでは聞いた事はあるけど、闇に呑まれた人に直接会った事はないし、エリザベスはどうなったんだろう。
「ルナ、私と一緒に向かうかい?」
自分の思考に気を取られていた私は、一瞬、何を言われたのか理解出来ず返事が出来なかった。向かう?私が?私……何か出来る事ある?何も知らないのに?
「怖いかい?」
ソフィア様の真剣な声で正気に戻った私は、首を横に振って改めて真っ直ぐ視線を合わせた。
「怖いけど行きます。何もしないで後悔するのは嫌です」
ニヤリと笑ったソフィア様が私の横に来る。本当は怖い。でも、リュカ様もエリザベスも気になる。私でも出来る事があるなら一緒に行きたい!
「先ずは杖を出して校舎に結界を貼りな」
「はい!ミュー手伝って」
「任せて~」
ソフィア様の指示に従い、ミューのサポートを受けて建物だけに結界を貼る。学園内の建物だけに高さも広さも必要だったから一気に1/3程魔力が減った。
「ケビン!私らは先に行くよ」
「師匠!ご令嬢まで!?」
「私の後からついてきな。何時でも対応出来る様に杖は出したままで行くよ」
「はい!」
慌てるケビン団長に軽く手を振ると走り出したソフィア様の後ろを私も追い掛ける。ケビン団長と一緒に居た騎士様が私を見ていた気がしたけど、ソフィア様って足が速くて見失いそうで前だけを見て追い掛けた。
目的地は分かるわ。
リュカ様が向かった座学教室棟。
「え?ルナちゃん!?」
誰かが私を呼ぶ声が聞こえたけど振り向く余裕なんてない。でも、騎士様や魔法使い様達に誰か知り合いなんて居たかしら?
「ルナ!」
私を呼ぶ声が聞こえて辺りを見回すと、人混みの中からソフィア様の白い髪が見えた。
「ソフィア様!ここです」
ソフィア様も私に気付いて人混みを掻き分けて進んでいく。ミューが押し潰されないように気をつけながら、やっとソフィア様と合流した時、奥の方から爆発音が響き木々を揺らした。
「キャー!」
「な、何だ今の爆発は!」
「状況はどうなっている!フリューゲル隊長からの連絡はまだか!」
爆発の恐怖で泣き叫ぶ人やパニックになっている人。我先にと馬車に乗り込もうとする人達で更に混乱が酷くなって騎士団の誘導を無視する人まで現れた。
「ルナ、ミュー。耳をしっかり塞いでおきな」
「は、はい」
ソフィア様の無表情が逆に怒りの大きさを語っている気がする。ミューもソフィア様の異変を感じて震えながら私に張り付く様にくっついてきた。大きく息を吸ったソフィア様の喉に魔力が集まるのを見て声で何をするのか見つめていた。
『煩い!!落ち着け!』
ソフィア様の魔力が籠った一言で喧騒は一瞬にして無音に変わる。その場にいた全員が動きを止めている中、人混みを掻き分けケビン団長が一段高い場所に立った。
「聞け。今、騎士が先行で状況を確認中である。此よりこの場の指揮権は魔法師団団長の私となる。学園関係者は直ちに退避せよ」
ケビン団長の指示に従い乱れていた馬車を待つ人の列は元に戻り、泣いている人も叫んでいた人も今は静かに誘導に従い順調に退避が進んでいった。
「フリューゲル団長、一年に安否不明者がいます」
「誰だ」
「生徒エリザベス・スミスと講師モーリス・クワトロ。以上、二名です」
ケビン団長に報告が集まり始め退避の為の指示を出していく。騎士団の馬車も到着し鎧を身に付けた騎士様達が降りると、空になったその馬車に入れ替わる様に人々が乗り込み外に出て行く。騎士様達の中で一際、大きな体をした人がケビン団長の元に行き何か話していると、校舎の奥から光る玉の様な物がケビン団長の前に飛んできた。
あれは……本で見た伝達魔法。送る側も受け取る側も相手が誰かを理解していないと内容が分からない秘密伝達だった気がする。何の伝達が来たのかその場に居た全員が注目する中、ケビン団長は光る玉を掴むと小さな声で何か言った途端にその玉は消えた。
「先行の騎士からだ。講師が先程の爆発で負傷。エリザベス・スミスは闇に呑まれた」
「対象のエリザベス・スミスは火属性と聞いた。こちらは火耐性重視で編成した」
「承知した。こちらは水属性を……」
ケビン団長達がエリザベスをどうやって止めるか話し合っているけど、私は今すぐにでもリュカ様の元に行きたい。講師の怪我も気になるし、講師が怪我をしたならリュカ様も無傷なはずない。でも勝手に動く訳にもいかず行動出来ないモヤモヤと、何が起きているのか分からない恐怖心が私の中で拮抗していた。
リュカ様、大丈夫かな。無茶な事してないかな。話しでは聞いた事はあるけど、闇に呑まれた人に直接会った事はないし、エリザベスはどうなったんだろう。
「ルナ、私と一緒に向かうかい?」
自分の思考に気を取られていた私は、一瞬、何を言われたのか理解出来ず返事が出来なかった。向かう?私が?私……何か出来る事ある?何も知らないのに?
「怖いかい?」
ソフィア様の真剣な声で正気に戻った私は、首を横に振って改めて真っ直ぐ視線を合わせた。
「怖いけど行きます。何もしないで後悔するのは嫌です」
ニヤリと笑ったソフィア様が私の横に来る。本当は怖い。でも、リュカ様もエリザベスも気になる。私でも出来る事があるなら一緒に行きたい!
「先ずは杖を出して校舎に結界を貼りな」
「はい!ミュー手伝って」
「任せて~」
ソフィア様の指示に従い、ミューのサポートを受けて建物だけに結界を貼る。学園内の建物だけに高さも広さも必要だったから一気に1/3程魔力が減った。
「ケビン!私らは先に行くよ」
「師匠!ご令嬢まで!?」
「私の後からついてきな。何時でも対応出来る様に杖は出したままで行くよ」
「はい!」
慌てるケビン団長に軽く手を振ると走り出したソフィア様の後ろを私も追い掛ける。ケビン団長と一緒に居た騎士様が私を見ていた気がしたけど、ソフィア様って足が速くて見失いそうで前だけを見て追い掛けた。
目的地は分かるわ。
リュカ様が向かった座学教室棟。
「え?ルナちゃん!?」
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