5 / 19
気付いたら家でした
しおりを挟む
「ロゼッタ、起きて。家に着いたよ」
優しく温かな声が私を呼んでる。だれ?でも、あたたかくて、安心するの……もう少し……ねたいよ
「早く起きないとキスするよ?」
ぼんやりしていた頭に届いた言葉の意味を理解して飛び起きると、私は大公様の膝の上で横抱きにされていた。何で膝の上!?寝惚けて、私から乗ったの!?何これ!!
「なっえっ、う!ご、ご、ごめんなさい!」
言葉にならない悲鳴を押し込めて謝ると、慌てて降りようとしてふらつく。どうやら私は自分が思っていた以上に、疲れてしまっていたようだ。倒そうになった私を大公様が支えて、ネロが後ろに回る。どうやら相棒の彼も心配している。自分が心配かけた事に改めて気付いて、気分は落ち込んで俯いてしまう。
「さぁ、おいで」
そう言われて顔を上げると、先に降りた大公様が手を差し出し待っている。エスコートなんて家族以外にされたことなかったから、少し恥ずかしい気持ちを隠してお礼を言って手を乗せた。
「ロゼッタ!どうしたの!」
馬車から降りた私に気付いた義姉のリンデ姉様が、驚いた表情で駆け寄って来る。義姉の声で他の家族や従業員も気付いて、集まって来てしまった。いきなり大公様と同じ馬車で帰って着たら、誰しも驚くわよね。と、どこか他人事の様に考えていた。
「お久しぶりです。シェリーが彼女に逢いたがって落ち着かないので、学園まで押し掛けてしまったよ」
笑いながらそう言った大公様と、私の後ろに隠れるシェリー。リンデ姉様は交互に大公様とシェリーを見た後、安堵のため息を吐いた。
「もう、ロゼッタに何かあったかと思いましたよ」
「驚かせてすまないね。突然で申し訳ないが伯爵に会えるかな?」
「お義父様なら執務室に居ますわ。誰か呼んで来てくれる?」
リンデ姉様の言葉に近くに居た使用人が、返事をして家に入る。私は着替えの為に自室に戻り、大公様はリンデ姉様ご応接室へ案内する。別れ際、大公様に私にも話があるから着替えたら来て欲しいと言われて、不安になりながらも頷いた。
「待ってるよ」
綿毛の様にふわりと笑いながら、私の手を取り手の甲に口付けを落としてから家に入って行った。余りにも自然にするから、最初は何が起きたか分からなかった。頭が理解すると、私の頬が一気に熱くなる。
「ロゼッタ、大公様と何があったの?」
様子を見ていたもう一人の義姉のリサ姉様が驚いた顔で聞いてきたけど、混乱中の私は首を横に振った。
「……着替えてくる」
何があったのか聞きたいのは私の方。話って何かしら?疲れと混乱で、余計にフラフラになりながらも、私は自室に向かって歩き出した。
優しく温かな声が私を呼んでる。だれ?でも、あたたかくて、安心するの……もう少し……ねたいよ
「早く起きないとキスするよ?」
ぼんやりしていた頭に届いた言葉の意味を理解して飛び起きると、私は大公様の膝の上で横抱きにされていた。何で膝の上!?寝惚けて、私から乗ったの!?何これ!!
「なっえっ、う!ご、ご、ごめんなさい!」
言葉にならない悲鳴を押し込めて謝ると、慌てて降りようとしてふらつく。どうやら私は自分が思っていた以上に、疲れてしまっていたようだ。倒そうになった私を大公様が支えて、ネロが後ろに回る。どうやら相棒の彼も心配している。自分が心配かけた事に改めて気付いて、気分は落ち込んで俯いてしまう。
「さぁ、おいで」
そう言われて顔を上げると、先に降りた大公様が手を差し出し待っている。エスコートなんて家族以外にされたことなかったから、少し恥ずかしい気持ちを隠してお礼を言って手を乗せた。
「ロゼッタ!どうしたの!」
馬車から降りた私に気付いた義姉のリンデ姉様が、驚いた表情で駆け寄って来る。義姉の声で他の家族や従業員も気付いて、集まって来てしまった。いきなり大公様と同じ馬車で帰って着たら、誰しも驚くわよね。と、どこか他人事の様に考えていた。
「お久しぶりです。シェリーが彼女に逢いたがって落ち着かないので、学園まで押し掛けてしまったよ」
笑いながらそう言った大公様と、私の後ろに隠れるシェリー。リンデ姉様は交互に大公様とシェリーを見た後、安堵のため息を吐いた。
「もう、ロゼッタに何かあったかと思いましたよ」
「驚かせてすまないね。突然で申し訳ないが伯爵に会えるかな?」
「お義父様なら執務室に居ますわ。誰か呼んで来てくれる?」
リンデ姉様の言葉に近くに居た使用人が、返事をして家に入る。私は着替えの為に自室に戻り、大公様はリンデ姉様ご応接室へ案内する。別れ際、大公様に私にも話があるから着替えたら来て欲しいと言われて、不安になりながらも頷いた。
「待ってるよ」
綿毛の様にふわりと笑いながら、私の手を取り手の甲に口付けを落としてから家に入って行った。余りにも自然にするから、最初は何が起きたか分からなかった。頭が理解すると、私の頬が一気に熱くなる。
「ロゼッタ、大公様と何があったの?」
様子を見ていたもう一人の義姉のリサ姉様が驚いた顔で聞いてきたけど、混乱中の私は首を横に振った。
「……着替えてくる」
何があったのか聞きたいのは私の方。話って何かしら?疲れと混乱で、余計にフラフラになりながらも、私は自室に向かって歩き出した。
8
お気に入りに追加
771
あなたにおすすめの小説
見捨てられた逆行令嬢は幸せを掴みたい
水空 葵
恋愛
一生大切にすると、次期伯爵のオズワルド様に誓われたはずだった。
それなのに、私が懐妊してからの彼は愛人のリリア様だけを守っている。
リリア様にプレゼントをする余裕はあっても、私は食事さえ満足に食べられない。
そんな状況で弱っていた私は、出産に耐えられなくて死んだ……みたい。
でも、次に目を覚ました時。
どういうわけか結婚する前に巻き戻っていた。
二度目の人生。
今度は苦しんで死にたくないから、オズワルド様との婚約は解消することに決めた。それと、彼には私の苦しみをプレゼントすることにしました。
一度婚約破棄したら良縁なんて望めないから、一人で生きていくことに決めているから、醜聞なんて気にしない。
そう決めて行動したせいで良くない噂が流れたのに、どうして次期侯爵様からの縁談が届いたのでしょうか?
※カクヨム様と小説家になろう様でも連載中・連載予定です。
7/23 女性向けHOTランキング1位になりました。ありがとうございますm(__)m
婚約者と親友に裏切られたので、大声で叫んでみました
鈴宮(すずみや)
恋愛
公爵令嬢ポラリスはある日、婚約者である王太子シリウスと、親友スピカの浮気現場を目撃してしまう。信じていた二人からの裏切りにショックを受け、その場から逃げ出すポラリス。思いの丈を叫んでいると、その現場をクラスメイトで留学生のバベルに目撃されてしまった。
その後、開き直ったように、人前でイチャイチャするようになったシリウスとスピカ。当然、婚約は破棄されるものと思っていたポラリスだったが、シリウスが口にしたのはあまりにも身勝手な要求だった――――。
どうして私にこだわるんですか!?
風見ゆうみ
恋愛
「手柄をたてて君に似合う男になって帰ってくる」そう言って旅立って行った婚約者は三年後、伯爵の爵位をいただくのですが、それと同時に旅先で出会った令嬢との結婚が決まったそうです。
それを知った伯爵令嬢である私、リノア・ブルーミングは悲しい気持ちなんて全くわいてきませんでした。だって、そんな事になるだろうなってわかってましたから!
婚約破棄されて捨てられたという噂が広まり、もう結婚は無理かな、と諦めていたら、なんと辺境伯から結婚の申し出が! その方は冷酷、無口で有名な方。おっとりした私なんて、すぐに捨てられてしまう、そう思ったので、うまーくお断りして田舎でゆっくり過ごそうと思ったら、なぜか結婚のお断りを断られてしまう。
え!? そんな事ってあるんですか? しかもなぜか、元婚約者とその彼女が田舎に引っ越した私を追いかけてきて!?
おっとりマイペースなヒロインとヒロインに恋をしている辺境伯とのラブコメです。ざまぁは後半です。
※独自の世界観ですので、設定はゆるめ、ご都合主義です。
溺愛を作ることはできないけれど……~自称病弱な妹に婚約者を寝取られた伯爵令嬢は、イケメン幼馴染と浮気防止の魔道具を開発する仕事に生きる~
弓はあと
恋愛
「センティア、君との婚約は破棄させてもらう。病弱な妹を苛めるような酷い女とは結婚できない」
……病弱な妹?
はて……誰の事でしょう??
今目の前で私に婚約破棄を告げたジラーニ様は、男ふたり兄弟の次男ですし。
私に妹は、元気な義妹がひとりしかいないけれど。
そう、貴方の腕に胸を押しつけるようにして腕を絡ませているアムエッタ、ただひとりです。
※現実世界とは違う異世界のお話です。
※全体的に浮気がテーマの話なので、念のためR15にしています。詳細な性描写はありません。
※設定ゆるめ、ご都合主義です。
※感想欄はネタバレ配慮しておりません。
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
溺愛されていると信じておりました──が。もう、どうでもいいです。
ふまさ
恋愛
いつものように屋敷まで迎えにきてくれた、幼馴染みであり、婚約者でもある伯爵令息──ミックに、フィオナが微笑む。
「おはよう、ミック。毎朝迎えに来なくても、学園ですぐに会えるのに」
「駄目だよ。もし学園に向かう途中できみに何かあったら、ぼくは悔やんでも悔やみきれない。傍にいれば、いつでも守ってあげられるからね」
ミックがフィオナを抱き締める。それはそれは、愛おしそうに。その様子に、フィオナの両親が見守るように穏やかに笑う。
──対して。
傍に控える使用人たちに、笑顔はなかった。
【完結】結婚しておりませんけど?
との
恋愛
「アリーシャ⋯⋯愛してる」
「私も愛してるわ、イーサン」
真実の愛復活で盛り上がる2人ですが、イーサン・ボクスと私サラ・モーガンは今日婚約したばかりなんですけどね。
しかもこの2人、結婚式やら愛の巣やらの準備をはじめた上に私にその費用を負担させようとしはじめました。頭大丈夫ですかね〜。
盛大なるざまぁ⋯⋯いえ、バリエーション豊かなざまぁを楽しんでいただきます。
だって、私の友達が張り切っていまして⋯⋯。どうせならみんなで盛り上がろうと、これはもう『ざまぁパーティー』ですかね。
「俺の苺ちゃんがあ〜」
「早い者勝ち」
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
完結しました。HOT2位感謝です\(//∇//)\
R15は念の為・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる